「詭弁の特徴のガイドライン」を論破する
今から【「詭弁の特徴のガイドライン」を論破する】というテーマで連続ツイートします。後でtogetterにまとめますので、ご意見ご感想はコメント欄にお寄せ下さい。合計26ツイートあります。TLを占拠してしまうと思いますが、たまになので許していただきたいです。
2013-03-24 16:40:561)「詭弁の特徴のガイドライン」という文章がネット上に出回ってからずいぶん経つ。論理学をちゃんとやってる人からすると明らかにヘンテコな内容の文章なのだか、ヘンテコすぎてつかみどころがなく、ちゃんと批判はしてなかった。
2013-03-24 16:41:112)しかしこうしている間にも「詭弁の特徴のガイドライン」を信じて、間違った論理的思考を形成している人がいるかもしれない。それを防ぐために、今回はきちんと批判しておこうと思う。
2013-03-24 16:41:213)「詭弁の特徴のガイドライン」はいろんなサイトに載っていて、いろんなバリエーションがあるようだが、今回はニコニコ大百科「詭弁の特徴のガイドライン」ページに載っている15項目を対象に批判をおこなっていくこととする。
2013-03-24 16:41:374)「詭弁の特徴のガイドライン」には大きく分けて3つの問題点がある。それらを説明する前に、3つの問題点を同じように持つ「まずい料理の特徴のガイドライン」という文章を考えてみたので、そちらを見ていただきたい。
2013-03-24 16:41:455)【まずい料理の特徴のガイドライン/1.塩気が足りない/2.果物を炒めている/3.味覚障害を起こす/4.自分の味付けが正しいと主観で決めつけている】
2013-03-24 16:41:546)一つのものを見ただけでは問題点が分かりにくくても、同じ問題点を持つ別のものと比較して見ることによって、より問題点が浮き彫りになることがある。「まずい料理の特徴のガイドライン」の問題点にお気づきになられただろうか?
2013-03-24 16:42:037)「詭弁の特徴のガイドライン」のような文章に慣れすぎている方は「まずい料理の特徴のガイドライン」の問題点にも気づくことができないかもしれない。「詭弁の特徴のガイドライン」と「まずい料理の特徴のガイドライン」に共通する3つの問題点を順にご説明していこう。
2013-03-24 16:42:158)【問題点1:タイトルがおかしい】ガイドラインという言葉の元々の意味は、大学ノートなどに書いてある、文字を横一列に書きやすくする罫線のことだ。転じて、何かを行う時に指標となる項目、つまり指針のことも指す。
2013-03-24 16:42:459)「詭弁の特徴のガイドライン」は「詭弁の特徴の指針」という意味となるが、「指針」は「何かをするための項目」という意味であり、「詭弁の特徴」が行為を表す言葉ではないため、「詭弁の特徴のガイドライン」という言葉は全体として支離滅裂となっている。
2013-03-24 16:42:5710)行為の指針を示すならば「詭弁を使った論じ方ガイドライン」または「詭弁の見破り方ガイドライン」とするべきだし、項目の一覧を示すならば「詭弁の特徴リスト」とするべきだ。名前が変なので、詭弁で論じたいのか、見破りたいのか、単に特徴を列挙したいのか、文章の目的が分からない。
2013-03-24 16:43:1311)目的が分からないため、このリストが必要条件なのか十分条件なのかも分からない。一つでも当てはまれば詭弁なのか、全てに当てはまるときに限り詭弁なのか、詭弁の特徴ではあるが詭弁かどうかを判断する基準ではないのか、まったく分からない。これも名前が曖昧であることが原因だろう。
2013-03-24 16:43:2212)【問題点2:言葉の定義が曖昧】ガイドライン内に定義が曖昧な言葉が多く存在するので、実際にどういう論法がこの項目に当てはまるのかが分からない。特に「知能障害」と「勝利宣言」という言葉の意味がまったく分からない。
2013-03-24 16:43:2913)あるサイトによると「知能障害は、獲得した知的機能が後天的な脳の器質的障害によっておこるもの」だそうだ。それに対して、ガイドラインに載っている具体例は「何、犬ごときにマジになってやんの、バーカバーカ」というもの。ただの罵倒である。
2013-03-24 16:43:3914)医学的な障害と罵倒発言に関連があるという医学論文でもあるのだろうか。おそらくないと思う。罵倒する人は知能障害であるというのは差別的だし、第9条で禁止している人格批判にも当たる可能性がある。
2013-03-24 16:43:5315)「勝利宣言」という言葉はもっと意味が分からない。具体例は「犬が哺乳類だという論はすでに何年も前に論破されてる事なのだが」となっているが、これのどこが勝利の宣言なのか。何年も前に結論が出ている議論の結果を教えてくれるのなら、ただの親切な人ではないか。
2013-03-24 16:44:0216)【問題点3:主観で決めつけざるを得ない項目がある】第4条の「主観で決め付ける」という項目にも大きな問題がある。その他の項目に、主観で判定せざるを得ない項目があるからだ。具体的には、第2条、第3条、第10条がそれに該当する。
2013-03-24 16:44:1217)第2条「ごくまれな反例をとりあげる」第3条「自分に有利な将来像を予想する」第10条「ありえない解決策を図る」。この「ごくまれ」「有利」「ありえない」というのは程度問題なので、主観で判定せざるを得ない。科学的方法で数値として判定できるものではないからだ。
2013-03-24 16:44:1918)「ごくまれな反例」というのは、何%以内の反例のことをいうのだろうか。5%以内か、1%以内か、0.1%以内か。人によって、あるいは話題によって異なるだろう。それは主観での判断以外の何物でもない。「有利」「ありえない」も同様。
2013-03-24 16:44:3219)今まで述べた【問題点1:タイトルがおかしい】【問題点2:言葉の定義が曖昧】【問題点3:主観で決めつけざるを得ない項目がある】という3つの点から、僕は「詭弁の特徴のガイドライン」をまったく信用できない文章として扱っている。皆さんはどうお考えだろうか。
2013-03-24 16:44:4120)僕のように「詭弁の特徴のガイドライン」に不満を持つ人は他にもいて、「新しい詭弁の特徴のガイドライン」をまとめている方もいるようだが、この「新しい」の方にも僕は否定的だ。【問題点1:タイトルがおかしい】の問題が解消されていないし。
2013-03-24 16:44:4821)結局、「詭弁」というのは「相手を騙すために故意に間違った論法を使う」という意味なので、相手の文章に書かれていない裏の意図を読めるような、超能力的な力がないと、詭弁かどうかというのを判定することはできないと思う。
2013-03-24 16:44:5622)その点、「誤謬」というのは「論理的に間違ったことを言う」という意味なので、文章に表れている部分だけで判定できる。よって「誤謬の見破り方ガイドライン」や「誤謬の特徴リスト」なら可能だと思う。というか、Wikipedia「誤謬」ページにすでにその一覧はある。
2013-03-24 16:45:0723)「詭弁の特徴のガイドライン」は2ちゃんで作られたものらしい。笑えるネタとして作られたのだろう。それを当てはめて詭弁だと言って笑っているだけならまだいいが、それを原発などの社会問題に当てはめて、それによって世論が形成されでもしたら、たまったものではない。
2013-03-24 16:45:21