ミクさんの憂鬱と。
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注意書きとか
予め言っておきますが、ツイート数にして50ツイート分あります。多分1時間くらいでのんびり流していきますので、興味ある人は気長にお付き合いください。RTしてくれるのはありがたいですが、大変なことになるのである程度自重でよろしく。
2013-03-25 23:51:20量が量なので、まとめは後で作成しますね。 しかし、サブローさんに触発された結果が随分な事になりました(笑 それでは、次から流していきます。
2013-03-25 23:53:56本編
50ツイート 約5500文字
「マスター、今日も遅いなぁ・・・・・・」 マスターの帰りを待ちつつ、わたしは一人ため息をつく。最近はお仕事が忙しいのか毎日帰りが遅い。時計を見ると、そろそろ日付の変わる時間だ。
2013-03-25 23:54:49自室のベッドの端に浅く腰掛け、足をぷらぷらと遊ばせていると余計に時間が長く感じられる。なんだか疲れてきたし、もうマスターのことは忘れて寝ちゃおうかな。そんなことすら思う。
2013-03-25 23:56:02「あ、もしかして・・・・・・」 淡く部屋を照らし出す天井の灯り。それを見上げてぼんやりとしていると、不意に嫌な想像が頭に浮かんだ。 「マスターはわたしと一緒にいるの嫌になったのかな・・・・・・」
2013-03-25 23:57:26わたしと一緒にいたくないから、遅くまで帰ってこないのかもしれない。本当は仕事じゃなくて、誰かわたしの知らない人と会って、わたしといるよりも楽しいと思える時間を過ごしているのかもしれない。
2013-03-25 23:58:45少し前までは『ミクさん、ただいま』と挨拶してくれた後に、思い切り抱きしめてくれた。ちょっと気恥ずかしかったけど、わたしにはその時間が何よりも嬉しかった。
2013-03-26 00:00:03けど最近は、挨拶はしてくれても抱きしめてくれることはない。お仕事から帰ってくるとすぐにお風呂に行って寝てしまう。ほんの少しの時間でもいいから、その日の出来事とか、お話して欲しいのに。
2013-03-26 00:01:18マスターの温もりがとても恋しい。マスターの声がとても愛しい。こんなにもマスターの事を想うのに、そのマスターがわたしのこと嫌いになったのかなと思うと、胸が締め付けられる。
2013-03-26 00:02:22「はぁ・・・・・・」 再びのため息が漏れた。考えれば考えるほどに落ち込んでしまいそうだ。深海の奥底に沈んでいきそうな思考を振り払いつつ、夜の時間は過ぎていく。
2013-03-26 00:03:52――ガチャ 「あっ、帰ってきた」 玄関の開かれる音に意識を引き戻される。わたしはあわてて立ち上がると音のしたほうへと飛び出していた。 「おかえりなさい、マスター」 「ああ、ただいま。ミクさん」
2013-03-26 00:05:09やはり、きっちりと挨拶は返してくれる。しかし、マスターはそのまま私の横をすり抜けて家の奥へと歩みを進めようとする。そんな姿に、わたしは自然と手を伸ばしていた。
2013-03-26 00:06:31「……ミクさん?」 声をかけられハッと気がつく。伸ばした手は、無意識のうちにマスターのスーツの裾を掴んでいた。 「あの、これは……」 何か言い訳をしようとして、言葉に詰まる。そして、言葉の代わりに瞼のうちから溢れ出すもの。わたしの涙であった。
2013-03-26 00:07:55「ミクさん……」 突然泣き出してしまったわたしの姿に困惑している様子のマスター。なんとか抑えないと、そう思えば思うほどに涙の量は増えていく。 「とりあえず、リビングに行こうか」 優しい声でかけられた言葉に、わたしは無言で頷いていた。
2013-03-26 00:09:22マスターの裾を掴んだままリビングへと入る。そのままソファに座るとマスターは静かにわたしの頭へと手を乗せてきた。小さな子供のように泣きじゃくるわたしに何も言わず、わたしも何も言えず、ただ言葉のない時間がリビングを包みこんだ。
2013-03-26 00:10:41どれくらいの時間が過ぎただろうか。頬が冷たくなったのを感じつつ、そっと口を開く。 「マスター……」 絞り出した一言に頭に乗せられた手の力が少し強くなる。それは静かに続きを促してるように感じられた。 「わたし、怖かったんです……」
2013-03-26 00:12:33「……それはどうして?」 「マスターが、わたしのことを捨てちゃうんじゃないかって……最近一緒にいてくれる時間が少なくなってて、わたしマスターに飽きられちゃったのかなって」 マスターからの答えはない。私は続ける。
2013-03-26 00:13:49「わたし歌うのは得意だけど、ドジばっかりでマスターになにも返してあげられない。だから、一緒にいても楽しくないんじゃって。他の誰かと一緒の方がいいんだろうって」 「……そんなことはないよ」 「じゃあなんで!!」
2013-03-26 00:15:02自分でも不思議なくらいに強い声が出た。それに引っ張られるように自分の中から出てくる強い思いを抑えきれない。 「なんで、抱きしめてくれないの? 前は、帰ってくるなり『ミクさーん』って抱きしめてくれた。なのに最近は帰ってきても挨拶だけしかしてくれない!」
2013-03-26 00:16:22マスターはじっとわたしの顔を見て話を聞いている。 「わたしは嬉しかった。それをうまく表現するのは苦手だったけど、マスターの温かさがわたしの中に染み込んでくるのが何よりも嬉しかった。マスターの腕の中がとても心地よかった……」
2013-03-26 00:17:58話すうちに、だんだんと言葉が尻すぼみになっていく。しかし言葉は次々と溢れてきて、再び泣いてしまいそうになりながらも一つ一つを口に出していく。それらを聞きながらマスターは小さく頷いていて、促されるように自分のなかの全てをマスターにぶつけていった。
2013-03-26 00:19:09「……ごめんな」 わたしが一通り話しきったとき、マスターの口から出たのは謝罪の言葉だった。 「本当に、ごめんな。ミクさんがそんなふうに思ってくれてたってこと、さっぱり気づいてあげられなくて。こんなんじゃ、マスター失格だよな」
2013-03-26 00:20:58