ショコラ先生の中世ご高説―オランダとスウェーデン編―

ねこがいました @nekoga_imashita

この人が考えたのが「銃兵上手く使えねーかなー」というもの。

ねこがいました @nekoga_imashita

前述した通り、当時のマスケット銃は一発撃つのに3分ぐらいかかりました。なので、マウリッツ伯は考えました。

ねこがいました @nekoga_imashita

「銃兵に交代で撃たせれば射撃の間隔短く出来んじゃね？」

ねこがいました @nekoga_imashita

マウリッツ伯は槍兵に対する銃兵の比率を大きく上げて、銃兵の火力を上げました。大体、槍1に対して銃兵1.5～2ぐらいだったとか。

ねこがいました @nekoga_imashita

ついでに陣形も槍兵の周囲に銃兵を配置するのではなく、槍兵の両翼か後方に配置する形にしました。

ねこがいました @nekoga_imashita

これをオランダ式大隊といいます。

ねこがいました @nekoga_imashita

オランダ式大隊：銃兵両翼配置 http://twitpic.com/2lvu9o

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ねこがいました @nekoga_imashita

オランダ式大隊：銃兵後方配置 http://twitpic.com/2lvv64

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ねこがいました @nekoga_imashita

何故オランダ式大隊と言うかは、オランダの軍編成は100～150人の中隊を4～6個併せて大隊として運用していた為です。（兵科の比率は前述の槍：銃＝1:1.5～2）

ねこがいました @nekoga_imashita

テルシオは一個の陣形が、最大で3000人ぐらいで構成される大規模陣形だったので大分スリム化されてます。

ねこがいました @nekoga_imashita

3000人の兵士がいた場合、スペイン方陣だと陣形1つですが、オランダ式大隊だと3つ以上陣形を作れるわけです。

ねこがいました @nekoga_imashita

メリットとしては、スリム化による高機動化、火力増強による攻撃力の増強。

ねこがいました @nekoga_imashita

デメリットとしては、防御力の減少。特に槍兵が相対的に減っているので重装騎兵突撃に弱くなりました。

ねこがいました @nekoga_imashita

ただ、重装騎兵はテルシオによって時代遅れになっていったので、余り重装騎兵を意識しなくて済むようになっていました。食物連鎖的な状態ですね。

ねこがいました @nekoga_imashita

オランダ式大隊は、銃兵に一斉射指せるのではなく、十列程度に並べ順次射撃させる方式を取っています。一発打つのに3分かかるとしても、単純計算で 180s / 10 = 18s 20秒前後で一発ずつ撃てます。

ねこがいました @nekoga_imashita

マウリッツ伯はこの十列を、最前列の奴が撃つ　→　撃ち終わったら最後尾に回る　→　二番目の奴が最前列に進みでて射撃の連続という運用を考え出しました。

ねこがいました @nekoga_imashita

これを背面行進（カウンター・マーチ）と言います。

ねこがいました @nekoga_imashita

マウリッツ伯は絶対「ぼくのかんがえたさいきょうせんじゅつ」をノートに書いてたタイプです。

ねこがいました @nekoga_imashita

冗談はさておき、これにより槍兵による白兵戦主体だったテルシオに比べ、オランダ式大隊は攻撃力が大幅に上がりました。

ねこがいました @nekoga_imashita

さてこのカウンター・マーチ、何かに似てませんか？

ねこがいました @nekoga_imashita

そうです。織田信長の長篠の戦いにおける三段撃ちですね。

ねこがいました @nekoga_imashita

ただまあ、欧州と日本でマスケット銃（火縄銃）の装填速度に大幅な違いがあるとは思えないので、信長が銃兵火力で圧倒しようとしたら十段撃ちしないといけなくなります。

ねこがいました @nekoga_imashita

さらにさっき触れましたが、武田の騎馬隊も騎馬突撃ではなく騎馬歩兵であった可能性が高い。

ねこがいました @nekoga_imashita

なので、創作によくある「武田の騎馬隊の突撃を、織田の鉄砲隊の三段撃ちで撃退！」というのはちょっと無理がある描写なんですね。

ねこがいました @nekoga_imashita

実際は、長篠の戦いは野戦築城を効果的に運用したのが勝因とも言われてます。