山崎 雅弘(mas__yamazaki)氏による、紛争の内外構図の議論と、昨今の北朝鮮情勢

興味深かったので、ツイートお借りしました。
国際 歴史 国際紛争 北朝鮮 国家 外交
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山崎 雅弘 @mas__yamazaki
紛争史に関心を持ち始めた頃は、単純に「A国対B国」という対立図式で見ていたが、紛争史分析の原稿を15年書き続けた結果、紛争の発生や継続の深層に横たわるのは、国籍を超越した「a集団対b集団」という内なる戦いであるとの認識を得るに至った。 http://t.co/88M79beKFM
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山崎 雅弘 @mas__yamazaki
例えば中国や韓国で反日デモを行う人間、大久保や鶴橋で反韓デモを行う人間は、一見すると全面的に敵対しているように見えるが、共に自国の「b集団」に位置し、相手国との関係悪化を望んでいる点で目的が一致している。相手国の「b集団」は「敵」であるのと同時に共通の目的を持つ「味方」でもある。
山崎 雅弘 @mas__yamazaki
「b集団」に属する各国の人間が、集団内で罵倒や暴力の応酬を繰り返し、それぞれの国内で「b集団」の割合が増大すると、もはや紛争の発生は誰にも止められなくなる。それを防ぐには、相手国の「b集団」の発言や行動が決して「国家意志」でも「国民の総意」でもない、という認識を共有しておくこと。
山崎 雅弘 @mas__yamazaki
しかし外国の「b集団」による自国への罵倒や暴力は、受け手の感情を激しく刺激する「商業面で魅力的な素材」であるため、マスメディアは「b集団ウイルス」の伝播を担っている危険性の自覚が無いまま、あたかもそれが相手国の「国家意志」や「国民の総意」であるかのように報じる場合が少なくない。
山崎 雅弘 @mas__yamazaki
(昨日の続き)各国の「b集団」は、対処を誤って不安定化させると揮発したガソリンのように危険な存在となるため、各国政府は自国の「b集団」を安定化させるため、彼ら向けの政治的メッセージをしばしば発する。これを当該国の「b集団」以外が真に受けて反応すると、事態がかえって混乱し悪化する。
山崎 雅弘 @mas__yamazaki
日本ではあまり知られていないが、中国の上海(浦東空港)から台湾の台北(桃園空港)に向かう中国国際航空(エア・チャイナ:中国のナショナルキャリア)は「国際線ターミナル」から出発で、台北到着直前には機内のビデオで「入国手続きの案内」が放送される。これは昨年4月に自分で乗って確かめた。
山崎 雅弘 @mas__yamazaki
実質的には「独立国」として遇している台湾が、公式に「独立」を宣言することを中国政府が絶対に認めない理由の一つは、それを中国政府が「公式に黙認」するとチベットやウイグルなどの独立運動を勢いづけ、国内の「b集団」、特に人民解放軍が激烈な北京政府批判を展開することがほぼ確実であるため。
山崎 雅弘 @mas__yamazaki
中国政府が国内の「b集団」向けに発する(せざるを得ない)「政治的メッセージ」と、中国政府の「現実の行動」には大きな落差があることを認識し、外国は前者を真に受ける必要が無いと理解することは、尖閣問題への日本の対応を考える上でも必要だろうと思う。長くなりそうなので、続きは明日以降に。
山崎 雅弘 @mas__yamazaki
これらの事実は何を物語っているか? 中国政府は、表向きは「台湾の独立など絶対に認めない」としているが、現実には台湾が「事実上の独立国」として振る舞うことを許し、実際にそれを受け入れている。しかし、台湾政府が「公式声明」として「独立」に言及すると、激烈な反応を示し、報復措置をとる。
山崎 雅弘 @mas__yamazaki
北朝鮮に対するアメリカの軍事的圧力が一定レベルに達すると、ロシアや中国が牽制する、という従来のパターンが、今回は全然見られないのが気になるところ。中国は北朝鮮から完全に距離を置き始めている。そしてアメリカ政府は、北朝鮮の国内「b集団」向けメッセージを「真に受けたふり」をしている。
山崎 雅弘 @mas__yamazaki
ここ数日の北朝鮮の動きを「(アメリカへの)挑発」という文脈で報じるメディアが大半だけど、国内の「b集団」つまり軍や党の長老を頂点とする共同体向けの「追いつめられているが我々の基盤は揺るがない」という悲痛なメッセージとも受け取れる。1944年の日本の刊行物にも同様の現象が見られる。
山崎 雅弘 @mas__yamazaki
1939年春の時点で、ヒトラーはポーランドとの戦争を望んではいなかった。だがダンツィヒ問題等によりドイツとポーランド両国で「b集団」の罵倒や暴力の応酬がエスカレートした結果、戦争以外の解決法が失われ、ポーランド侵攻と第二次大戦勃発を招いた。詳しくは拙著『ポーランド電撃戦』を参照。
山崎 雅弘 @mas__yamazaki
北朝鮮、ロ外交官退避検討を要請 半島情勢の緊迫理由に(共同)http://t.co/7huFeQKHjz これはロシアに対するSOSのシグナルじゃないのか、という気もする。「じいちゃんや親父の時は、うちがアメ公にいじめられると必ず助けてくれたのに、なんで今回は黙って見てるのさ?」
山崎 雅弘 @mas__yamazaki
続き「このままじゃ、ほんとに始まっちゃうよ? いいの? 仲裁に入ってくれるなら、今しかないよ?」(本心:自分単独で「強硬姿勢を取り下げる」と面子と威信が丸つぶれになるからできない。しかしロシアが仲裁してくれたら「不本意だがロシアの顔を立てて今回だけは…」と引き下がれるんだけど…)
山崎 雅弘 @mas__yamazaki
一国の政府が強硬姿勢をとる場合、様々な選択肢から主体的に強攻策を選ぶ場合もあれば、指導部の面子と威信の失墜を避ける為には強攻策以外を選べない状況に立たされ、否応無く強硬姿勢をとる場合もある。1941年の日本がまさにその状況で、今でも「対米開戦はハルノートのせい」と信じる人もいる。
山崎 雅弘 @mas__yamazaki
B52、B2の配備やF22の演習参加、グアムのミサイル防衛システムなど、アメリカ政府は北朝鮮の「b集団」の神経を強烈に逆撫でする対抗策で圧力を強めているが、どんな「逃げ道」を相手に残しているんだろうか? 相手国指導部の面子と威信を失墜させる「ハルノート」的条件は逃げ道たりえない。

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