要員007ことジェームズ・ボンドと吸血鬼アーカードの「女王」を巡る恋の鞘当て大決戦!

いくら払えば続きを書いてもらえるのだろうか?
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現場猫教授 @Dr_crowfake

「ああ、彼女まで私を置いていくのね」玉座でそう「女王」は呟いた。彼女はこの60年間、衰退し続ける「帝国」の玉座に座り、それを眺めているだけだった。その間に色々な事件があった。色々な危機があった。だが彼女はそれを「女王」として受け止め続けてきた。ありとあらゆる不平不満も含めて。

2013-04-08 23:05:32
現場猫教授 @Dr_crowfake

その長い歴史の中でも「女宰相」の時期は「大宰相」のときに匹敵する大事件だった。国家の領土を侵す敵国の侵略、そして国家体制自体の変貌を促す社会的要求。「女宰相」はそれを、たとえ他人がどう評価しようとも、少なくとも一貫してやり遂げた。それは人として美しいと「女王」には思えた。

2013-04-08 23:08:12
現場猫教授 @Dr_crowfake

だが、その困難の時期を共に乗り越えたはずの「女宰相」さえも、自分を置いて先に逝ってしまった。「女王」以外にその孤独を分け合えるものがいるだろうか。定命の者には体験すら難しいだろうそれを、味わえるものがいるだろうか。

2013-04-08 23:09:58
現場猫教授 @Dr_crowfake

「私は、長く生き過ぎたのかもね……」と「女王」は呟いた。そこに、覆いかぶさるような闇がかかる。「いえ、陛下(ハー・マジェスティ)。あなたはそれだからこそ美しい。この滅び行く国を背負い、60年もの間立ち向かってきたあなたは、私にとってはとても魅力的だ」

2013-04-08 23:12:37
現場猫教授 @Dr_crowfake

「王立国教騎士団所属、吸血鬼アーカード。あなたの言葉は常に魅惑的よ。でも、わたしは1944年に、あなたとは契らないと約束したはず」「人の世の約束など、我らミディアンには関係ありませんな」「その不羈奔放なところも、かつての私には魅力的だったのだけどね」そう「女王」は笑う。

2013-04-08 23:14:48
現場猫教授 @Dr_crowfake

「では?」「あの時応えた応えを、もう一度繰り返すわアーカード。「御免ね」絶対に「御免ね」」「残念だ「女王」。では力づくでも持っていくこととしようか」それはあくまで優雅な、しかし絶対的な陵辱の儀式。そこに無作法なゲストが現れる。「誰だ?」「私は、ボンド。ジェームズ・ボンド」

2013-04-08 23:17:41
現場猫教授 @Dr_crowfake

「フハハ! 何度殺しても蘇る、写本の騎士! また俺の前に立ちはだかるか!」「この身は陛下とその統べたもう祖国に忠誠を誓ったもの。何度写本が破れようとも、今更何のためらいがあろうか」「ならここで、完全に燃え尽きるがいい!」アーカードの放った獣たちを、ボンドが打ち払う。

2013-04-08 23:20:46
現場猫教授 @Dr_crowfake

「あいにく私は男色の趣味はなくてね!」ボンドは笑みを浮かべながらアーカードの放った闇の獣たちを聖別された弾丸で焼き払う。「貴様! ああそうだ。私はカンタベリー大司教から直接赦しを得た身なのだよ。君の如きミディアンにはわかるまいが。さあ、祭りは始まったばかりだ! とく楽しもう!」

2013-04-08 23:23:44
現場猫教授 @Dr_crowfake

要員007ことジェームズ・ボンドと吸血鬼アーカードの「女王」を巡る恋の鞘当て大決戦!

2013-04-08 23:29:29