茂木健一郎氏 @kenichiromogi 【繰り返し接して楽しいものは、音楽に似ている】連続ツイート

2013.4/10 茂木健一郎氏:連続ツイート第905回 【繰り返し接して楽しいものは、音楽に似ている】 …本日は、ああそういえば系、そうだね系ツイート…
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート905回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、ああそういえば系、そうだね系ツイート。

2013-04-10 14:48:40
茂木健一郎 @kenichiromogi

くお(1)ミラノに、Design Associationの人たちといっしょに来ている。川又さん、細田さん、津江さん。BS日テレでやっているTokyo Designers Week.tvの政策スタッフでもある。タクシーに乗っていたら、何回かビートルズがかかって、三人が笑った。

2013-04-10 14:50:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

くお(2)笑ったのには理由がある。Design Associationのボス、川崎さんがビートルズ好きで、番組のBGMはずっとビートルズ押しなのだ。特に、A Hard Day's nightなどは、テーマソングとしてずっと使用されてきたので、三人がもうケタケタ笑って面白い。

2013-04-10 14:51:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

くお(3)昨日は佐賀新聞の中尾清一郎社長もミラノにいらして、Al Portoに連れていって下さった。夜、部屋に帰って、ローカルに取り込んである私の大好きなイギリスのコメディ、Father Tedを見ながら寝た。もう何度も何度も観ているので、途中で意識がなくなって眠るが、構わない。

2013-04-10 14:53:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

くお(4)朝起きて、昨日のビートルズタクシーのことを何とはなしに思い出して、それからFather Tedをもう何十回も見て居ることを考えていたら、「あっ、そうか」と思った。繰り返し聞きたくなるもの、読みたくなるもの、会いたくなる人、見たくなる絵は、おそらく音楽に似ている。

2013-04-10 14:54:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

くお(5)例えば、私にとっては漱石などそうで、坊ちゃんにせよ、三四郎にせよ、それから、こころ、猫にせよ、もう何回となく読んでいるけど、また思い出したように読む。それで、ある回路にぐっと引き込まれていくのだけれども、その時の体験の質と立ち上がる認知プロセスは、音楽に似ている。

2013-04-10 14:55:36
茂木健一郎 @kenichiromogi

くお(6)何度会っても飽きない人というのもそうで、例えば昨日の中尾清一郎さんもそうだ。中尾さんには独特の調子があって、歩き方、しゃべり方にもリズムがあって、会うたびにそれに触れるけれども、飽きることがない。中尾さんは、一つの音楽なのであろう。

2013-04-10 14:56:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

くお(7)逆に言えば、一度読んでしまうともう二度と読む気がしない文章は、音楽として成立していない、あるいは音楽が悪い、ということなのだろう。意味はすべてわかって、情報としてもすべて吸収して、それでもなお、その文章を読みたくなるということは、そこに音楽性があることになる。

2013-04-10 14:57:44
茂木健一郎 @kenichiromogi

くお(8)音楽性への感受は、子どもの頃から始まっている。一度聞いた話を、もういちど聞かせてくれ、という時には、子どもは音楽を識っているのである。繰り返すことが、決して冗長にはならず、むしろある種の引き込みによる強化、精神のマッサージ、命の再生につながる。

2013-04-10 14:59:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

くお(9)ニーチェは、『悲劇の誕生』の中で、すべての芸術が究極に目指すものを音楽だとしたが、表現は、音楽に憧憬するのであろう。一度で終わるのではなく、繰り返し接することで尽きることのない喜びの泉になれるような、そんな作品が出来上がったとき、それはきっと音楽に似ている。

2013-04-10 15:00:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート905回「繰り返し接して楽しいものは、音楽に似ている」でした。

2013-04-10 15:00:50