ささきりょう弁護士(@ssk_ryo)が語る、限定型正社員制度を巡る警戒すべき動き
- Kana_1024n
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限定正社員について、厚労省は何らかの法制度を取ることについては消極的ではあるものの、規制改革会議雇用ワーキンググループは、法制度を作ることについてとても積極的。これは4月17日の鶴教授(座長)のレジュメを見ると分かります。
2013-04-27 14:52:18制度として考えられているのは、1)労働条件の明示、2)均衡待遇制度の整備、3)相互移動の規定、4)解雇の合理性・相当性に関するルール。大雑把に言うとこの4つかな。
2013-04-27 14:54:16法律としての規定し易さからみると、1)労働条件の明示を義務づけることは難しくないでしょうね。というか、ここを義務づけないと限定正社員って始まらないので当然ですが。労基法の明示義務をいじって、限定正社員の場合は契約の書面化義務にするとか、就業規則の必要的記載事項にするなど。
2013-04-27 14:56:51そもそも、今の均衡待遇(均等待遇)の規定ってのは、パートと正社員、有期と無期、派遣労働者と派遣先社員では、それが努力義務だったり、禁止規定だったりと、強弱に差はあれども、例はあるので。
2013-04-27 15:00:10難しいのは3)の相互移動のルールとやら。これは何をイメージしているのか、鶴教授のレジュメを見ても、いまいちピンと来ないのですが、正社員から限定正社員になるときの同意のルールかなんかでしょうか・・・。それとも手続的に規制するのだろうか・・・。
2013-04-27 15:01:30先の1)との絡みから書面化義務を課すことはできるでしょうが、労働分野の「同意」っていうのは複雑な問題があるので、下手に法律にしてもらいたくないという気がしますが、ここはあまりに記載が薄いので何がイメージされているのか分かりません。
2013-04-27 15:02:47最後が大問題の4)解雇のところです。ここが曲者です。就業規則に解雇事由として、職務の消滅や職場(地域)の消滅を就業規則や契約書に記載することを義務づけることはできるでしょうが、これだけでは労働契約法16条が及ぶので、結局、現行の職務限定・勤務地限定と変わらないですね。
2013-04-27 15:06:37他方で、職務消滅・職場消滅の場合を労働契約法16条を適用除外にすると弊害が大きく、とてもじゃないけど受け入れられません。私は。鶴教授のレジュメは、慎重に記載されていて、適用除外とは書いてませんね、さすがに。
2013-04-27 15:09:53「ルールを整理」とあるので、どうやって整理するのか不明ではありますが、「労使および司法のコンセンサス」が必要とも書いてあるので、結局、先が読めない部分が大きいといえるでしょう。
2013-04-27 15:11:45何らかの形で解雇のルールをいじって、限定正社員については職務や職場の消滅で問答無用に解雇が有効になるルールを整備されてしまうと、どうしてもそこへ労働者を流し込む濫用事例が想定されます。その場合、労働側は、これまでの解雇とは異なって、新たなハードルを課せられることになります。
2013-04-27 15:19:27有期労働契約が19条1号2号該当性が第一のハードルとして課せられるように、労働側は、本件では本来の限定正社員ではないという立証をしないといけなくなるでしょう。これは解雇事由についての立証責任の実質的な転換といえる現象で、証拠偏在がデフォの労使関係では厳しいものと言えます。
2013-04-27 15:22:34あとは、仮に「限定正社員」ができたとして、その仕事だけ本当にやるので済むのかいな、という気もしています。たとえば、派遣労働者からの相談として多いのは、予定されていた業務と違う、とか、別のこともやらされる、とかですからね。派遣でさえそうなのに、とも思います。
2013-04-27 15:29:47