金明秀さんによるピエール・テヴァニアン講演報告

まとめ方に問題あれば、コメント欄でご指摘お願い致します。
国際 ジェンダー 同化 ムスリム フランス 多文化 差別 女性 スカーフ論争
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金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
『スカーフ論争』すっごい既視感。必見です。
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
ですです。DVDあります。 http://t.co/S6BIa6qt2F RT @h_hyonee: 映画ですよね? RT @han_org 『スカーフ論争』すっごい既視感。必見です。
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
しばらく前、「フランスと日本は同化主義の強さという意味では似ているが、前者は共和主義を建前として採用できるのに対して、後者は共同体主義をとる。したがって、レイシズムの表出形態も、前者は共和主義的レイシズム、後者は同化主義的レイシズムと異なるんだ」みたいに書いた。でも、(続)
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
今日の話を聞くかぎり、相違よりは類似点が印象的。というか相違はもちろんあるのだけど、それらが些末な物語として視野から消えてしまうぐらい、日本とフランスのできごとの共通点を強く印象付けられる内容になっている。
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
主催者からの了解を得ましたので、本日の講演の内容をおすそ分けします。ピエール・テヴァニアンの講演は内容を少しずつ変えながら各地で開催されますので、興味をお持ちになった方はぜひ参加してみてください。その価値はあると思います。
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
「スカーフ論争」とは、フランスの公立学校にイスラムのスカーフを着用して登校することが、男女平等や政教分離というフランスの理念に反するということで社会的争点になった出来事。フランスでは戦後、旧植民地である北アフリカから大量の労働者が動員されて、3世4世と定住化が進んでいる。
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
以下、テヴァニアンの講演から抜粋。
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
フランスのスカーフ論争は外国では当惑を呼んでいるように思われる。なぜフランスの世論、左翼、教員がスカーフを付けた女子生徒を排斥する法案に賛成するに至ったのか。
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
一つの解釈は、「あれはフランスのライシテの伝統だ」…つまり、政教分離の長い伝統の中にムスリム移民が入ってきたせいだという文化本質主義的な説明。こうした説明は外国だけでなく国内でもなされてきた。ライシテの原点、世俗主義の原点に回帰することがスカーフを禁止する立場だと語られてきた。
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
私自身はこのような解釈に真っ向から反対してきた。つまり、ライシテの伝統というのは排除を正当化するような考え方ではなく、むしろ保守革命がライシテの中で起こって、ライシテの原則が道具として利用されたのだと。
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
ライシテという原則が確立するのは19世紀末から20世紀初頭にかけて。しかし、最近になるまで、あくまで国家の側、教師の側の中立を要請する法案だった。教育、教師、カリキュラムが中立であることを定めた法律であり、生徒の側の中立性というのが規定されたことはなかった。
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
用事が出来たので続きは後でw
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
こうした本来のライシテの伝統から見れば、逆転が2004年に起こったということ。標的とされたのはムスリム系の学生。彼らが問題の根源とみられた。彼らを排除するためにこういう法案が作られた。
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
現場の教員として私は長い間生徒の世界というものに触れてきて、いかにメディアで作られている悪魔化されたイメージと現実の間にギャップがあるかに気づかされてきた。彼女たちはふだん社会に溶け込んでおり、特に問題を起こすようには見受けられなかった。調和して生きてきた。
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
圧倒的大部分の生徒たちはスカーフの女子生徒の排斥に反対。しかし、教員に関していうと、スカーフ禁止法に圧倒的大部分が同意を示している。しかもそれは一般人よりやや高い割合。
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
ここにこの問題の逆説がある。つまり、フランスにおける教員の世界は左右の対立でいえば左派が圧倒的に強い空間であり、ある意味では反差別が常識になっている世界。だからこそ、社会が世論にあおられてこういう法案に同意するとしても、教員の世界はもっと抵抗してもよかったのに、教員の世界の...
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
今日の講演ではなぜ教員たちがこうしたスカーフの生徒を排斥するような法案に同意してしまったのかという理由をいくつか考えてみたい。
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
要求と同意の違いというのはどこにあるのか。世論というものはかなり《作られる》という性格がある。アンケート調査というのは純粋に事実を反映するものではなく、問いの立て方によって誘導される。そういうメディアの《作った》問題設定に誘導されうる。
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
これに対して、要求というものは社会運動によって作られるもの。労働組合であったり、色々な団体が動くことによって要求を通していく、そういう特性を持っている。
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
その意味では、この論争においては、つねに世論が強調している側面と実際に運動が要求しているものの間には差があった。当時の教育現場が求めていたものはスカーフ論争とは関係がなかった。なのに、メディアが立てた問題設定に取り込まれていった。
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
94年時点でスカーフをかぶっている女子生徒は全土でわずか2千名ほど。そのうち学校との間で問題になったケースはわずか300件にとどまっていた。2003年時点ではさらに150件まで半減していた。教育現場ではスカーフの着用というものは問題となっていなかった。
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
したがって、この問題は下から出てきた問題ではない。まったく逆で、まず政治家たちが騒ぎ出し、それをメディアがあおり、最終的には教育現場も同意を示してしまったということ。
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
ここからなぜ教員たちが同意してしまったのかということについての第一のヒントがある。学校教員も他のフランス社会のメンバー同様、テレビの視聴者。世論に操作されやすいところがあるということだ。
金明秀 KIM, Myungsoo @han_org
第二の要因としては、教員たちの世界も他のフランス社会の構成員と同様に、ある種の差別感情を抱えていた。植民地時代のムスリムに対する差別意識があって、それがこの事件を機に顕在化したと考えられる。
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コメント

澤田 稔 @MinoruSawada 2013年5月7日
最低限の再整理をして、まとめを更新しました。
あんとに庵 @antonianjp 2013年5月7日
昨日の金教授のツイッタ文がまとまっていた。スカーフ問題を例にフランスにおけるムスリムへの圧力について。興味ある方はどぞ。
あんとに庵 @antonianjp 2013年5月7日
テヴァニアン講演のまとめ。共同体的レイシズムと共和制的レイシズムという二つのレイシズムがあるという話はなかなか。前者は日本にみられるものだけど、欧州でも伝統主義者はその視点。後者の共和主義はフランスで特に顕著。フランス革命まで遡る政と教の対立に端を発してるんで根が深い。
あんとに庵 @antonianjp 2013年5月7日
フランスにおける宗教、欧州リベラルの宗教というものに対する反発については昨日少し触れたんだが、共和主義を論じる場合はその視点も鑑みないといけない。
あんとに庵 @antonianjp 2013年5月7日
まぁ「最高存在の祭典」なんぞやってたロベスピエールはその点で糞だ。それが現代にあってはムスリムの宗教に端を発する文化への圧力となって蘇っているというのは悪夢ではある。
あんとに庵 @antonianjp 2013年5月7日
その共和主義と、フランスの伝統保守な共同体主義が一緒になるという最悪な方向になると受け皿が無くなるという案配で。ただフランス(あるいは欧米もだが)はそのようなものとは別に、大衆の反発に対しマイノリティの市民としての人権は国家が守っているなーと。可視化すらさせない日本に比べると偉いわな。
渡部有香 @yukawatta 2013年5月8日
事は単純だ。教育現場では宗教マイノリティに配慮してマジョリティの(学校内)クリスマス催事を禁止している。従って、スカーフも“学校内”では排除されてしかるべき。マイノリティだけが許されるならそれは逆差別になる。 
鳩豆鉄砲 @HatoMameTeppou 2013年5月10日
単純ですので、ライシテ(世俗主義)概念自体に問題がないのであれば「輸血禁止」に対しての「差別(逆でも何でもない差別)」が生まれるわけもないのではないかと考えました。
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