親の年齢と障害のリスクをめぐって

女性手帳の話題から、親が高齢だと子が障害を持つリスクが高まるという話が出ていますが、あんまし気軽に扱える話ではないよなあという話。
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黒猫亭 @chronekotei

昨日ちょっと流れてきた加齢に伴う精子の劣化の話って、ちょっと難しいところに差し掛かっているな、と思った。前からちょっと気にして考えている、科学的事実が人を傷つける問題として。

2013-05-10 13:06:55
𝔽𝕦𝕂𝕒_𝔽𝕦𝕂𝕒_𝕄𝕗𝕄𝕗 @fuka_fuka_mfmf

@chronekotei 一周まわって「羊水腐る、は正しかった」とか言ってる向きも絡めてぜひお願いします

2013-05-10 13:09:56
黒猫亭 @chronekotei

@fuka_fuka_mfmf まあ、言ってみればそう謂う問題ではあるんですよ。もしも科学の進歩に伴って「一周回って羊水腐るは正しかった」と謂うことになったらどうするのか、とかね。つまり、科学的に正しいことが政治的に正しいとは限らないし、むしろその二つは全然別だと謂うことですね。

2013-05-10 13:11:36
黒猫亭 @chronekotei

政治的に正しくない事実を科学が証明してしまったら、じゃあ人間はどうするのか、と謂うのは結構大昔から言われている問題だよね。たとえば特定人種が能力的に劣っていると謂う考えは政治的に正しくないが、もしもそれが科学的に裏付けられてしまったらどうするのか、と。

2013-05-10 13:13:11
月餅 @geppeeee

@chronekotei 遺伝病とも絡む問題ですからね。

2013-05-10 13:12:17
黒猫亭 @chronekotei

@geppeeee ええ、昨日流れてきた話は、男性の加齢に伴って精子が劣化すると、自閉症や統合失調症の子供が生まれる確率が有意に高くなると謂う話でした。でも、もしもそれが本当なら、高齢で子供を作った男性の子供が自閉症や統合失調症だった場合、男親が苦しむことになります。

2013-05-10 13:15:07
月餅 @geppeeee

@chronekotei これは今までよく知られていたダウン症と卵子の関係と同じですね。

2013-05-10 13:22:58
黒猫亭 @chronekotei

精子の劣化で、と謂う知見が確実なのであれば、それはつまり自閉症や統合失調症の発生を割と効果的に抑制することが出来ると謂う話になるわけで、そこで「障害者は生まれてはいけない生なのか」みたいな問題と合流するわけだな。

2013-05-10 13:29:10
月餅 @geppeeee

@chronekotei 「障害者といえども一人一人は尊重されるべき人間だが、マスで考えれば少ないほど良い」という命題には矛盾があるかどうかも気になります。

2013-05-10 13:31:23
黒猫亭 @chronekotei

一方で、高齢の男性で精子が活発なら子供を作ることは幾らでも出来るわけだが、それが障害児の発生と密接な関係があると謂う知見が得られると、高齢の男性が子供を作ると謂うこと自体に倫理的な問題が発生するわけで、その種の問題はすでに女性では顕在化していたわけだよね。

2013-05-10 13:31:43
月餅 @geppeeee

@chronekotei 違法な卵子売買で生殖をするのは良くないことではありますが、その結果できた子を見て「この子は生まれないほうが良かった」とは言えるものではないです。

2013-05-10 14:03:21
黒猫亭 @chronekotei

誤解のないように附言しておくと、そう謂う科学的知見が得られた後の社会のコンセンサスはどうあるべきか考えないと、と謂う問題提起であって、そう謂う知見を公開すべきではないと言っているのではないですよ。/親の年齢と障害のリスクをめぐって http://t.co/RO1BGP2oU0

2013-05-10 20:14:46

母よ!殺すな

hiroyuki_takahashi @hiropopopopon

横塚晃一『母よ!殺すな』読了。いまさら名著。脳性マヒ者であり、障害者運動において大きな役割を果たした著者が、75年に書いた本の第二版。生きることはただそれだけで肯定される、と考えるぼくにとっても、ガツンときました。身を、放り投げるようにさらけ出し、闘ったひとの記録。スゴい本です。

2013-05-04 03:44:42
hiroyuki_takahashi @hiropopopopon

なお剣呑なタイトルは、70年に起きた事件から来ています。その年、障害を持った子どもの将来を憂えた母親が、わが子を殺害。世間は苦しんだ末に道を誤った彼女に同情し、減軽嘆願の流れが生まれます。そこへ横塚さんは否を突きつけた。「障害児の人権を無視するのか。ふざけるな!」と叫んだのです。

2013-05-04 03:44:52
hiroyuki_takahashi @hiropopopopon

「無抵抗な二歳の子供に兇刃を振るったのも他ならぬ彼女なのである。なぜ殺意をもったのだろうか。この殺意こそがこの問題を論ずる場合の全ての起点とならなければならない。彼女も述べている通り『この子はなおらない。こんな姿で生きているよりも死んだ方が幸せなのだ』と思ったという。」(つづく)

2013-05-04 03:45:22
hiroyuki_takahashi @hiropopopopon

「なおるかなおらないか、働けるか否かによって決めようとする、この人間に対する価値観が問題なのである。この働かざる者人に非ずという価値観によって、障害者は本来あってはならない存在とされ、日夜抑圧され続けている。」(横塚晃一『母よ!殺すな』内「母親の殺意にこそ」)

2013-05-04 03:45:40
hiroyuki_takahashi @hiropopopopon

障害者について考えようというひと以外には、そんなに知られていないのかもしれない横塚晃一さん。でも、関心がないひともぜひ読んでみてほしいなと、ぼくは思います。07年の再刊で解説を担当している、社会学者の立岩真也さんも「前の世紀に出た最も重要な本の一冊」とおっしゃっております、ゆえ。

2013-05-04 03:46:05
hiroyuki_takahashi @hiropopopopon

で。横塚さんの主張を含みこんで展開してきた障害者運動の問題提起が、約40年経って実を結んだのかといえばーーけっしてそうではなく。尊厳死、出生前診断、生活保護……まったく命をどうしたいんだ、っていう。それを第25条(生存権)すら守れてないのに、改憲したいなんざ、どういう了見かと。

2013-05-04 04:00:43

参考

ほつま @hotsuma

出産前の自閉症リスク評価と意思決定の支援はたぶんぼくらが生きている間に遺伝カウンセラーが扱うテーマになっていくでしょうね http://t.co/7sfHB9CqxI QT @NATSU2007: @hiroo 「自閉症児には母親の年齢は関係しない」というのは誤りなんですね

2013-05-10 23:16:25