スイート★ノベル『聖なる乙女の淫らな罪』お試し読みまとめ

ティーンズラブ・ボーイズラブ電子書籍レーベル「スイートノベル」アカウント では、毎日12時~と24時~にお試し読みをツイートしています。TL作品『聖なる乙女の淫らな罪』お試し読みツイートをまとめました。ぜひお楽しみください♪ http://bookwalker.jp/pc/detail/c209f4b8-3a73-456c-9889-e5bbebcd5bb2/
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スイートノベル @SweetNovel

(いったい誰だろう……どうしてこんな所に?)「どうされたのですか? この傷」床の上に半身を起こした男の額へと、リュミエールは指先を伸ばす。軽く前髪をかき上げてみれば、傷はかなり深いようで、次々と鮮血が溢れてくる。 #SweetNovel

2013-03-19 12:50:10
スイートノベル @SweetNovel

リュミエールは無意識のうちに、自分の衣の裾を引き裂いていた。「お前……!」驚いたように呻く男の額に、その布をあてがい、なんとか血を止めようと押さえる。抵抗する力もないらしく、男はリュミエールのなすがままになっている。額はかなり熱かった。 #SweetNovel

2013-03-19 12:55:15
スイートノベル @SweetNovel

(冷やさなくちゃ)反射的にそう考えたリュミエールは、男に問いかけた。「動けますか?」驚いたように目を見開いた後、男はヨロヨロと立ち上がろうとする。 #SweetNovel

2013-03-19 13:00:54
スイートノベル @SweetNovel

けれど体に力が入らないらしく、なかなか上手くいかない。少しためらった後にリュミエールは男に寄り添い、倒れそうになる体を支える手助けをした。 #SweetNovel

2013-03-19 13:05:16
スイートノベル @SweetNovel

「悪い」熱に浮かされたような声が耳のすぐそばで聞こえて、思わず体に緊張が走る。肩の上や背中に感じる男の体は、リュミエールの華奢な体をすべて包み込むほどに大きく逞しい。 #SweetNovel

2013-03-20 00:11:03
スイートノベル @SweetNovel

「いえ」自分やカーラとは、腕の大きさも身長もまったく違う。『聖なる乙女』であるのに、男性と密接に触れあってしまったことに戸惑いながら、リュミエールは箱庭へと戻り始めた。 #SweetNovel

2013-03-20 00:16:23
スイートノベル @SweetNovel

(だって怪我をして熱があるんだもの、放っておけない。手当てをしたらすぐに出て行ってもらえば大丈夫)短い時間だと自分に言い訳をしながら、リュミエールは男を、『聖なる乙女』の箱庭に招き入れた。 #SweetNovel

2013-03-20 00:21:11
スイートノベル @SweetNovel

噴水の近くの花畑までなんとか辿り着くと、男は膝から崩れ落ちるようにその場に横になった。 #SweetNovel

2013-03-20 00:25:57
スイートノベル @SweetNovel

「だ、大丈夫ですか?」水に浸した衣の切れ端で血痕を拭い、いくら傷を清めても、血は後から後から溢れ出し、いっこうに止まらない。男の顔は蒼白になっていくばかりだ。 #SweetNovel

2013-03-20 00:31:58
スイートノベル @SweetNovel

「たしか、これだったかしら?」以前、自分が怪我をした時に、カーラに手当てしてもらった記憶を頼りに、リュミエールは血止めの薬草を、咲き乱れる花の中から懸命に探した。揉みつぶして傷にあてがうと、ただ布を当てていた時より、流れ出る血の量が格段に減っていく。 #SweetNovel

2013-03-20 00:36:00
スイートノベル @SweetNovel

「よかった」しかし肩で大きく息をくり返す男は、とても辛そうだった。体があまりに熱いので、水で濡らした布で頬や首筋を拭いてみる。「大丈夫ですか?」はあはあと熱い呼吸をくり返すだけで、男からは何の返答もない。 #SweetNovel

2013-03-20 00:41:16
スイートノベル @SweetNovel

乾ききった唇に、水を含ませてみようとしたが、両手ですくった水は口の端から零れてしまい、男の喉を潤すまでいかない。自分の居室から杯を取って来ようかとも考えたが、いつの間にかリュミエールの衣の裾を握りしめていた男が、その手を放してくれなかった。 #SweetNovel

2013-03-20 00:46:03
スイートノベル @SweetNovel

「あの……!」どうやら意識が朦朧としているらしく、呼びかけてももう瞳を開きさえしない。その間にも体の熱はますます高くなり、全身から汗が流れ始めた様子を見て、リュミエールはてのひらにすくった水を自らの口に含んだ。 #SweetNovel

2013-03-20 00:51:08
スイートノベル @SweetNovel

(だってこのままじゃこの人、死んでしまうわ)そうすれば、零れることなく相手に水を飲ませることが出来ると、リュミエールが知っていたわけではない。 #SweetNovel

2013-03-20 00:55:53
スイートノベル @SweetNovel

しかし上手く男の唇に自らの唇を重ね、口移しで水を飲ませると、男は抗うことなくそれを呑み込んだ。こくんと喉が鳴り、喘鳴の混じり始めていた息がほんの少し楽になった様子に、リュミエールはホッと胸を撫で下ろす。 #SweetNovel

2013-03-20 01:03:07
スイートノベル @SweetNovel

「よかった」数回それをくり返すと、男の呼吸はかなり楽になったようだった。額から流れていた血も、薬草と共に乗せた布の下でもうすっかり止まっている。 #SweetNovel

2013-03-20 01:05:58
スイートノベル @SweetNovel

そろそろ終わりにしてもいいだろうと、リュミエールが最後の水を与えるために唇を重ねた時、これまでとは違った反応が男から返ってきた。 #SweetNovel

2013-03-20 01:11:25
スイートノベル @SweetNovel

(…………え?)男の上に乗りかかる格好だったリュミエールの背に太く逞しい腕が回される。抱きしめるように体を密着させられて、リュミエールは焦った。硬い胸当てを付けた男の胸の上で、リュミエールの柔らかな胸の膨らみがぐにゃりとつぶれる。 #SweetNovel

2013-03-20 12:10:14
スイートノベル @SweetNovel

(やだっ)唇を重ねている状態だったので、声が上手く言葉になってくれない。「ふ……う、んっ」唇を離そうと顔を振ると、頬を両てのひらで包み込まれ、逆にいっそう深く、男の方から唇を重ねられた。 #SweetNovel

2013-03-20 12:15:08
スイートノベル @SweetNovel

「ふ……んっ?」何が起こっているのかわからない。驚きに目を見開くリュミエールの可憐な唇をこじ開け、何かが口の中に侵入して来る。 #SweetNovel

2013-03-20 12:20:17
スイートノベル @SweetNovel

「ん……や……んっ」悲鳴をあげる舌が男の舌に絡め取られ、言葉を奪われた。逃げようとしてもまたすぐに捕まり、重ねられ吸われ、まるで食べられているかのようだ。逃げ惑うリュミエールの舌を、男の舌が執拗に追う。 #SweetNovel

2013-03-20 12:25:13
スイートノベル @SweetNovel

「んあ……ぁあ……っう」唇を閉じることを阻まれ、否応なく口の端から零れる唾液と同様、くぐもった艶めかしい声が喉から洩れてしまうことも、リュミエールには止めようがなかった。 #SweetNovel

2013-03-20 12:30:32
スイートノベル @SweetNovel

逃れようにも力の差は歴然で、男の上から降りることもできない。頬を挟み込んでいた男の手が首を辿り、肩へと下りていく。 #SweetNovel

2013-03-20 12:35:15
スイートノベル @SweetNovel

「ふ、あっ……あ」宥めるように舌を吸われながら、衣の中へと滑り込んできた手に素肌を撫でられる。自分やカーラとは違う硬いてのひらの感触を背中に感じ、リュミエールの肌はピクリと跳ねた。 #SweetNovel

2013-03-20 12:40:18
スイートノベル @SweetNovel

「んっ……んんっ」まだ熱を残したままの男の手が、リュミエールの体に不思議な感覚を灯していく。撫でられるたびに、胸を突き破らんばかりに鼓動が速くなり、触れられたところから男の熱が移ったかのように、体が熱くなった。 #SweetNovel

2013-03-20 12:45:12
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