農林省図書館の歴史を紐解いてみた

1949年に、「問題は図書館の概念が、「スペース」に止まっている所と、もはや既に「機能」としての働きの考え方に移っている所との間、その根柢的構成の差異にあったのである。」という考え方が示されていた件。
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このまとめを元にした論文
林賢紀. 「農林省図書館に関するショー氏の勧告」の影響とその受容. 日本農学図書館協議会誌. 2016, no.184, p.1-10
https://www.researchgate.net/publication/311434429_nonglinshengtushuguanniguansurushoshinoquangaonoyingxiangtosonoshouron
参考文献:URLは2013年5月19日参照,2021年9月18日再確認
中井正一. 支部図書館三周年に寄せて. びぶろす. 1951, 第2第11号 http://www.aozora.gr.jp/cards/001166/files/49710_36056.html
中井正一. 機構への挑戦. 東大新聞. 1949年6月
http://www.aozora.gr.jp/cards/001166/card46274.html
原田勉. 若き日の近藤康男(後編). 百四歳翁の恵・104歳の農業経済学者・近藤康男の3世紀 http://nazuna.com/100sai/wakakihi2.html (2021/9/18 not found) 
原田勉. 近藤康男履歴. 百四歳翁の恵・104歳の農業経済学者・近藤康男の3世紀
http://nazuna.com/100sai/ryakureki.html (2021/9/18 not found) 
沢本孝久. 日本の農学系図書館. Library Science. 1965, No.3, p.107-119.
http://lis.mslis.jp/article/LIS003107

大戸元長, 専門図書館のありかた-アメリカ農務省図書館所見-. びぶろす, 1(5), p.3-5, 1950.
農林資料を語る. 農林図書資料月報. 14(1), p.4-13,1963.
省庁図書館の現状と将来. 農林図書資料月報. 15(1), p.6-15, 1964.
農林省図書館20年の回顧と展望. 農林図書資料月報. 17(1), p.4-17, 1966.
酒井悌. 国立農林省図書館の実現を : ショウー氏勧告を再読して. 農林図書資料月報. 22(3), p1, 1971
沢本孝久. 農林水産研究者のための基礎的二次資料. 農林図書資料月報. 16(5), 1965, p.14-15
久保田義喜(国立国会図書館農林課). 農林図書資料月報. 19(4), 1965, p.14-15

Takanori Hayashi @tzhaya

LCの「坂西女史」との関わりや、ショーNAL館長を招いた経緯が以下にあったので書き留めておきたい。 大戸元長, 専門図書館のありかた-アメリカ農務省図書館所見-. びぶろす, 1(5), p.3-5, 1950. twitter.com/tzhaya/status/…

2021-09-18 18:24:10
Takanori Hayashi @tzhaya

引き続き読んでいるが「米国の図書館業務につき経験を有する誰かの力を借りるよう」として「(例えば坂西女史の如き適任であろう)」とあるが、この「坂西女史」は戦前に米国議会図書館で日本課長を務めた坂西志保氏であろうか。しかし氏の農林省図書館への関与を示す資料が見当たらない twitter.com/tzhaya/status/…

2016-10-22 18:08:32
Takanori Hayashi @tzhaya

この文献によると、 「役人生活の最初の3年をアメリカに過して…図書館の便利さを知っている…私が役所に専門図書館を作る必要をいくら力説しても…実現できなかった」

2021-09-18 18:24:11
Takanori Hayashi @tzhaya

「戦前の米国滞在中…ワシントンの国会図書館も坂西女史に案内して貰って参観したことがあったが、農務省図書館は見ていなかった」とあり、ここで坂西女史が現れる。また、ショー氏との直接の面識はなかったようだ。

2021-09-18 18:24:12
Takanori Hayashi @tzhaya

「農林省に専門図書館を持ちたいという私の念願は1947年の夏に至って、司令部農業部長デヴィス氏の行為で米国農務省図書館長のショー氏を迎える」 ということで、GHQ経由でショー氏を招いたことが示唆される。また、

2021-09-18 18:24:11
Takanori Hayashi @tzhaya

その他、この文献では、「農務省の月刊農業目録」(AGRICORAかな)と作成の体制、この目録を元にしたDDS、「電話での質問照会に答える為の専任の係員」が「1930年の綿花の生産高」などを数分のうちに答える、など当時の農務省図書館の姿が行政府における図書館の必要性とともに書かれている。

2021-09-18 18:24:12
Takanori Hayashi @tzhaya

このような思いで「私の念願であった農林省図書館」とあり、大戸氏(執筆時点で蚕糸局蚕糸課長、1947年では渉外課長)もショー氏の招聘と農林省図書館の成立に関与したと考えられる。

2021-09-18 18:24:12
Takanori Hayashi @tzhaya

「「農林省図書館に関するショー氏の勧告」の影響とその受容」をまとめた際にもうちょっと調べておけばよかった…

2021-09-18 18:24:13
Takanori Hayashi @tzhaya

大戸元長氏、「ニューヨークの市立図書館やコロンビア大学の図書館はしばしば利用したし」とあるので、アメリカのいい感じの図書館を利用すればそれは農林省にもほしくなるよなあ、と思うところ。

2021-09-18 18:41:16
Takanori Hayashi @tzhaya

まして占領下で「すべての面に科学性が要求」「司令部に説明するときには常に「事実と数字(Fact and Figure)」を示さねば納得を得られない」のであれば、なおさら彼の地のような図書館の必要性は痛感されただろう。

2021-09-18 18:41:17
Takanori Hayashi @tzhaya

なお氏はその後は国際協力課長など国際畑を歴任、退官後は海外農業開発財団や国際協力事業団におられたよう。

2021-09-18 18:41:17

Takanori Hayashi @tzhaya

あ、戦後の農林省図書館の成立などをまとめた論文が刊行になりました。そのうちresearchmapにupします。 林賢紀 / 「農林省図書館に関するショー氏の勧告」の影響とその受容 日本農学図書館協議会誌 (184) 1-10 2016年12月

2016-12-04 12:44:37

Takanori Hayashi @tzhaya

中井正一. 支部図書館三周年に寄せて. びぶろす. 1951, 第2第11号 (青空文庫 http://t.co/ImHmlOOjso) を読む。(続く)

2013-05-19 19:20:57
Takanori Hayashi @tzhaya

(続く)「カードの整備とリストの完全なものさえあれば「どこかの本」を「誰かの机」の上に伝達することはできる」「この議論を最初に取りあげられたのは近藤康男氏を首班とした農林省の図書機関であった。」

2013-05-19 19:22:44
Takanori Hayashi @tzhaya

(続く)「そして農林省は、自分のところには室も本もなくして、ただリストの整備によって、そのころのわが館の官庁出版物を五〇パーセントは利用したのであった。」(前述)

2013-05-19 19:23:09
Takanori Hayashi @tzhaya

(続く)今の自分の業務の始祖にあたるところがこの頃から議論されていたことに驚く。近藤康男博士が農林省統計調査局長でいらした頃の仕事と思料。農業経済学が専門の博士は後に農山漁村文化協会図書館理事長であったことからも、図書館への関心も強かったのではないか。ちょっと調べてみよう。

2013-05-19 19:29:14
Takanori Hayashi @tzhaya

@shima_mossa 「夜明けの図書館」を買おうとkindleストアを眺めていたら見つけてしまいました。底本は「文化と集団の論理」(中井正一全集, 第四巻)の方です。

2013-05-19 19:33:24
Takanori Hayashi @tzhaya

@shima_mossa http://t.co/Og0ZLmuCmg によると、1947年に農文教理事、図書館理事長就任は1981年ですね。

2013-05-19 19:51:37
Takanori Hayashi @tzhaya

「彼等は近藤康男氏を主班として渉外局、 調査局及び八つの研究所を」という表現は 中井正一. 論理とその実践. 東大新聞. 1949.6 にも見られる。(続く)

2013-05-19 20:05:10
Takanori Hayashi @tzhaya

(続き)ここでは「 固定した場所を図書館というのではなくて、 省の全機構を流れている研究及び調査の流れ作業全体が一 つの図書館という機構となっている」

2013-05-19 20:05:49
Takanori Hayashi @tzhaya

(続き)「国会図書館の国際業務部は、 恰も乳房の如き役目を果たして、 アメリカの農業技術の戦争中の進歩の姿、 また刻一刻を争う現実の革新の姿が、 農林省のあらゆる機構に向って、 血管の中に流れ入る如くみなぎり、 ゆきわたり、 満ち溢れていったのである。 」

2013-05-19 20:06:00
Takanori Hayashi @tzhaya

(続き)(出典:青空文庫 http://t.co/pfhAHaQ4uu)「場所としての図書館」うんぬんの議論の答えがこう示されている。

2013-05-19 20:07:55
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