高橋源一郎(@takagengen)「午後0時の小説ラジオ」・「議会制民主主義は奴隷制か」

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高橋源一郎 @takagengen

「民主主義」22・それはすべて一つの方向を目指している。すなわち「自分の頭で考えろ」だ。「自分の頭」で考えた思考が、同じはずがない。だとするなら、全員の考えは違うだろう。「差の総和」は最大になる。これが「人民主権」の最大のポイントだ、とルソーは考えた。

2010-09-14 13:06:28
高橋源一郎 @takagengen

「民主主義」23・全員の意見が異なったら、議決できない? いや、ルソーは、どれだけ徹底的に議論が行われるかがすべてだと考えていた。どこまで深く、どこまで遠く、議論がおこわなれるか。そしてその完璧な議論の果ての議決は、どのようなものであっても受け入れる、それがルソーの「原理」だ。

2010-09-14 13:10:54
高橋源一郎 @takagengen

「民主主義」23・ルソーの影響を深く受けたジャコバン党は、「一般意志」を現実化する手段として「国民投票法」を提出している。現実的には不可能な「共同体の成員の全員参加」による「個別の法案」の「徹底議論」を、いくらかでも現実のものとするために、不断の国民投票が考えられたのである。

2010-09-14 13:14:16
高橋源一郎 @takagengen

「民主主義」24・しかし、不可能とされたルソー的「一般意志」の実現が、可能になるかもしれない。それがインターネット(とりわけツイッター)による、国民(市民)の議論への参加だ。もちろん、それは一つの試みにすぎないし、ルソーが国民(市民)に求めた政治参加へのハードルは異様に高い。

2010-09-14 13:18:00
高橋源一郎 @takagengen

「民主主義」25・実は、ルソーは政治制度そのものに重きを置いてはいない。民主制、貴族制、君主制、それぞれにいい点があり、悪い点がある、と彼はいう。問題は、人びとが、「自分の頭で考える」かどうかだ。いい政治システムができれば、なにごともうまくいくようになるのではない。

2010-09-14 13:22:43
高橋源一郎 @takagengen

「民主主義」・現状を追認するのではなく、いま、そこで起こっていることがなになのか、「他人に考えてもらう」のではなく、「自分で考える」、それが、「民主主義」の第一歩であり、おそらく、最後の一歩でもあるのだ。

2010-09-14 13:24:52
高橋源一郎 @takagengen

「民主主義」27・そう考えれば、新聞やマスコミが「情報」ではなく「プロパガンタ(宣伝)」を流すこと、様々な政治的タームがいくつかの結論にまとめられて出されてること、どれも、「民主主義」とは無縁であることがわかるだろう。以上。ご静聴ありがとう。また「主夫」に戻ります。

2010-09-14 13:27:45
高橋源一郎 @takagengen

忘れてました。今日は時間変更して「午前0時の小説ラジオ」じゃなく「午後0時の小説ラジオ」でしたが、お聞きいただいてありがとうございます。皆さんのリプライを参考にまた考えます。それから、予定通り育児と家事をこなしたら、またお昼に「小説ラジオ」やってみます。ではほんとにお休みなさい。

2010-09-14 22:07:11