家庭医にとっての「家族カンファ」は、外科医にとっての「手術」にあたる

家庭医にとっての家族カンファとその準備のイメージを、かなりわかりやすく説明されていたのでまとめました。 準備あまりしないでやっている人が多いので、こんど研修医への説明に使ってみます。
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モチヅキアキラ @moakiakira

急遽来週頭にレジデントが担当している患者さんの家族カンファレンスをすることになりました。緊急性があり非常に難解なケースで、指導医にとっても難しいと感じる症例です。

2013-05-23 19:29:37
モチヅキアキラ @moakiakira

家庭医にとって家族カンファはしばしば「手術」に例えられますが、今回は午前4時当直帯に大動脈解離出血が搬送されて緊急オペになったようなものです。まさに「大手術」です!僕は久しぶりの大手術にワクワクです。しっかりと術前検討会を行い、当日は僕も「第1助手」として同席したいと思います。

2013-05-23 19:33:19
モチヅキアキラ @moakiakira

レジデントは不安や困難さから「はぁ〜・・・」とため息ついてますが(^^;)ここを乗り切れば家庭医としてきっと大きな前進となるので、ぜひ頑張って欲しいところです。指導、サポートはまかせろっ。

2013-05-23 19:35:49
モチヅキアキラ @moakiakira

ちなみに僕がいつもやる「術前検討会」のやり方は1,まず家族カンファの目的を明確にする。2,家族の「解剖と発達」「生理(病理)」を評価する。解剖は主に家族図を利用しますがこの時「見えているもの」を見るだけではなく、「見えていないもの」の可能性について自覚しておくことが重要です。

2013-05-23 21:07:04
モチヅキアキラ @moakiakira

3,そして家族の「現病歴(歴史)」を検討します。4,カンファでのこちらのアジェンダを設定、5,カンファに招待するメンバーを選定、6,家族側のアジェンダを推測。3ぐらいまで評価を進めていくと研修前半のレジデントくらいでは「わかっていないこと」の多さに気づきます。でも、それでもOK。

2013-05-23 21:11:40
モチヅキアキラ @moakiakira

「わかっていないこと」はカンファを進めながら探って行けばいいんです。ここまで評価したら1日くらいは寝かします。そして後日改めて全体像を俯瞰。「腹は開いてみたら全く予想外の状態だった」というとこも当然あります。思いも寄らない「癒着」、思うように止まらない「出血」などなど。

2013-05-23 21:15:17
モチヅキアキラ @moakiakira

「CTに映ってた病変のイメージと全然違うじゃん?!」というように、やはり実物を見てみないとわからないことも多い。そういう覚悟をしておく必要があります。

2013-05-23 21:16:52
モチヅキアキラ @moakiakira

あと「術前検討会」は複数人でやりましょう。「偏った評価」は時に致命的な状況を引き起こします。

2013-05-23 21:20:25
モチヅキアキラ @moakiakira

またカンファの記録(手術記録)を必ず取るように。大まかな記録は「第一助手(前立ち)」が取ることが多いですが、「執刀医」も自分が気になったことは積極的に記録する。記録しとくとポートフォリオ書く時にも役に立ちます。

2013-05-23 21:20:59
モチヅキアキラ @moakiakira

あと「誰が執刀するか」(誰がファシリテートするか)も重要なポイントです。だいたい主治医かケアマネになることが多いです。僕はケアマネさんに執刀してもらう術式が好みですが、こればかりはケースバイケースですね。

2013-05-23 21:23:04
モチヅキアキラ @moakiakira

だいたいうちでやっているやり方はこんな感じ。家族カンファについて書かれた書籍もいろいろあるので、興味ある方はぜひ読んでみて下さい。家庭医療分野では海外の訳本が多いので、日本の文脈にちょいアレンジする必要性を感じています。

2013-05-23 21:25:26
モチヅキアキラ @moakiakira

このように家族カンファレンスの準備プロセスを手術に例えて説明すると、家庭医でない方々にも多少イメージしやすくなるかしら?(?_?)

2013-05-23 21:36:02