小松崎拓男氏による『TOKYO POPの終わり』とその反応
- hashizume_y
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少しポジティブなことも。なぜ「協働」ということが選ぶ基準になりえたのか。確かに少しベタかもしれないです。でも、こんなにもばらばらになってしまった世界を前にして、もういちどなにかを共にはじめられるかもっていう、ちょっと恥ずかしいぐらいの前向きさを審査員たちももっていたからだろうと。
2013-06-08 08:14:47田中功起さんからメンションがあったので、以下また長くなりますが、お応えします。1〜14
2013-06-08 11:12:12田中さんおはようございます。1995年の千住博(直接メンションして頂いた方以外は敬称を省かせていただきます。)の件で、見当違いのことを書いたつもりはありません。最後のところの「環境」の後に「意味」と入れておけば間違いは無かったかも知れないと思います。1
2013-06-08 11:12:36私も1995年の千住博の受賞と今回の田中さんの受賞は、状況も意味も全く別であると考えています。審査委員も違えば、その主旨や受賞理由や意味も全く異なるも異なる訳ですから。前回の連ツイはあくまでも1995年の受賞の状況についてだけに言及したつもりです。2
2013-06-08 11:12:48今回の受賞に関しては、田中さんご自身の連ツイと少し前に上げられて受賞に関する英語の文書の内容で充分理解できることです。さらにメインのマッシミリアーノ・ジオーニのキュレーションとも、田中さんが言うように全く無関係ではないでしょうが、直接は関係していないように思います。3
2013-06-08 11:13:02ですから今回の田中さんが分析された受賞に関する事柄は、私自身が日本館の実際の展示やステートメントをちゃんと見てみないと、という括弧付きですが、多くに同意するところです。ドクメンタとの関連に関しても興味深いです。4
2013-06-08 11:13:22さて、日本のこれからのアートシーンにおいて田中さんの作品の重要性は、この受賞とは関わりなく、高まるものと思います。かつての日本のコンセプチャルな美術、と言っていいのか、またどこからか何か突っ込まれそうですが、非常に難解でした。作品それ自体においても、また批評的言説においても。5
2013-06-08 11:13:43中世のスコラ哲学の議論や天動説に基づく天体の軌道計算のように複雑すぎてさっぱりわからない。さらに作品自体が、そんなふうに大言壮語する割には実に貧相に見えたり・・・。6
2013-06-08 11:13:59それに対して田中さんの作品は初めから面白く見えます。段ボールを手にしたまま美術館を駆け回ったり、皆で髪をカットしたり、目の前に椅子や段ボールが積まれその中に座ったり、作品を携え皆と一緒に街を歩いたりと。その見かけは実に人当たりが良い。7
2013-06-08 11:14:14しかしその内容は美術や近代の概念などに関わる本質的な問いかけを常に孕んでいて、決して簡単ではない。アートとは何か?アーティストとは何か?作品とは何か?ものを作るという行為とは何か?などなど、簡単に答えなど見つかりそうもない問題です。そう内容は充分重たい。8
2013-06-08 11:14:31田中さんの作品は私たちに考えることを強います。あるいは意味や解釈を求めます。こうした社会の表層の出来事に捉われず、ものを考えることは、人々との間にある関係性など、様々な日本における政治や社会などの枠組みの再構築が喫緊の課題である今、極めて重要なことのように見えます。9
2013-06-08 11:14:47国際交流基金のHPに掲載されている今回の展覧会のキュレーターである蔵屋美香のステートメントにも同じようなことが述べられているように思います。10
2013-06-08 11:15:02ということで、私は以前のコンセプチャルな美術と比べて、一見面白く、わかりやすくて、軽く、軽快に感じる、ということで、比較の意味で「ライト」という言葉を使ったのですが、しかしこれはちょっと大失敗でした。田中さんの言うとおりこれは使われないでしょう。11
2013-06-08 11:15:55ただ田中さん以外にも、入口は軽く簡単そうに見えるが、表現の孕んでいる問題は決して軽くはない、そんな問いかけを含んだ作品を制作している何人かの若いアーティストが登場してきてはいます。ですからこうした傾向の作品や作家に注目が集まると思います。そうあって欲しいという希望も含め。12
2013-06-08 11:17:02またどう呼ばれるかは、誰かがもっとふさわしい呼び方を提唱してくれるかもしれませんし、そうしたものがもっと意味を増し、重要度を増してくれば、自然とつくかも知れないと思います。13
2013-06-08 11:18:05田中さん、私の発言の中に田中さんの本意ではないことや誤りが含まれていたとしたら申し訳ないと思います。この気持ちは村上さんに対しても同じことです。またお目にかかっていろいろとお教えいただける機会があればと思っています。長くなりましたが。14
2013-06-08 11:18:40