アレクサンダー・テクニーク教師Basil Kritzerさんのツイートまとめ

アレクサンダー・テクニーク教師Basil Kritzerさんのツイートをまとめました。
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バジル・クリッツァー @BasilKritzer

わたしのホルン生活の大半は「思い通りに全然できない歯痒さと焦りと劣等感」が占めていましたが、高校時代のある時期だけ、カラダはラクで、スイスイうまくなっていき、本番もよい演奏ができた数ヶ月がありました。いまになって分かったのですが、その頃「聴いてくれるひと」を常に意識していました。

2013-06-04 18:07:12
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

その後、コンクールとか入試とかで「失敗しないこと」とか「自分が音大生としてあるべき腕前にならなきゃいけない」とかに意識が行くようになり、また緊張や硬さが常にあるような状態になっていってしまいました。

2013-06-04 18:10:31
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

そうやって常に自分自身に「点数付け」をし、監視するような感じに。自分が自分にそう接するので、当然の成り行きとして、ひとに聞かれているのがすごく怖く不快に。こうやって「聴いてくれるひと」という存在と自分が切り離され、楽器を吹くことと音楽や芸術が分離されていってしまいました。

2013-06-04 18:22:40
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

こうやって悪化し、数年間は音楽を聴いていても音楽は聴こえず、物理的な音としてか感じられなくなってしまった時期がありました。「自分はダメ」にマインドがどんどんフォーカスされ、聴いてくれるひと、音楽、芸術を、楽器を吹くことや練習することから切り離してしまったからです。

2013-06-04 18:25:43
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

その後、アレクサンダーテクニークを学ぶようになって、身体の使い方や演奏技術の理解が進んだことでかなり物事はよくなりました。しかしまだ、聴いてくれるひとのことを考えると緊張が走るし、あがり症問題はくすぶっていました。

2013-06-04 18:28:08
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

でも、元々わたしは人前でこそ活き活きするタイプですし、ソロや大聴衆のときは力が出せるということもあり、いったい何で未だにあがり症があるのか、謎が残っていました(続く)

2013-06-04 18:30:16
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

(続き)ひどいあがり症に八年間ほど苦しみ、その後七年間はアレクサンダーテクニークのおかげでずいぶん改善したがくすぶり続けていました。ですが、先月来日したキャシー•マデン先生との学びが、あがり症の全体像の理解を大きく大きく前進させました。

2013-06-04 20:21:02
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

あがり症という問題は、あがりという現象を直接コントロールしたり、テクニックやトリックやコツの類いでどうこうできるものではなく、「全体像」が肝心です。

2013-06-04 20:23:46
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

まず、演奏にしても練習にしても、①身体の使い方②演奏技術③聴いてくれるひととのつながり④音楽•芸術が自分自身または世界に奉仕する意味 という四つの要素•側面をすべて「含めて」行う必要があります。どれかひとつでも欠けたり不明確になると、緊張•こわばりを感じることになります。

2013-06-04 20:27:05
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

留意してほしいのは、緊張•こわばりという現象は必ずしも身体の使い方や演奏技術が原因とは限らない点です。聴いてくれるひととのつながりや、音楽•芸術の意味という領域が原因で、身体的に硬くなって具合がおかしくなることがあるのです。

2013-06-04 20:29:53
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

先にあげた四つの要素を、練習の段階から意識てき「練習」していくと、それは本番であなたが羽ばたくための的確な準備をしていることを意味します。あなたも一度は本番でよい演奏ができたことがあるはず。それを忘れないで下さい。あなたにはその能力があります。重要なのは全体像に基づいた練習です。

2013-06-04 20:33:33
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

要素①身体の使い方。これがアレクサンダーテクニークが受け持つところです。練習の段階からアレクサンダーテクニークを使う。つまりアレクサンダーテクニークを使うことを練習する。すごく役に立ちます。これが決めてとなってあがり症が消えるひともたくさんいます。

2013-06-04 20:35:32
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

要素②演奏技術。高い音を出す仕組み、低い音を出す仕組み。音が響くポイント。それらを「分かって」いて「意識的に」考えながら練習していると、不調に陥りません。ハードな状況でも、技術が機能します。たくさん演奏家とレッスンしているアレクサンダーテクニーク教師ならば、ここもカバーできます。

2013-06-04 20:38:54
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

要素③聴いてくれるひととのつながり。ここを見失ったり、切り離したりしてしまうことからあがり症に陥るケースが一番多いと思います。練習中から、ほんの少しでよいから「聴いてくれるひと」を想定する。「そのつもり」で十分です。音階でもロングトーンでも聴いてくれるひとに何かを語りましょう。

2013-06-04 20:43:05
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

要素④音楽•芸術があなたの人生または世界に奉仕する意味。最も言語化しにくいところですが、あなたが大好きな楽器の音を聴いたときに感じ、味わっている「それ」です。音楽を聴いていてあなたの奥深くに響く「それ」です。「それ」があること、「それ」のためにやっていることを「思い出す」のです。

2013-06-04 20:47:50
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

これら四つの要素を、普段の練習の中で意識的に「練習」しましょう。練習がこれをあなたの技術•力として定着させます。この四つの要素が十分に「ケア」されれば、ドキドキしてもガクガクしても、素晴らしい演奏をすることになります。ドキドキガクガクはアドレナリンの作用であり、望ましいことです。

2013-06-04 20:52:27
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

要素①は、アレクサンダーテクニークの先生が助けてくれます。要素②は良い楽器の先生や演奏技術をよく勉強しているアレクサンダーの先生が助けてくれます。要素③はカウンセラーや、こういう面を掘り下げたアレクサンダーの先生が助けてくれます。要素④は、音楽そのものがいつも助けてくれます。

2013-06-04 20:56:24
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

以上です。きょうの一連のツイートに関する質問や感想、大歓迎です。

2013-06-04 20:57:03
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

『自己否定以外の、多様なアプローチ』http://t.co/P0blUTSIvQ 自己否定を練習の原動力にすることを変えられずに悩んでいる方との、メールメンタルコーチングの実例ケーススタディです。バジル・クリッツァーのブログ / 管楽器奏者のためのアレクサンダーテクニーク

2013-06-05 12:16:53
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

『からだのことをいろいろ意識してみるんだけれどうまくいかない‥‥どうしたらいいの?』http://t.co/gjuV66tnHe バジル・クリッツァーのブログ Q&A シリーズ / 管楽器のためのアレクサンダーテクニーク

2013-06-05 17:20:20
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

『あがり症にならないための4つの練習要素』http://t.co/Q8RAL0hS2e バジル・クリッツァーのブログ / 管楽器奏者のためのアレクサンダー・テクニーク

2013-06-06 09:21:39
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

アドバイスを受けたとき、もしそのアドバイスを聞いて「自分のやり方は間違っている」という不安や混乱を感じたとしたら、そのアドバイスは聞き流しましょう。アドバイスは、「これからどうしていけばいいか」の道筋と手応えを得るために聞くものです。

2013-06-06 16:16:20
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

複数の異なる、互いに矛盾する情報やアドバイスに接したときは常に、 ・どうしたらいいかが明確 ・聞いていてやる気になる ・視界が開ける ・根拠はなくても信頼ができる感覚がある ものを選択しましょう。 「オレの言う事を聞かねばならない」的な先輩や指導者は、聞き流しましょう。

2013-06-06 16:22:47
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

今朝、わたしのアレクサンダーテクニークの大事な先生のひとり、キャシー・マデン先生(http://t.co/s56xT9fJbt)と、スカイプセッションをしました。「練習」という言葉を置き換えた方がいいかもしれない、という提案が心に残りました。音楽をするひとが陥る罠があります。

2013-06-06 16:53:11
バジル・クリッツァー @BasilKritzer

キャシー先生は、いまもワシントン大学演劇学部で演劇監督もしている、演劇畑出身のアレクサンダーテクニーク教師ですが、演劇での世界では常に「だれかに見てもらう/聴いてもらう」状態で稽古をしているとのこと。初心者でもプロでも、それぞれの範囲でそうなっているとのことでした。

2013-06-06 16:55:14