チェルノブイリ事故後、避難してからZone II の村に戻ってきた人たちの被曝状況

2003年にドイツ/ハノーバー大学から出た論文の紹介です。 チェルノブイリ原発事故後にいったん避難し、その後 2.2 MBq/m2 の Cs-137 汚染の地域に30家族が戻りました。この人たち(40人)はパン以外は地域の食材で暮らしています。そのうち18人の被曝量(個人線量計・WBC)や食事、を調べています。作物中の Cs-137は 10Bq/kg 前後が多いようです。 極端例を除き、外部被曝と内部被曝を合わせて年 1mSv程度の被曝があるが、自然被曝の地域差の範囲内と結論。 キノコを大量に食べる極端例では 20mSv にも達するのも驚きです。
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s_matashiro @glasscatfish

チェルノブイリの汚染地域(ZoneII)の村で一年間の被曝を調べた論文(あまり引用されていない)。追加被曝は年1mSv程度。主要な食物からの被曝は土壌汚染度と無関係。WBCで検出されるCs-137の95%はキノコとベリー由来、など。 http://t.co/jZaLUENh10

2013-06-06 13:48:42
リンク t.co Evaluation of radioactive exposure from 137Cs in... [Health Phys. 2003] - PubMed - NCBI PubMed comprises more than 22 million citations for biomedical literature from MEDLINE, life science journals, and online books. Citations may include links to full-text content from PubMed Central and publisher web sites.
s_matashiro @glasscatfish

@glasscatfish 訂正|この論文で調査された Zone IIの地区名は Narodici。チェルノブイリ事故直後に住民は避難、その後、家族単位の再定住が進んだ地区。学校もある。ZoneIIは555kBq/kg以上だが、この地区は 2.2MBq/kg

2013-06-07 08:59:52

訂正:
単位は Bq/m2
です。
詳細に調査されている村はナロジチ地区にあるフリスチノフカ

宮腰吉郎 @miyagoshi

2003年ドイツ/ハノーバー大学のナロジチでの被曝調査論文 ◆チェルノブイリ事故後、避難してからZone II の村に戻ってきた人たちの被曝状況 http://t.co/51mEHkia82

2013-06-08 01:57:17
nao @parasite2006

チェルノブイリ原発の西75 kmのNarodiciって、チェルノブイリ救援・中部が2006年から菜の花プロジェクトhttp://t.co/h2VAdQZBxU を展開しているナロジチ(http://bi.. http://t.co/rqoCwjVHlM

2013-06-07 14:22:51
宮腰吉郎 @miyagoshi

フリスチノフカは、ナロジチ地区の中でもホットスポットがあるところ、として知られています。ここによれば人口57人だそうで。 http://t.co/5tp3Ee6P0C.. http://t.co/564m8SaUHS

2013-06-08 02:03:49
宮腰吉郎 @miyagoshi

フリスチノフカはロシア語読みでウクライナ語では「Христинівка(フリスチニフカ)」となる。さっきのサイト見ると、行政は隣のモテイキ村にあるみたい。そのモテイキの人口は324人。 http://t.co/fwzE0tOclK

2013-06-08 02:14:37
buvery @buvery

ナロジチの状況は、福島とは雲泥の差があります。12000/body とか760000/bodyとか、何の話?という値。福島では、300/bodyの検出限界にいかない人が大半なのに。

2013-06-08 09:51:47

論文の内容の紹介

s_matashiro @glasscatfish

@glasscatfish 地区の土壌汚染、作物への移行、住民のWBCから、持ち込んだ豚の肉へのセシウム移行まで、事故後12~13年の状況を包括的に三年がかりで調査。ドイツのハノーヴァーの研究所。 http://t.co/8SLtXnXIhn

2013-06-07 09:04:40
s_matashiro @glasscatfish

@glasscatfish 住民はパン以外は地区内で自給自足。ベリーとキノコ以外の食材の測定結果は多くても10~20Bq/kg。牛乳で53Bq/kgが出たこともあるが、その後は10Bq/kg未満に (日本とは牛乳の流通形態が異なることに注意)

2013-06-07 09:13:05
s_matashiro @glasscatfish

@glasscatfish 子どもの給食にはZoneII外の食材を利用(1999年当時)。区域内の食材が10Bq/kgなのに対し、給食の食材は1Bq/kg未満。

2013-06-07 09:18:32
s_matashiro @glasscatfish

@glasscatfish ZoneIIで食用にしているキノコ中のCs-137は個体差がはげしく、8,000~5,120,000(!)Bq/kgベリー類は2,600程度。キノコを食べる量は少ないが、ベリー類は毎日沢山食べるので、この二つの食材で食事中のCs-137の95%

2013-06-07 09:32:24
s_matashiro @glasscatfish

@glasscatfish 北ウクライナZoneII の村 Christinovka で18人の体内のCs-137をホールボディーカウンターで季節ごとに測定し食事中の量と比較した。食事中量の季節変動は10倍〜100倍、WBC値の季節変動は10倍以内

2013-06-07 12:51:43
s_matashiro @glasscatfish

@glasscatfish 食行動との相関は鮮明で、キノコ忌避の一家族(野生ベリーは食べていた)の値は低め。季節あたり4000Bqの食事中からの摂取で体内には5000ベクレル。キノコを大量に食べていた若者が通常量に減らす(1,377k→7.6k)とWBC は658k→92.6k

2013-06-07 12:57:35
s_matashiro @glasscatfish

@glasscatfish Christinovka (CNPP から75km) に現在暮らす40人は南方の ZoneII外のPotievka に避難してから戻ってきた人たち。Potievka の住民22人にもWBC検査した。定期的に帰省する2名を除きほとんどが 1000Bq以下

2013-06-07 13:06:11
s_matashiro @glasscatfish

@glasscatfish Potievka の避難者たちは森のキノコや野生ベリーを避けている。Zone II 以外の食材の Cs-137値はミルクが 10.6, ポテト 7.9, 豆類 9.5 Bq/kg など。卵は 0.8 Bq/kg と低い。

2013-06-07 13:08:43
s_matashiro @glasscatfish

@glasscatfish Christonovka 住民の個人の外部被ばく線量は個人線量計(TDL)で季節ごとに測定。農耕や野外活動による季節変動が認められるが、追加被曝は 1mSv/y で、自然変動の範囲に収まると結論。但し、例外が2名。

2013-06-07 13:12:45
s_matashiro @glasscatfish

@glasscatfish 食品からの内部被曝が多い2名は内部被曝だけで 3.0, 17.3 mSv/yの追加被曝を受けていた。キノコを大量に食べていた若者は山歩きも多いので、外部被曝も 3.6mSv/yで合計 20.9mSv/y の追加被曝。早野先生のおっしゃる極端例。

2013-06-07 13:15:56
s_matashiro @glasscatfish

@glasscatfish 調査を行ったドイツの科学者たちは、プルトニウムなどによる被曝の調査も今後必要と述べている(2003年の論文)。彼らの調査結果の経過報告がネットで公開されています。被曝量は μSvの世界か(PDF p12-) http://t.co/ccCQioiQh5

2013-06-07 13:19:28
s_matashiro @glasscatfish

@glasscatfish 直接は関係ありませんが、同じグループが公開しているドイツ語のスライドで、原発事故で枯死した「赤い森 (Red Forest)」の現在の様子が紹介されています。 http://t.co/4xfPHg05IV

2013-06-07 13:21:32

宮腰吉郎 さんのナロジチの体験ツイート

宮腰吉郎 @miyagoshi

ナロジチ地区内で人が住むところはオンボロバイクにまたがってだいたいは走破したが、フリスチノフカ村には行けなかった。モテイキ村からすぐで、モテイキ村に行ったときに、行くつもりだったのだが、村でいろいろ話を聞いているうちに時間切れになったのだった。

2013-06-08 02:20:24