ハミルトニアンも定義できない、熱浴は複数ある、大量の系が時間的にある瞬間は相互作用して、それである瞬間は長距離相関で時間が遅れて影響が伝わり・・・などという場合に設定を出来るだけ数学的にシンプルに与えるにはどうするか
2013-06-13 19:58:50「情報」とエントロピー生成の式を一般的に導出するのに、一般的な設定の与え方はどこまで系の詳細を捨象してよいのかということを考えなければならない。
2013-06-13 20:04:38論文のタイトルにもあるCausal Networkというのが、欲しかった数学的な表現(グラフ理論)である。特に確率過程を表現する際はベイジアンネットワークとよばれる。
2013-06-13 20:10:00方法論は次のような感じ。 「一般的な相互作用し合う複雑な系の発展を、グラフ理論で扱う」→「グラフの用語でエントロピー生成と"情報"の一般的な関係式を導出する」
2013-06-13 20:12:30グラフ理論を通じて、系を限定しない(相互作用がフィードバックであるかどうかも関係ない)ときの普遍的な関係式を得ようというわけだ
2013-06-13 20:14:54系のエントロピー生成は、 「着目系の始状態と他の系の間の相関の情報」+「系が発展していくときに他の系に流れた情報流」から「着目系の終状態と他の系の間に残ってしまった相関の情報」 で制限される。
2013-06-13 20:20:18ある種の保存則みたいなのがあって、他の系との関係でどれだけ情報が使えるか、という量がエントロピー生成の制限を決めているということがわかる
2013-06-13 20:23:58一つ目に、自分の結果が今までの通常の熱力学第二法則と、Maxwellのデーモンを説明可能なSagawa-Uedaを、きちんと含んでいることを確認。当然といえば当然だ
2013-06-13 20:36:51次に相互作用し合う多粒子ブラウン運動に適用する。そして情報流が、今までの研究で使われているよく知られているエントロピー生成の表現と結びつくことを示す。
2013-06-13 20:39:18そして最後に生体内で行われるような化学反応によるフィードバックループのモデルに適用する。しかも、フィードバックループには時間遅れがあるという、おまけつきだ。
2013-06-13 20:40:53この、時間遅れというおまけつきにも適用可能なことこそが実は既存の熱力学の予言範囲と、本研究の大きな違いであったりもする
2013-06-13 20:42:22