「素人」によるサイエンスコミュニケーション -情報とエネルギー編-

研究者でもなくサイエンスコミュニケーションの訓練を受けたこともないサイエンス好きの創作者、八白氏(@neargarden)が時々発する物理・数学トピックスの解説tweet 今回は、中央大学と東京大学の共同による「情報とエネルギーの等価性を実験的に明らかにした研究」を説明したようです。 【中央大学によるプレスリリース】 続きを読む
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八白 嘘@作詞依頼受付中 @neargarden

世界初「情報をエネルギーへ変換することに成功」 http://bit.ly/9RrEvi えっ・・・ちょま・・・これとんでもないことじゃないのか? 鳥肌止まらないんだけど。

2010-11-15 21:03:35
八白 嘘@作詞依頼受付中 @neargarden

『世界初「情報をエネルギーへ変換することに成功」 http://bit.ly/9RrEvi』について、自分なりの理解をここにまとめる。

2010-11-15 21:45:25
八白 嘘@作詞依頼受付中 @neargarden

これは、いわゆる「マクスウェルの悪魔」の実在を実験により示し、観察から得た情報を用いてエネルギーを取り出す、つまり「情報をエネルギーに変換できること」を実証したことになる。

2010-11-15 21:47:18
八白 嘘@作詞依頼受付中 @neargarden

マクスウェルの悪魔について説明しよう。そもそも熱というものは、「分子がどれくらい激しく動いているか」の指標である。激しく運動していればより熱く、高いエネルギーを持っていると言える。逆にまったく運動していなければ絶対零度である。

2010-11-15 21:49:47
八白 嘘@作詞依頼受付中 @neargarden

ここで均一な温度の気体で満たされた容器を考えよう。とは言えすべての分子がまったく同じ速度で動いているわけではない。全体として均一な温度であればよい。

2010-11-15 21:52:02
八白 嘘@作詞依頼受付中 @neargarden

この容器を、分子大の大きさの穴の開いた仕切りで二つに分ける。そして、この穴に「素早い分子は通し、遅い分子は通さない」という管理人、すなわちマクスウェルの悪魔を配置する。

2010-11-15 21:53:42
八白 嘘@作詞依頼受付中 @neargarden

このマクスウェルの悪魔が各々の分子の速度によって自在に穴を開閉できるとするならば、素早い分子(エネルギーの高い分子)を左側に、遅い分子(エネルギーの低い分子)を右側にのみ集めることができるはずである。

2010-11-15 21:55:41
八白 嘘@作詞依頼受付中 @neargarden

エネルギーの高い分子が集まれば温度は上がり、エネルギーの低い分子が集まれば温度は下がる。よって、この悪魔は均一だった気体の温度を、左側だけ上げ、右側だけ下げることができるということになる。

2010-11-15 21:59:01
八白 嘘@作詞依頼受付中 @neargarden

しかし、ここで熱力学第二法則が出てくる。これは「エントロピーは常に増大し続ける」という法則だ。エントロピーについては説明を省くとして、ここでは「熱いコーヒーに冷たいミルクを注いだ時、最終的には必ず中間の温度のカフェラテができる」という説明に留めておこう。

2010-11-15 22:01:48
八白 嘘@作詞依頼受付中 @neargarden

これは直感的にもわかりやすい事例だろう。混ざってしまったカフェラテが勝手に熱いコーヒーと冷たいミルクに分かれることがあるはずがない。だが、マクスウェルの悪魔はこれができるというのだ。

2010-11-15 22:02:59
八白 嘘@作詞依頼受付中 @neargarden

しかし、マクスウェルの悪魔が熱力学第二法則を破るというのは見せかけの上での話である。マクスウェルの悪魔には、エントロピーを減少させることはできないことがわかったのだ。

2010-11-15 22:08:24
八白 嘘@作詞依頼受付中 @neargarden

エントロピーの増大は、マクスウェルの悪魔が分子の速度を観測した時ではなく、その観測結果を「忘れた」時に起こる。一度分子を観測した後、再び速度を観測できる状態に戻す際、エントロピーは元よりも増大する。

2010-11-15 22:10:41
八白 嘘@作詞依頼受付中 @neargarden

簡単に言うなら、「一時的にエネルギーの高い分子と低い分子を分けることができるが、最終的にはもっと混ざる」ということだ。悪魔の振る舞いを完全に終了させるためには、エントロピーの増大が必然となる。

2010-11-15 22:14:20
八白 嘘@作詞依頼受付中 @neargarden

さて、ここで今回の実験に触れよう。 エントロピーの増大を「らせん階段を下ること」と捉える。このらせん階段のある位置にいる粒子は、ランダムに階段を上ったり下りたりするが、勾配があるので平均的には階段を下っていく。

2010-11-15 22:16:55
八白 嘘@作詞依頼受付中 @neargarden

しかし時折は上にステップすることもあるので、その時粒子の後ろに壁を置く。こうすることで粒子はもう階段を下ることはできない。またランダムに上にステップした時、すぐ後ろに壁を置く。これを繰り返すことで、粒子に階段を上らせることができる。

2010-11-15 22:18:48
八白 嘘@作詞依頼受付中 @neargarden

そうして測定で得た情報量、粒子が得たエネルギー、壁を置くスイッチによって粒子にした仕事のすべてを精密に見積もった結果、「粒子はスイッチによってされた仕事以上のエネルギーを獲得した」のである。

2010-11-15 22:20:33
八白 嘘@作詞依頼受付中 @neargarden

つまり「壁を置くエネルギー」より、「階段を上るエネルギー」の方が大きかったことになる。この差がどこから出たかと言えば、「粒子の情報」以外に無い。つまり、「測定によって得た情報をエネルギーに変換した」ということになるのだ。

2010-11-15 22:22:36
八白 嘘@作詞依頼受付中 @neargarden

これが、今回の実験によって成功した「情報をエネルギーに変換した」ことの俺なりの詳細であり、まとめである。すばらしい技術だすばらしい。

2010-11-15 22:23:53
八白 嘘@作詞依頼受付中 @neargarden

いじょ。簡単にだがまとめてみた。

2010-11-15 22:24:09
八白 嘘@作詞依頼受付中 @neargarden

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2010-11-15 22:26:12