第一回大罪大戦黒陣営【交流フェーズ02】

【アーチェディア】 @klown_sin

「何を、しても？」 何を、言っている。 喪ったのだ、俺達は。二人を、ヤツらの手で。 「何にも、ならない？」 奪われた。ならこちらもだ。紅と虚で一つずつ。 ――あぁ、なんだ。丁度良く、いるじゃないか。 グラの頭を撫でる、優しさの無い手。 現れた少女へ向けて、一歩踏み出した。

紅の強欲にしてIraのLilja @HeNotShe_sin

@takami_sin 逃げ場など、ない。突然背後に現れたその剣が慈悲なくそう語ったような気がした。 すっかり強張り、言うことを聞かない足を無理やりに前にすすめていく。 「………」 声が、出ない。

ルクスーリア[色欲] @whycame_sin

「イラ」 「貴女――」 ふらり 血が足りない。目の前がぎゅっと暗くなる。 押さえるように顔を覆うと、糸が切れたように座り込む。 何時の間に立ち上がったのか、自分でもわからない。 いすをみっつ ひとりはしっている →

ルクスーリア[色欲] @whycame_sin

→ 「あなた達が、？」 何を、とは言わない。 顔を挙げす、瞳を隠したまま、 呟く女の二房の髪が鋭い刃の形になり、来訪者二人を向いていた。

LiljaのIra @Fiteenl_sin

「ああ、もう、だから……」 苛つく。ここまで話が通じない馬鹿だとは思わなかったと――混乱しているのは、こちらも同じだというのに、もう。

ラスト／アドウェナ @temari_sin

微かに音が聞こえる。人の声、しかも、複数の。彼女はベッドが起き上がる。身体が重いが、何か充たされているような感覚。身体が「気持ちよかった」と訴えている。よし、動ける……。彼女はゆっくりと部屋を出た。

【暴食の雛】 @meiji_sin

皆がおかしい、人数が合わない、知らない匂いがする、知っている匂いはしない。 多い、知らないこれは食べても良いものだ？

ルクスーリア[色欲] @whycame_sin

@temari_sin 返事は、無かった。 ラストの身は丁寧に清められ、裂けたスカートも別なものへと変えられている。 寝台の横の小さなテーブルには簡単な見取り図。 幾つかの曲がり角の先に塗りつぶされた部屋、ルクスーリアはそこにいるのだろう。→

ルクスーリア[色欲] @whycame_sin

@temari_sin →　青い、ルクスーリアの髪と同じ色のリボンで作られた髪飾りが、文鎮のようにおいてある。

LiljaのIra @Fiteenl_sin

強制的に無力化してやろうか。物騒な思考の結果も廃せない。息をついて、指輪の一つを溶かして浮かび上がらせた。 「……来なさい」 紅の一人の腕に軽く絡めるように金を浮かばせる。抵抗が無ければそのまま、傍らに引き寄せて。

ラスト／アドウェナ @temari_sin

@whycame_sin そう言えば部屋を出る前に、地図を見付けた。どこかで見た青いリボン。「ルクスーリア……ルクスーリア！」地図とリボンを握りしめると、そのまま一気に部屋を目指して。

紅の強欲にしてIraのLilja @HeNotShe_sin

@Fiteenl_sin 抗うわけがなかった。この場で唯一恐ろしくないのは、その金を操るひとだけなのだから。引き寄せられるまま、イラの傍らへ進む。 そうしてやっと、呼吸ができるようになる。 「イラ様、ここ、は……」

【暴食の雛】 @meiji_sin

アーチェディアのおざなりな手、いつもと違う感触に顔。 こんな彼は嫌だ。 「あーちぇ」 「どれ、たべる」 一応自分が連れてきたものはカウントしていない。

LiljaのIra @Fiteenl_sin

@HeNotShe_sin 問いには答えない。ただ溜め息をついて、小さいそれに向かって口を開いた。 「……『欲す』という事は、『こういう事』よ。怖いなら座を返上して手を引きなさい。あるいはここで、誰かに殺されなさい」 強欲、グリードとは、呼ばない。無条件に救う事も、せずに。

【アーチェディア】 @klown_sin

「イラ」 少女を傍らに引き寄せる女へ、向ける視線と言葉。 目にかかる血すら、意に介さず向けるそれは、文字通り血走っていて。 「そいつは、『敵』か？　『捕虜』か？　『人質』か？　それとも『見せしめ』か？｣

LiljaのIra @Fiteenl_sin

「……腕どころか平静まで喪ったの、『怠惰(アーチェディア)』」 見上げ、返した声は普段通りのそれで。金目銀目に、感情は浮かんでいなかった。 「スペルビアには言ったかしら、私は『強欲(アヴァリーティア)』の『全てを手に入れる』事に同意してここにいる」 →

ルクスーリア[色欲] @whycame_sin

@temari_sin このタイミングで、ラストが来たのは幸か不幸か。 辿り着いた部屋には円卓に座るもの、座っていないもの。見知らぬものがほとんどと、――見知ったもの。 誰の顔も、空気も、重い―― 探しているルクスーリアは、円卓を囲む椅子の一つで項垂れている……

紅の強欲にしてIraのLilja @HeNotShe_sin

@Fiteenl_sin 座を返上する？　殺される？ 「いや……いや！」 大罪でない己に、一体何が残るというのだろう。その他には何も持っていないのだ。 「わたくしは……わたくしは強欲です。他の何にも、なれません、わたくしは……！」 必死に頭を振って、どこか虚ろな気がする胸を抱き。

【暴食の雛】 @meiji_sin

嫉妬をすべて食い尽くしていなかったからまだ腹は減っている。他の座だったものならきっと良い味がする。 紅い髪の少女を見る、それから遅れてきたもう一人も。 どっちが美味しいのだろう。どっちでもいいけど。

【暴食の雛】 @meiji_sin

「どっちを、食べていいの」 もう一度問うた。 返事がなければ両方ということだ。

LiljaのIra @Fiteenl_sin

「ええ、確かにアヴァリーティアは殺せ、奪えとしか言わなかったわ。持って帰ってくるのは『紅の傲慢(プライド)』の片腕だけで良いとも。座を増やせ席を増やせ黒を増やせとは一言も言っていない」 「けど、私は、『強欲(なかま)』の所有物をどうこうする気が、起きなかっただけ」 →

LiljaのIra @Fiteenl_sin

「……今は黒以外に面倒をかけるより、私は黒の面倒を見ていたいから、だから、落ち着けって言ってんのよ」

LiljaのIra @Fiteenl_sin

@HeNotShe_sin ――この馬鹿も。『大罪』はどうしてこう、沈思に向かない。 「酷い？　非道？　そう思うかしら。それは勝手だけど」 ――どうして、一つしか見据えられない。 「何かに『成る』って思考すら放棄してる馬鹿に、かける薬は無いわ」

superbia @takami_sin

@meiji_sin ぽん。目の前に魔法陣。そして中からたくさんの食べ物。「食べては駄目だ」と、言外に告げていた。

【アーチェディア】 @klown_sin

「……」 イラのその言葉に、男は閉口する。 その言葉に、何も言い返せない。確かにアイツならそう返すだろうと、そう思えてならない。 鎮みゆく心。平静が、取り戻される。落ち着く気持ちに、ようやく思い出したかのように痛みが感じられて―― ――聞こえた言葉に、意識が凍り付いた。 →