コラボ企画(郷太郎・のこの)

郷さん(@kyotaro003)とのコラボ企画リレー小説。 ルール 1.ジャンルはファンタジーでアクション系 2.1ツイート内(140字)に収めること 3.1ツイートで交代
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前村郷太朗 @kyotaro003

@radicalcradle 「左腕どころか、右腕無しでも…この程度の咎魔なら問題無いかもね。……いつまでグズグズしてるの?もう貴方には戦う力が備わっているはず」ぼうっと目の前に広がる攻防を見ていて、咄嗟の一言でようやく我に返った。頭の中にぼんやりとだが、イメージ出来る。これは―

2013-07-02 21:05:33
のこの @radicalcradle

@kyotaro003 -これが僕の力。認識すると、僕の中でぼんやりとしていたイメージが、もっとリアルなものへと変わっていく。それに連れて、周りの空気が重みを得ていく。重たい。けれど、僕にはこれが扱えると、何故か自信があった。そして、手の中で空気が収束していく。

2013-07-02 21:12:47
前村郷太朗 @kyotaro003

@radicalcradle 現れたのは一振りの剣だった。長過ぎず、短すぎず手頃に扱えそうな片手剣だった。見た目はしっかりとしているのに……まるで重みを感じない。驚くほど軽い。「ようやく開花したようね。さあ、試しにサクッとやっちゃいなさい!」

2013-07-02 21:37:19
のこの @radicalcradle

@kyotaro003 「え。」「え、じゃないわよ。さっさとやりなさいよ。」僕は困惑した。「いや、そう言われても、僕、剣道とかやったことないですし。」「そこを何とかしなさいよ。そこは主人公補正でどうとでもなるもんじゃないの!?」あまりにも理不尽だ。どうしろと言うんだ。

2013-07-02 21:42:17
前村郷太朗 @kyotaro003

@radicalcradle 「っ!?」化け物は隙を突き、目の前の女性に再び襲い掛かる。軽やかな身のこなしで、化け物の攻撃をするりとかわす……のは良いが、化け物はその勢い保ったまま僕に食らいつく。――あっという間だった。考え無しに剣を振ると、化け物は綺麗に真っ二つになっていた。

2013-07-02 21:50:22
のこの @radicalcradle

@kyotaro003 「出来たじゃないか。及第点。」彼女は満足そうににたっと笑った。いきなりの戦闘を生き残ったことによって、僕の思考はまた動き始める。そして、もしも、こううまくいっていなかったらという想像が頭を駆け巡り、恐怖が再び僕を支配する。そのまま僕の意識は消えた。

2013-07-02 22:44:20
前村郷太朗 @kyotaro003

@radicalcradle 世界を守る為に多くの仲間と戦う者がいる。己の信念を貫く為に僅かな仲間と戦う者もいる。夢に出て来た魔術師は有象無象の化け物を打ち払う。僕には知らない世界の物語。僕のような、凡人が……到底辿り着く事のない舞台。何の因果で僕のような人間が…。

2013-07-03 21:20:34
のこの @radicalcradle

@kyotaro003 『それはあなたが選ばれた人間だからです。』赤い少女が現れた。『あなたは世界を救う力を持っています。』青い少女が現れた。『『あなたは私たちが望み続けた存在なのです。』』涙に濡れた瞳でふたりが語りかけてきた。そこで目が覚めた。目の前には僕の部屋の天井。

2013-07-03 21:38:29
前村郷太朗 @kyotaro003

@radicalcradle 見慣れた天井を見て、無意識に安堵の息が漏れた。ゆっくりと体を起こし、もう一度イメージする。……やはり。あの時の剣が再び具現化した。夢では……なかったんだ。これから僕はどうなるんだろう。全く予想がつかない。ハッと気付くと、後輩がイスに座って眠っていた。

2013-07-03 22:07:32
のこの @radicalcradle

@kyotaro003 「あ、あの先輩。もう起きて大丈夫ですか.....?」後輩は僕が手に出した剣に怯えたように、椅子に座ったまま小さく身を震わせながら聞いてきた。いきなり、こんなものを出されて怖がらない人間なんてこの日本にはいるわけがない。僕は握りつぶすように剣を消失させた。

2013-07-03 23:05:16
前村郷太朗 @kyotaro003

@radicalcradle 「あっ……」何かを思い出したかのように後輩がむむっと顔をしかめる。と、ほぼ同時に後輩の手の上に杖が現れた。丁度、僕がやったように…。ああ、頭が痛い。もう僕の一生分程のスペクタクルを味わった気分だ。こんな畳み掛けるような不思議体験は浦安でも味わえない。

2013-07-03 23:15:58
のこの @radicalcradle

@kyotaro003 「奏ちゃんも.......その....咎魔を倒すことができる.....ってやつなの?」「そうです。私もです。.....先輩と一緒ですね。」少し顔赤らめた気がするが多分気のせいだ。気のせいにしておく。「結局...この力って何なんだろうね...さっぱりだよ。」

2013-07-03 23:26:10
前村郷太朗 @kyotaro003

@radicalcradle 「『咎魔』と対峙し得る人間。その証よ」ノックの後に姿を現したのは、化け物を退治した時に現れたスーツの女性だった。「何から話すべきかしらね……。そこのお嬢さんには、貴方が気持ち良さそうに眠っている間に大方説明したのだけれど……」

2013-07-04 00:04:30
のこの @radicalcradle

@kyotaro003 そうして彼女は静かに語り始めた。 『咎魔』は、遥か昔から存在していた。彼らがどうして生まれたのかは今でもわからない。一説には、人が犯し続ける罪を咎めるために生まれたとあるが、結局不明だ。彼らについて分かっていることは、彼らは人間を襲うということだけ。

2013-07-04 18:35:21
前村郷太朗 @kyotaro003

@radicalcradle 「咎魔」にも色んな種がいるらしい。昨日出くわしたような、獣のような奴もいれば、姿形も人間と変わらず、知能レベルも高いような奴もいると。何より「咎魔」が好むのは僕達のような特異な者の魂である事。そう……「咎魔」に対抗出来る「プレイヤー」と呼ばれる者達。

2013-07-04 22:28:11
のこの @radicalcradle

@kyotaro003 「プレイヤー」たちにはそれぞれ特殊な力がある。それは「咎魔」を唯一倒しうる力。昔は多くの人間がこの力を持っていた。けれど、世界に科学の力が溢れてくるにしたがって、「プレイヤー」はその数を減らしていった。そして、現代、「プレイヤー」は希少な存在になった。

2013-07-05 00:26:06
前村郷太朗 @kyotaro003

@radicalcradle 「それで……僕達がそのプレイヤーで、咎魔を倒す為に戦う必要がある……と?」「咎魔はプレイヤー以外には視えないわ。咎魔達もプレイヤーの魂を好んで喰らう。貴方達が戦う事を放棄しても勿論構わない。でも、いずれは咎魔が貴方達を襲うわ。さて………どうする?」

2013-07-08 22:03:04
のこの @radicalcradle

@kyotaro003 そんな言い方......脅しじゃないか。断れば僕はいつか死ぬ。断ることなんてできない。汚いやり口だ。まるで悪魔だといいたいけど、この人は多分僕のためにもこんな言い方をするんだろう。なら、僕は僕のためにもそれに従わざるおえない。覚悟は決まらないけど。

2013-07-09 00:15:23
前村郷太朗 @kyotaro003

@radicalcradle あまりにも……重い。プレイヤーなんて、戦いに居場所を見出すような連中だけでやればいいじゃないか。化け物との戦いが頭から離れない……これからずっと……奴らと戦い続けるのか?不意に僕の掌に暖かい物が触れる。驚いて顔を上げると、そこには後輩の顔があった。

2013-07-09 20:24:45
のこの @radicalcradle

@kyotaro003 「先輩!やりましょう!咎魔倒し!」その目は、これまでにないようなくらいキラキラと輝いている。なんでこの後輩は、命のやり取りをこう易々と受け入れているんだ。もう、僕にはこの後輩がわからない。僕としてはとっととこのわけのわからない状態からすぐにでも逃げたい。

2013-07-09 21:22:47
前村郷太朗 @kyotaro003

@radicalcradle 「奏は……お前さんの後輩らしいな。咎魔を一刀両断ってのも中々だが、この娘も相当だったぞ。まさか、あの杖にはあんな使い方があるとは思いもしなかった」この人だってプレイヤーのはずだが、随分と軽い言い方だ。「手にした瞬間に分かったんです。あの杖の使い方が」

2013-07-10 20:45:34
のこの @radicalcradle

@kyotaro003 ..........あんな使い方ってどんな使い方だ。どうもあの杖はただ魔法を使うだけのものじゃないらしい。なら、僕のあの剣もまた、斬る以外の方法もあるのだろうか。でも、できればそんなこと考えずにいたい。やっぱり、戦いなんて嫌だ。今ここから逃げ出したい。

2013-07-10 23:19:44
前村郷太朗 @kyotaro003

@radicalcradle 「突然の事で色々と頭が混乱するだろう。暫く、ゆっくり考えるといい。ほら、私の名刺だ。何かあったら此処に連絡するように」「は、はあ……」我ながら気の抜けた返事だったと思う。これが夢か、誰かが創作した物語ならどれだけ気が楽だったろう。

2013-07-11 20:41:45
のこの @radicalcradle

@kyotaro003 そのまま、その女性は後輩と共に、帰っていった。もう一度、手の中に剣を出してみる。何も現れるな。これは夢だ。そう、自分に言い聞かせても、それは日常を打ち砕くように、美しい輝きを放ちながら、僕の手の中に現れた。涙がでてきた。とめどなく溢れ、止められなくなる。

2013-07-11 21:22:08
前村郷太朗 @kyotaro003

@radicalcradle 「ならば、その苦しみから救ってやろうではないか」聞き慣れない声に驚き顔を上げる。そこには、僕を見下し不機嫌そうに構える男がいた。「咎魔は決して悪ではないのだ。貴様も普通の生活に戻りたいというなら是非もない……ここで貴様を殺し!抜け殻を頂く!」

2013-07-11 23:43:57
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