山本七平botまとめ/”牢獄の中の天皇”論/~美濃部機関説「国家法人」の総攬者としての天皇に対する被統治意識を持たなかった二・二六事件の青年将校~

山本七平著『存亡の条件――日本文化の伝統と変容――』/第四章 合理と非合理/”牢獄の中の天皇”論/130頁以降より抜粋引用。
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山本七平bot @yamamoto7hei

25】そしてここに、尊皇思想に基づく天皇の絶対化によって強力に西欧化を推し進め「制限君主国」となった近代日本の内包する矛盾が、その西欧化に基づく西欧の非合理性の援用による″非合理性の攻撃″を受け、それへの対抗手段が見つからぬままに瓦解した理由がある。

2013-06-24 22:58:00
山本七平bot @yamamoto7hei

26】チャーチルのような発想はこの二重の非合理性の前には所詮不可能であった。そしてこれを最終的に収拾したものが、皮肉な事に最も伝統的といえる「あらゆる問題を自己の内心の問題として処理する事」によって回復した「合理性」だった訳である。そして戦後はこの合理性から出発しているのである。

2013-06-24 23:27:46
山本七平bot @yamamoto7hei

27】だがこの「軍刀の知識人」の考え方と「長椅子の知識人」の行き方は必ずしも同じではない。 同じに見えるのはその現象面であって、内容には全く違う点がある。 次にその違いを探究しよう。

2013-06-24 23:57:50