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浅い水域が有機汚濁解消のために重要だということ

海の日に「水質浄化に良い」という大変な誤解のもとにEM菌が川や海に投入されてしまいました。 濁った汚い川や池や海をきれいにしたい、という人々の善意は、しかし、EM菌では報われません。 濁っている(有機汚濁)閉鎖水域についての連ツイを、ぶたやまさんがまとめて下さいましたので、その続編の連ツイをまとめてみました。 ぶたやまさんによるまとめはこちら。 続きを読む
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飯島明子 @a_iijimaa1
さーて、今日は1時限目は休講だし、洗濯も一部(!)済んだし。有機汚濁についての連ツイはじめます。「暇なの!?」と思った方、大正解! はい、今日の午前中は暇です。暇バンザイ♪
飯島明子 @a_iijimaa1
閉鎖水系、つまり池や沼、湖、それから完全に閉鎖とはいえないけれど陸に入り込んだ内湾などでは、そもそも陸域起源の有機物は溜まりやすく、植物プランクトンも増えやすい状態にあります。ただそこへ人間が家庭排水や農業排水(特に酪農関係)を流し込んでしまうことによって富栄養化が進行。
飯島明子 @a_iijimaa1
富栄養化が進行しすぎると有機汚濁が起きるわけです。適度に水中に有機物やリンや窒素があり、適度に植物プランクトンが増殖するだけなら、動物プランクトンも二枚貝もこれらを食べる魚なども増えますから、富栄養が進行しすぎなければ生き物で賑わう豊かな水辺だったのです。
飯島明子 @a_iijimaa1
栄養豊かな閉鎖水域では、にぎわう生き物たちを食べる他の生き物たちもやってきます。プランクトンを食べる小魚をカイツブリやサギが狙います。プランクトン食の二枚貝をスズガモやアカエイが食べます。
飯島明子 @a_iijimaa1
植物プランクトンの親戚、リンや窒素を使って泥や砂の表面で育つ付着微小藻類も、生物にとって重要な栄養源。干潟ではゴカイ類や巻貝類、二枚貝もこれを食べます。ヨコエビという小さな甲殻類も、付着微小藻類やもう少し大きい藻類を食べて育ち、魚や小型のシギ・チドリに食べられます。
飯島明子 @a_iijimaa1
そしてもちろん、我々ヒトも、閉鎖水系を主要な漁場としてきました。プランクトンを食べるイワシやサヨリ、アサリやトリガイやアカガイやバカガイ(アオヤギ)。ゴカイや小さい貝やクモヒトデを食べるカレイ。小魚を食べるマゴチ。ああ、書いてたら食べたくなってきた。マゴチは夏の味覚ですよ!
飯島明子 @a_iijimaa1
閉鎖水系は、特にその浅い場所(湿地や干潟)は、こうした生物の宝庫ですし、また少し深い場所に棲む魚やイカなどが産卵する場であったり、それらの子どもが育つ場であったりします。ではなぜ浅い水域に生物が多いのでしょうか。
飯島明子 @a_iijimaa1
一番の理由は、食物が多いから。富栄養化した水域は植物プランクトンが多くて濁るので、深い所まで充分に光が届きません(表面で植物プランクトンが光を吸収して光合成しちゃうからです)。一方、浅い所では光が届きますから、砂や泥の上の微小藻類も充分光を浴びて育つことができます。
飯島明子 @a_iijimaa1
水深2 mとか4 mとか、そのあたりまでも(赤潮状態がひどくなければ)光は届くので、淡水では水草が、海では海草や海藻(この2つは全く違う生物です)が繁茂します。
飯島明子 @a_iijimaa1
一方、水深が深い場所では水底に光が届きにくく、水底に生息する生物にとってはあまりご飯のない環境と言えるでしょう。
飯島明子 @a_iijimaa1
干潟や湿地、それからごく水深の浅い場所では、植物プランクトンの他に付着微小藻類、海草や水草や海藻など、色々なタイプの光合成生物が揃っています。そのため、どれを食べる生物もそこで暮らせるわけです。
飯島明子 @a_iijimaa1
植物プランクトン、付着微小藻類、海草、海藻、水草など、光合成する生物は、光のエネルギーと二酸化炭素で有機物を作り出しますから、「一次生産者」と呼びます。陸上植物も(木や草や野菜も)一次生産者。
飯島明子 @a_iijimaa1
一次生産者がいなければすべての動物はアガッタリです。ご飯がない。「野菜や米がなければステーキを食えばいいじゃないか」と思ったそこのアナタ。ステーキの元の牛さんは植物(一次生産者)を食べなきゃ育たないのですぞよw 我々動物は一次生産者が光合成などで作り出す有機物に依存しています。
飯島明子 @a_iijimaa1
まあそんなわけで、光合成などで二酸化炭素から有機物を作り出す一次生産者のことを「独立栄養生物」、我々動物やキノコのように一次生産者の作った有機物を直接・間接に食べている連中のことを「従属栄養生物」と申します。…というと、「従属…orz」とガックリする学生も出たりしてww
飯島明子 @a_iijimaa1
@anhebonia さんからの今朝のコメント、「浅い水域は窒素の供給源でもある」というのは、つまり、浅い水域は生物で大賑わいしているので、その生物そのもの、その死骸、その排泄物は結局は窒素やリンの大きな供給源になっているよね、ということです。じゃ、生物がいたらダメなの?
飯島明子 @a_iijimaa1
いえいえ、そういうわけではありません。(@anheboniaさんも分かりつつ突っ込んで下さったのだと思います)浅い水域の小さな生物は何に食べられるのでしたっけ? 中型の魚。鳥。ヒト。地域によってはヒト以外の哺乳類も加わるでしょうね。
飯島明子 @a_iijimaa1
海の場合、中型の魚は少し沖で大型の魚に食べられ、大型の魚は湾を出てどこかに回遊するのかも。鳥は水辺でカニやゴカイや小型甲殻類を食べた後、陸上で糞するし子育てもします。ヒトやその他の哺乳類も主な生活の場所は陸上ですね。
飯島明子 @a_iijimaa1
つまり富栄養水域の窒素やリンは、生物の体に以降し、それが他の生物に食べられることによって陸上や外洋などの「系外」に出るわけです。
飯島明子 @a_iijimaa1
閉鎖水系の有機汚濁を何とかするためには、流入する有機物や窒素・リンを減らし、水系の中の有機物や窒素・リンを取り除くことが重要です。鳥や大型魚類やヒトなどは、閉鎖水系の生物を食べることによって、有機物(及び窒素とリン)を水系の外に取り出しているわけです。
飯島明子 @a_iijimaa1
従って、富栄養化した閉鎖水系では、光の充分当たる浅い水域(干潟や湿地を含め)に多様な生物が数多く生息していることが大事なのです。
飯島明子 @a_iijimaa1
だからこそ、干潟や海草藻場などの浅い水域が重要です。水辺の葦原などは、生物の生息域として、また水鳥などが身を隠す場としての機能があります。
飯島明子 @a_iijimaa1
さて葦原ですが、もしその閉鎖水域で有機汚濁がひどくてなかなか解消できないようであれば、例えば水辺に葦を増やしてその葦の中に窒素やリンを吸収させ、充分育ったところで刈り取り、陸上に窒素とリンを上げてしまう、という方法もあります。
飯島明子 @a_iijimaa1
刈り取った葦の利用方法は、ぱっと思いつくのは「よしず」でして、こういう活動をしている地域はあるはずです。ただ「よしず」ばっかりそんなに大量にはいらない…、という問題点も出るかもしれませんね。
飯島明子 @a_iijimaa1
葦を刈り取る労力と作品にして販売・配布する労力、どれもとても大変なことだと思いますが、有機汚濁解消のために意味のある活動です。そこがEM菌活動と全く違うところ! 活動するなら意味のある活動でないと。
飯島明子 @a_iijimaa1
有機汚濁解消のために、浅い水域が果たす役割は、生物が多い→鳥やヒトに食われて系外へ窒素やリンが移行、というだけではありませんが、もうじきお昼なので、続きはまた明日にでも。実は干潟などは水中から窒素を除去するスゴイ役割があるのです。

コメント

s_matashiro @glasscatfish 2013年7月18日
後半のお話で、琵琶湖では水草の異常繁茂が問題になっていて、刈り取って堆肥にする事業を行なっているそうです。(異常繁茂 http://www.pref.shiga.lg.jp/d/biwako/files/mizukusataisakujigyou.pdf 堆肥事業 http://www.pref.shiga.lg.jp/d/saisei/files/mizukusa/riyou.html )
s_matashiro @glasscatfish 2013年7月18日
伊藤園が5年間、毎年1000万円を提供して行なっていた琵琶湖の葦原再生事業「お茶で琵琶湖を美しく」 http://www.itoen.co.jp/itoen-motherlake/culture.html http://www.pref.shiga.lg.jp/d/biwako/files/itoen3.pdf
KokyuHatuden @breathingpower 2013年7月18日
CODが減らない琵琶湖に有機物たっぷりのEM団子を投げ込むイベントをやってますからね...。 http://bit.ly/17nnhyl 東京の日本橋川のような、何万個もの投入は止めてほしいです。
mimon @mimon01 2013年7月18日
琵琶湖の富栄養化が問題視されたことは、衣料用洗剤の無リン化を進めるきっかけにはなりましたが、その後、無リン洗剤が普通になっても、琵琶湖は大してきれいになりませんでした。
飯島明子 @a_iijimaa1 2013年7月18日
外から流れ込むことはあっても外へ流れ出さないと、なかなか窒素やリンも抜けないのでしょうね。両方とも横ばい状態…。 http://www.byq.or.jp/kankyo/k_04.html
Tsuyoshi CHO @tsuyoshi_cho 2013年7月18日
a_iijimaa1 藻とか水草刈りとかして除去してくしかないのかなあ?
飯島明子 @a_iijimaa1 2013年7月18日
水草は刈り取りも難しいでしょうし、水生生物の住処や食物資源になっている場合もあるでしょうから、葦の刈り取りや、富栄養化した水を使った水耕栽培、などの方が良さそうな気がします。それと、海の場合なら浅瀬や干潟の保全ですね。使っていない埋め立て地は干潟に戻しちゃうとか。
mimon @mimon01 2013年7月18日
a_iijimaa1 「滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例」が成立したのは、1979年(昭和54年)ですから、当時は全リン低減に効果があったようですが、その後はジワジワですね。
KokyuHatuden @breathingpower 2013年7月27日
.@mimon24 @glasscatfish @a_iijimaa1 琵琶湖のEM投入運動で新事実。 http://bit.ly/13b0xly 主宰者たちは、比嘉氏の依頼を受けて他所から引っ越してきた人たちです。
犬山しんのすけ @shinnosuke_inu 2013年7月27日
breathingpower ご紹介の映像見ました。比嘉先生、比嘉先生って、まるで創○の池○大○みたいです。EMって宗教ですねコリャU・Д・;U!!
Hiroyuki Saito @saitoh0619 2013年7月27日
breathingpower 比嘉氏の依頼で引っ越してまでEM投入事業って…,そこまでやりますか。こりゃ断念させるのも一筋縄では行きませんね…。
あんこ好きなクルーたまにヘルムスマン、稀にスキッパー(そして、ひなちゃんの下僕) @XC60Rd__ 2013年7月27日
富栄養は周りに養豚などの施設からの排水ってのは大昔でしたっけ…琵琶湖じゃないかな?
憑かれた大学隠棲:再稼働リプレイスに一俵 @lm700j 2019年8月19日
瀬戸内海だと下水処理場の処理レベルを落として海に養分を流して海苔の養殖を支援してる
nona @kobonona 2019年8月22日
このところ気になる生物多様性の話でもある
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