#8 「ライトニング・マイ・パワー・トゥー・ビー・ボールド」(完)

エバー・ラスティング・アロー・ミストルティン編まとめ http://togetter.com/li/439782 ⇔人物目録⇔ http://togetter.com/li/446022
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Astal_jukebox @astral_jukebox

言いかけた途端、勇矢が全力でブレーキを握った。 同時に前輪横の道路を踏みしめる。 「うぉ!?おい!」 5m程の急制動で完全に自転車が止まり、後部が1mは起き上がる。 裕岐は反射的に脚を車体に絡め、腕の力も強めることで衝撃を最小に殺した。 付き合いの長さが幸いした。

2013-07-28 00:40:40
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彼の身体能力と、勇矢(の過去の奇行の数々)に対する理解が無ければ、最悪10m前方に投げ出されていただろう。 無論、場合によっては死ぬ。 勇矢もそうならないことを分かっていての行為である。 「ユウ!」 裕岐もそれは分かっていたが、流石に少しは怒った。

2013-07-28 00:55:01
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殺されかけた、とは思っていない。 放り出されたところで受け止めて貰えただろうと理解している。 こんなぶっきらぼう極まる抗議しか出来ないこと、それ自体に怒っていた 「七橋…その先は言うな」 「ユウ!」 「いいから!お前は…彼女だけ見とけ」

2013-07-28 01:03:12
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「でも!…また何か無茶考えてるんだろ!?」 「お前はそこに突っ込んで来ようって訳か?」 「突っ込まれちゃ困るのか?…危険なんだろ?」 「その危険に、彼女を巻き込もうって気か…?」 「……!」 「お前が突っ込んで来たら彼女も巻き込まれるぞ」 「…危険なのは認めたな?」

2013-07-28 01:18:11
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勇矢は黙ったまま、瞬時に体勢を立て直し今度は急加速した。 「お前達が突っ込んで来なきゃそんなでも無い」 また暫くして勇矢が言った。 「そうか…だけどなユウ」 「まだ他にもあるの?」 「本当にお前が危険だと感じたら、俺は首を突っ込むぞ」 「…お前ね…!」

2013-07-28 01:22:40
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「例え、梢を危険に晒してもな」 「はぁ!?」 「俺だってそんなことはしたくないさ…だから」 せいぜい自分の身を守れ…そんな言葉が続く前に勇矢は 「…分かった」 と返した。 そこで会話は途絶えた。

2013-07-28 01:25:25
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数十分後、来栖見のある笠間市に入った頃、どちらともなく会話が再開した。 話題は主に今週の予定についてだった。 先程の会話については、そんなものが無かったかの如く、どちらも一切触れなかった。 今は、さっきの結論だけで充分。 互いにそう思ったからであった。

2013-07-28 01:28:26
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ミストルティン編第四話 「護るべき笑顔は~ノー・ティアー!ノー・アゲイン!」 #8 「ライトニング・マイ・パワー・トゥー・ビー・ボールド」(完)終わり 最終セクション #9 「イントゥー・ザ・シャロー・スカイ」に続く。

2013-07-28 01:29:57
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