「リスクに関する思考プロセスが揺らいではならない。」 高岡滋さんのツイートまとめ

高岡　滋 @st7q

第11回水銀国際会議に参加するために、イギリス・エジンバラに来ました。http://t.co/edy2Ko6J6S 宿泊したホテルのネット環境が悪く、会議場でようやくインターネットに接続できました。

高岡　滋 @st7q

水銀国際会議に参加していつも感じていたのは、水銀の環境汚染や人体曝露データは沢山報告されるのに、人体の健康影響の情報は少ないということ。健康影響を明らかにすることの社会的影響というものが、抑制的に作用してしまう面がある。

高岡　滋 @st7q

一昨日は、カナダでのメチル水銀の健康影響セッションがあり、環境データ、動物データは盛り沢山。原田先生達が調査してきた先住民はかなりの曝露を受けてきて、水銀曝露値は出てくるものの、彼らに関する健康指標データは、これまで同様、みられなかった。

高岡　滋 @st7q

発展途上国では、貧困のなか、小規模の金採掘で生計を立てている人々がいる。金を含んだ泥に水銀を流し込みアマルガム（水銀との合金）を作らせ、アマルガムを熱して水銀を蒸散させて金を取り出す。それによる金属水銀、無機水銀汚染と自然界でメチル化されたメチル水銀汚染が起こりうる。

高岡　滋 @st7q

これまでは、金採掘に伴う水銀汚染や人体曝露のデータは沢山あったが、健康被害データは、2001年に原田正純先生がブラジルの症例を報告したものくらいしか知らなかった。しかし、近年、数多くの健康被害が報告され、神経系だけでなく、免疫系などの異常も報告されていることがわかった。

高岡　滋 @st7q

昨日のポスター発表で、ブラジル・アマゾンの水銀汚染地域住民に対して、これまで私達が使用してきた感覚の定量化を利用した研究があった。研究の交流が進むとよいと思う。

高岡　滋 @st7q

平均毛髪水銀値が日本より低く、重大な健康被害もない国での低濃度水銀の一般人口に対する健康影響の報告もあり。これらについては、水銀曝露に交絡する（水銀に関連する他の）因子の影響も考慮すべきなのだろうが、メチル水銀の毒性に閾値が存在するか、という点で、非常に興味深い。

高岡　滋 @st7q

水銀の領域では、水俣ほどの目立った健康影響が認められないレベルの曝露による健康影響が真剣に討議されている。科学者がそれくらいの注意深さを備えていてこそ、科学が人間の健康維持・増進に貢献することができる。しかし、ここに至るまで、研究者間のデータに基づく激しい論争が続いてきた。

高岡　滋 @st7q

このような目に見えにくいリスクに対しても真剣に検討されている水銀研究の動きをみていると、放射線分野では、全体として、リスク軽視がめだつ。目に見えている現象さえ、検討される前から無視されている。

高岡　滋 @st7q

原発事故後、リスク仮説を立てること自体を非難する雰囲気が意図的に作り上げられ、すくなからぬ放射線専門家が、住民の訴えや所見を検討することなく、関連性を否定している。「科学」を装った欺瞞的言辞が、「科学」の基盤を崩している。

高岡　滋 @st7q

汚染がひどくなった状況で「少々のことはしょうがない」と真っ先に頭に浮かんでしまったら、それは科学者の立場ではない。そういう人に、「どこまでが少々なのか」と聞いてみても正しい答えは聞かれない。社会的な適応はさまざまでありうるのだが、リスクに関する思考プロセスが揺らいではならない。