ギリシア語で読むギリシア神話 特別編 ホメロスに見る古代ギリシアにおける祭祀

ふと思いつきでつぶやいた一つのポストから始まって、大量の原典引用やらなにやらに発展してしまった件です。 「ギリシア語たんの『夏休みの自由研究』」状態になってしまいましたが、せっかくなのでまとめました。 「宗教学」とは行かないまでも、ギリシア神話ファン各位のご参考となれば幸いです。
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ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan

【供物の焼き方】同じ箇所で、「若者たちが五叉の串を手に取り、肉の残りを串に刺して丹念にあぶり、その後串から抜いた」とされるのも両者に共通します。「老司祭が焼く肉」と「若者たちが焼く肉」には当然違いがあり、前者の方が「神聖さ」が強い…ということなのでしょうね。

2013-08-12 17:05:15
ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan

【内蔵を食べる】生贄を捧げる儀式を描いた場面で必ずといっていいほど現れるのが「内蔵を食べる」(σπλάγχνα πάσαντο)という言葉です。実はこれは、生贄を神々に捧げる際には必須とされていました。当時の牛や山羊の内臓を食べるのが衛生的にどうだったのかは、よくわかりませんが…

2013-08-12 17:30:19
ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan

【直会】生贄に捧げる肉を焼き終えると、それが参列者に分配されて宴席に供されます。「捧げ物」の「お下がり」をいただく―というところは、日本の神道の「直会(なおらい)」と共通しています。

2013-08-12 18:00:42

全体のまとめ

ギリシア語たん(自転車操業中) @Hellenike_tan

【総括】ホメロスで描かれる「神々への祈願」は、「生贄の動物の肉を焼くこと」が「神々への供物の献上」とされていることが最大の特徴で、それ故に「祈願」そのものはこれと分離せざるを得ず、「直会」はその肉で宴席になる…ということでしょうか。

2013-08-12 18:30:19
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