乱高下する市場が示すもの (NHKラジオ第1放送ビジネス展望5月31日放送分 )まとめ

藤原直哉氏の世界経済予測のまとめ(2013年5月)
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藤原直哉 @naoyafujiwara

NHKラジオ第1放送ビジネス展望。5月31日放送分。テープ起こし。 乱高下する市場が示すもの Q:株式、国債、為替市場が乱高下していますね ・日本は円高株安となり国債金利が上がっている ・昨年12月以来の市場の動きは実に奇妙である。

2013-05-31 07:39:03
藤原直哉 @naoyafujiwara

・日本の株を買っているのは外人。日本人は個人も法人も総売り。外人が買って外人が売って、結局株価が下がってきた ・為替も昨年12月以来、円安方向に相場を引っ張る先物のポジションが膨大に残ったまま。決して自然に円安になったわけではない。それが最近緩んで円高方向に動いてきた

2013-05-31 07:39:19
藤原直哉 @naoyafujiwara

・さらに外国証券も日本人はここのところずっと売っているようだ ・金利は昨年来ずっと下がってきた。ところが黒田新総裁が新しい金融緩和政策を発表した途端に跳ね上がった。長期国債だけでなく、超長期、中期国債の金利も跳ね上がり、株価が下がっても金利は昔のように大きく下がらなくなっている

2013-05-31 07:39:47
藤原直哉 @naoyafujiwara

・一方円安に伴う物価上昇は食料品などに広がりつつある。しかし世界的な資源エネルギー価格の下落と円高への戻り、そして国内外で特別な要因がない限りこれ以上物価が跳ね上がるような状況にはなっていない ・それからこの1月から復興増税である。増税は確実に景気を冷やす効果がある。

2013-05-31 07:40:06
藤原直哉 @naoyafujiwara

・一般に景気回復期とは金利が上がらず、物価も上がらず、銀行融資が増え、売り上げと生産が増えて利益が出始めるという時期である。これがさまざまな地域や業界に広がることで多くの人たちが自分の足元から景気が良くなったと実感する。

2013-05-31 07:40:27
藤原直哉 @naoyafujiwara

ところが今回は奇妙なことにいきなり円安で物価が上がり、続いて金利が上がり、銀行は融資を拡大せず、景気回復期らしい状況が来なかった。実に奇妙なことだった。

2013-05-31 07:40:32
藤原直哉 @naoyafujiwara

・何かこうしてみてくると今の乱高下以前に、そもそもこの半年間の市場の動きそのものが奇妙だった。

2013-05-31 07:40:46
藤原直哉 @naoyafujiwara

Q:今の日本は景気が良いのでしょうか、悪いのでしょうか。 ・政府・日銀の発表では景気が良いという話が多い。しかし現実に景気回復を実感している人は非常に少ないのではないか。気分だけ明るくなったというところがほとんどではないか。

2013-05-31 07:40:59
藤原直哉 @naoyafujiwara

・本当に業績の良い人や企業はある。それはすべて自力のあるところ。経営哲学も実力もなしに、未来志向で行動もしないで黙って座っていればアベノミクスで景気が良くなると思っているとそれは全くの間違い。相当本気に考えて行動しないと自分のところに好景気は来ない。

2013-05-31 07:41:13
藤原直哉 @naoyafujiwara

・世界的に見ても欧州は緊縮財政政策を中止して景気拡大のための積極財政策に出た。米国も景気が良いとは言いながらも住宅ローン金利は既に跳ね上がっているし、中国も通貨元がどんどん高くなり、今のところ先進国、新興国、そして資源国のどこを見ても今年の経済成長率は低迷である。

2013-05-31 07:41:35
藤原直哉 @naoyafujiwara

そのなかで日本だけ突出して成長率が高くなるのだろうか。

2013-05-31 07:41:40
藤原直哉 @naoyafujiwara

・TPPについても米国側は日本に譲歩など全くしていないし、TPPは事実上の日米自由貿易協定だとして自国の利益をとことん追求する姿勢だ。

2013-05-31 07:42:02
藤原直哉 @naoyafujiwara

既に世界は縮小するパイを各国および大企業が互いに食い合う形になっていて、従来の経済システムのなかでの食うか食われるかの生き残り競争が極限までひどくなっているというのが実態だ。欧州のキプロスのように金融立国という自国のビジネスモデルを一瞬でEUに潰されてしまうような国も出てきている

2013-05-31 07:42:11
藤原直哉 @naoyafujiwara

・日本の円安についても米国財務省が年に2回出す通貨レポートを読むと輸出競争力を上げるための円安ではないかと強く疑っていて、6月に出る日本政府の成長戦略が彼らの期待に沿うものでない場合には、競争的通貨切り下げ政策を止めさせるとある。

2013-05-31 07:42:32
藤原直哉 @naoyafujiwara

しかし米国が望む改革とは実質的に日本の構造そのものを壊す改革であり、到底できるものではない。すなわちもうすでに両国がこれ以上譲歩できない限界まで貿易や投資の緊張が広がっている。

2013-05-31 07:42:37
藤原直哉 @naoyafujiwara

・要するに総括すれば自力があるところ以外は世界大恐慌による泥沼の不況で企業も国も国民も追い詰められるばかりというのが現実だ。

2013-05-31 07:42:49
藤原直哉 @naoyafujiwara

Q:ではどうすればよいのでしょうか。 ・これまでに作られた国内外の政治経済秩序、大企業の序列、既得権益を守ろうとして手を打ってももはや効果がない状況だ。国内外で金利が上がっているのも、要は各国とも国債の出しすぎが最大の原因だ。

2013-05-31 07:43:10
藤原直哉 @naoyafujiwara

国債を担保におカネを撒いて問題を先送りすることが日増しに困難になっている。

2013-05-31 07:43:15
藤原直哉 @naoyafujiwara

・この混乱の中から新しい世界の秩序、新しい経済のありかた、新しい人の生き方を考えて行動するしかない。それが形をとって現われてくるまで、この混乱が止むことはないだろう。

2013-05-31 07:43:31