茂木さん朝の連続ツイート2010年10月

「中国八策」「ジェントルマン」「胸がざわざわすること」「周辺視野」「僕が僕であるために」「私塾」「可塑性」「ケンブリッジ」「カッケー(かっこよさ)」「踊り」「戦略」「適応」[ツイッター」「言語政策」「もてる方法」「もてる女」「内面の輝き」「離」「グローバリズム」「土」「養老孟司」「秋刀魚の味」「根拠のない自信」「座右の銘」「ダライ・ラマ」「人生のエネルギー問題」「感染」「日本人と英語」「脳科学占い」「市場」
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茂木健一郎 @kenichiromogi

私塾(1)吉田松陰の松下村塾は、わずか3年しか存在しなかったが、高杉晋作など、多くの維新の志士を生み出した。これからの日本、世界に新時代をもたらすのは、「私塾」であろう。

2010-10-06 07:09:59
茂木健一郎 @kenichiromogi

私塾(2)「大学」は、規模が大きすぎるのが欠点である。何か変えるにも、時間がかかって仕方がない。規模が大きいからこそ、ブランドとなり、学歴信仰を呼ぶ。私塾は小さいから、実質において勝負するしかない。塾長の資質を慕う人が集まり、切磋琢磨する。

2010-10-06 07:11:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

私塾(3)緒方洪庵の「適塾」で、福澤諭吉は猛勉強した。病気になり、寝ようと枕を探したが、枕がない。その時になり、はじめて適塾に来て以来勉強しては仮眠し、目覚めてはまた猛勉強というありさまで、枕を使って寝たことがないことに気付いた。

2010-10-06 07:12:32
茂木健一郎 @kenichiromogi

私塾(4)「私塾」を始めるのに、何も要らない。喫茶店でも、自分の4畳半の部屋でもよい。補助金も、認可も要らない。ただ、「始めるよ」と言って、同志が集まればいい。その上で、切磋琢磨する。必死になって猛勉強する。そんな私塾があちらこちらにできれば、日本は変わる。

2010-10-06 07:14:15
茂木健一郎 @kenichiromogi

私塾(5)大学や、小中高も、本当は「私塾」の集まりだと考えると良い。大学のゼミは、ある種の「私塾」である。小学校の担任が、生徒を感化する。「学校名」を単位にものを考えるから良くない。一人のすぐれた教師の下に、生徒たちが集っているのだと考えれば良い。

2010-10-06 07:15:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

私塾(6)私塾で何を学ぶか? これが現代の考えどころだろう。やはり古典ではないか。論語や史記を徹底的に素読する。それから、外国語。英語のハードな文献を、皆で解読する。『解体新書』の偉業を見ればわかるように、わかっていないものどうしてワイワイやったって、いいんだよ。

2010-10-06 07:16:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

私塾(6)大げさに考えるから、なかなか私塾が始められない。軽く考えて、とっととやれば良いのである。日本中にぼこぼこと私塾ができて、雨後のタケノコのようになる。そんな風にならないかしら。

2010-10-06 07:17:48
茂木健一郎 @kenichiromogi

私塾(7)夏目漱石の「木曜会」のように、ただ集まって雑談する、座談するというのでもよい。仲間たちの会話における丁々発止。ケンブリッジの「ハイテーブル」にも、日本的な展開や受容があっていいはずだ。

2010-10-06 07:18:32
茂木健一郎 @kenichiromogi

私塾(8)学ぶ側からすれば、「私塾」選びはブランドではなく、教師を見る直観に基づく。この先生は、何かを持っていそうだ。そんな直観が働いたら、黙って入門すればよい。それで、私塾どうしで大競争すればよい。少数の「有名大学」だけじゃ、寡占で真の競争にならぬ。

2010-10-06 07:19:51
茂木健一郎 @kenichiromogi

私塾(9)本居宣長は医者を生業とするかたわら、源氏物語について講義した。集まった松阪の商人たちは、「いままで様々な道楽をしましたが、学問ほどの道楽はありませんな!」と感嘆したという。日本人が学問を最高の道楽と感じるような、そんな私塾運動を起こそうではないか、諸君!

2010-10-06 07:21:18
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「私塾」に関する連続ツイートでした。

2010-10-06 07:21:29
茂木健一郎 @kenichiromogi

可塑(1)人間の脳のもっとも素晴らしい性質は、「変わる」ことができるということである。創造性の最良の顕れの一つは、自分自身が変わることができるということ。脳の「可塑性」(plasticity)がその変化を支える。

2010-10-07 07:07:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

可塑(2)一つの神経細胞が、一万の神経細胞と「シナプス」を通して結びつく。この結合パターンが思考をつくり、感情を支え、人格を形成する。シナプスの結びつきの組み合わせは無限にあり、その無限の可能性の空間を、「可塑性」を通して探求する。それが私たちの人生である。

2010-10-07 07:09:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

可塑(3)一千億の神経細胞の間に進行しつつあるすべての可塑性を把握することなど、とてもできない。今この瞬間も、あなたの脳は「ざわざわ」と変化し続けている。自分がどのような行動をとり、何を感じ、何を考えるかに依存して、脳はどんな方向にも変わることができるのだ。

2010-10-07 07:10:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

可塑性(4)英語ができるようになるといった能力の向上も可塑性の現れである。一方、ブッダが菩提樹の下で「悟り」を開くのも、可塑性の現れである。誰かが好きだと気付くのも、可塑性の現れである。

2010-10-07 07:12:09
茂木健一郎 @kenichiromogi

可塑(5)脳の中には、数個のシナプス結合を通してどのニューロンからニューロンにも到達できる「スモールワールドネットワーク」がある。局所的な計算においても可塑性が存在し、長距離の結合においても可塑性が存在する。この組み合わせが「奇跡」をもたらす。

2010-10-07 07:14:08
茂木健一郎 @kenichiromogi

可塑(6)脳の神経細胞がスモールワールドネットワークの中でいっせいに活動し、その瞬間に可塑性が生じて今までとは異なるように世界が見える。このプロセスが「ひらめき」である。「ひらめき」は、脳が可塑性という「オーケストラ」を強奏して、美しい響きを立てる瞬間なのだ。

2010-10-07 07:16:05
茂木健一郎 @kenichiromogi

可塑(7)シナプス結合を変化させる法則としては、へブ則が提案されている。シナプスの両側でニューロンが同時に活動した際に、シナプス結合が強まる。可塑性の法則は、「局所」しか見ていない。それにも関わらず、全体としての見事なコーディネーションが成立し、認識が有機的に進化するのだ。

2010-10-07 07:19:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

可塑(8)天才とは努力の仕方を知っている人である。天才に生まれるのではない。天才になるのである。脳の「可塑性」というポテンシャルを、ぎりぎりの限界まで駆使して、自分を形成する。そんな意志を持ち、実践ができる人が、天才となる。

2010-10-07 07:21:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

可塑(9)根拠のない自信を持て。なぜならば、あなたはどのようにも変わることができるのだから。それを裏付ける努力をせよ。実践を通してしか、脳の可塑性は発現しない。そうして、可塑性の一つひとつのステップは、あなたが把握できない「マルチチュード」として、あなたに生じる「事態」となる。

2010-10-07 07:24:05
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、脳の「可塑性」についての、連続ツイートでした。

2010-10-07 07:24:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

ケン(1)はじめてケンブリッジに行ったときは、おどろいた。カレッジのすぐ横に緑があって、牛が歩いている。実はここは牧場でもあるのだと聞いて、そんなものかと思った。

2010-10-08 07:13:06
茂木健一郎 @kenichiromogi

ケン(2)ケンブリッジから隣り村のグランチェスターには、30分くらいで歩ける緑が広がっている。そのすぐ近くのフランス人の家に下宿した。朝、牧場を走る。チューリングも散策したというその緑の中を、風を受けて走った。

2010-10-08 07:14:32
茂木健一郎 @kenichiromogi

ケン(3)トリニティ・カレッジの緑も、また美しい。聞くと、専門の庭師が30人もいるのだという。学問を行うところは美しくなければならない。藤原正彦さんの言われることが、真実だと感じた。

2010-10-08 07:15:44
茂木健一郎 @kenichiromogi

ケン(4)ケム川を最初に眺めたとき、その流れがゆったりとして、穏やかなのに驚いた。川岸の緑へのつながり方が、緩慢として優美である。ケム川のほとりを歩く時間が、至上のよろこびとなった。

2010-10-08 07:16:51
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