こんなタイトルはどうかな。→ 太田克史×東浩紀「ゼロ年代とはなんだったのか: 『ファウスト』を産み出した伝説の編集者×批評家タッグが語る「本当の」あの時代:ゼロアカ世代必見! 奇跡の対談! おれたちの戦いはいま始まったばかりだ!」
2013-09-18 10:41:30だから昨日いきなり爆発しちゃったんだけど。なんというか、これは震災とも関係あるのかもしれないけど、ぼく、ここ1-2年、すごい年取った感じがして、ロートルが若者に文句言っても醜いだけだから静かに距離だけ取ろうとか思ってたんだよね。宇野常寛さんとかあのあたりに対しては。
2013-09-18 10:50:51しかし、いろいろぐるぐると考えた結果、そうやって距離取るのもそれはそれで無責任だし醜いことだなーという気がしてきたわけ。やっぱ、ぼくの本読んで感動しましたって批評の世界に入ってくれたひとはいるわけだから、彼らにはちゃんと答えないと。あたりまえのことだよね。
2013-09-18 10:52:31でもそんなあたりまえのことができないくらい、あの「若手批評」の人たちの仕事には嫌悪感があったんだよね。メディアに寄り添って有名になりたいだけ。社会を変える、とか言ってるだけ。なんだろ、このひとたち、これが批評ならもうどうでもいいやーとか思っちゃってた。
2013-09-18 10:54:11それで、批評家が批評家批判するほど空しいことはないので、もうそれなら「批評」の世界は宇野さんとかあそこらへんに任せて、ぼくとしてはさっさとフィールド変えてちゃんと世の中のためになる仕事したいと思って、福島第一観光地化計画とかやり始めた。
2013-09-18 10:57:18でもこんどはその結果、ぼくが10年間かけて育ててきた「批評好き読者さんのコミュニティ」がバラバラになっちゃったんだよね。それはゲンロンカフェの集客なんかにも如実に表れていて、むーけっこうまずいなーと思っていたところだったのです。コミュニティに罪はないからね。
2013-09-18 10:58:49だから、まあ、「老人の繰り言」とか若手編集者たちに悪口を言われるのを覚悟であのくだらない「若手批評」をきちんと斬り捨て、ちゃんとした批評の世界を再生する、というのがぼくの仕事なんだな、とうんざりしながら思いを新たにした、というのが昨日のツイートの主旨です。
2013-09-18 11:01:44ちなみに、ぼくがここで「批評」と言っているのは、小林秀雄に始まり、江藤淳や吉本隆明を通って柄谷行人に至る、いわゆる文芸批評のことね。日本では批評は、基本的にこの「文芸批評」をコアにして成立してきた(これは日本の特殊事情)。
2013-09-18 11:23:28多種多様な批評行為に一本軸を通していた「文芸批評」は文化史的にとても大事な存在なのだけど、その求心力が急速に衰えるのが70-80年代。90年代後半には社会学やサブカル批評にその位置を乗っ取られた。そしていまや批評がそういう「歴史的ジャンル」だということすら忘れ去られてる。
2013-09-18 11:26:08彼は批評家ではないのでは。RT @kazumone @hazuma 古市さんに対しては、どの様にお考えでしょうか?
2013-09-18 11:26:37この歴史を押さえないと、批評の凋落とか批評の再生とか言っても印象論にすぎなくて意味不明だと思うので書いておいた。ぼくが「批評家」と呼ぶのは、「評論家」とは違い、このような歴史性とジャンル性を押さえた存在です(これは別にぼくの勝手な命名ではなく、柄谷以来そういう区別になっている)。
2013-09-18 11:28:26歴史性の有無は大事で、たとえば濱野智史の「アーキテクチャの生態系」が、ネットサービス紹介みたいな形式を取っていながら「批評」に分類されるのは、彼がそれを押さえているから。現代社会について語ればなんでも批評家ってわけにはいかないわけです(厳密な意味では)。
2013-09-18 11:31:30優秀な方だと思います。RT @kazumone ゼロ年代社会学者としての古市さんの印象をお聞きしたかったのです。すいません。“@hazuma: 彼は批評家ではないのでは。RT @kazumone @hazuma 古市さん
2013-09-18 11:31:58批評が歴史的なジャンルであるとはどういうことかというと、要は一定の「議論の蓄積」「発展」があるということです。戦後だけとっても、坂口安吾がこうで江藤淳がこうで柄谷行人がこうで、そして最近は……みたいな「押さえとくべき基本」がある。それをすっとばす批評は「感想」でしかない。
2013-09-18 11:36:53これは別に教養主義がどうとかハイカルチャーがどうとかいうことではなく、批評家を名乗る以上、そりゃ押さえ解くべき「型」があるよねってことです。どのジャンルでも同じ。ただ、日本では「批評」は一子相伝的なところがあって、学問として体系化されていないので、その存在が外部から見えにくい。
2013-09-18 11:38:31そういう状況のもとで、サブカル批評、社会学、ネット論壇がうわっと押し寄せて、いまや「若者文化をかっこよく解説する便利な言葉が批評」みたいに勘違いされてしまっている。いやいや、そりゃありえないでしょうw、というのがぼくの批評観です。
2013-09-18 11:41:14