【実話怪談】話の構成がよく練れた怪談は、それが実話であったとしても怖く思えないのはなぜ?【創作怪談】
@shianmor 恐怖新聞やあなたの知らない世界はオイルショックの頃に流行り、バブルの頃には怪談は姿を消し、バブルが弾けた後に新耳、「超」怖い話、Jホラーブームがやってくる。リーマンショックまでは景気は良かったはずだけど、景況感が実感されなかったから怪談需要が続いた。
2010-10-05 14:03:29@shianmor そんで、グルメがもてはやされるのは怪談とは逆で好景気のときなんですよね。大きな買い物ではないが、小さな(日常の)買い物には贅沢=余裕がある、という。小銭の出費を増やす余裕があるときにグルメがブームになる。
2010-10-05 14:05:18@shianmor そうなってくると、他人の不幸で憂さを晴らす需要は減るので、怪談ブームは落ち着いてくるわけです。じゃあ、怪談はブームが去ったら完全に需要がなくなるのかというとそういうこともなくて、「誰かの不幸で自分は溜飲を下げたい」という意識は不変のものなんで、また巡ってくる。
2010-10-05 14:05:57@shianmor 人が人である限り、怪談の需要はなくならないんじゃないかな、と思うのはそういうときで、文章/語り巧者であるかどうかは実話怪談の評価と必ずしも直結しないと思うのは、以上のような理由によりますよー、ということです。
2010-10-05 14:07:23@azukiglg ありがとうございます。答えが出ちゃった感がありますけど、『怖がらせ屋』が集まって聞きたい話題はそのあたりなんですよね。これは極端な表現ですけれど、K-1のように「怖がらせ屋No.1を決める」企画は(続く)
2010-10-05 15:26:33@azukiglg (続き)話し手そのものには演出が「巧い」「甘い」と評価がつけられるますけど、怪談そのものはまるで「見世物小屋」に貶められた印象があるんです。もちろん、企画運営しているスタッフにそんな気は無いんでしょうけれど、最悪、怪談というものがそっちの方向に向かう(続く)
2010-10-05 15:29:40@shianmor 最終的には「怖がらせる能力が高い人が一人いれば、同じ人がいろいろ怖がらせてくれるに違いない」というコンテストになっていくのは、効率wの点から言っても避けがたいんじゃないでしょうか。なので、そういう傾向の評価が基準になるのは理解できるとこです。
2010-10-05 15:33:43@azukiglg (続き)危険性もあるんじゃないかなと。……どちらにしろ『怪談』は、それぞれのジャンルで話の構成には完成と未完成の魅力があり、K-1はそこに話し手の演出が加わった微妙なバランスのエンターテイメントなんですね。(続く)
2010-10-05 15:34:56@shianmor が、読者には「常に聞いたことのない話」が求められるわけで、それを大量を探せる人、または人が同じでなくていいから次々に見つけてくる場(機会)への希求は、一個人への才覚とは別の訴求として、在り続けるんでないかなあ、というのが超-1主宰としての一意見ですねー。
2010-10-05 15:35:15@shianmor 怪談をよりうまく語れるエンタテイナーの需要というのは、これも尽きない話だとは思うんです。読者の誰もが作者(元の語り部)以上の恐怖を想像できるとは限らないのと、そもそも思考しない読者/視聴者というのは一定数います。
2010-10-05 15:36:41@shianmor 特にテレビは受動的な媒体ですので、「次に何が起こるかを期待して見ている、しかし自分では想像はしない」というプロの情報受益者(評論家ではなくて純粋消費者)に対して、アクションを与え続けるプロフェッショナルを求めてる、ちぅのはあるんじゃないかな、と。
2010-10-05 15:37:45@azukiglg わたしはM-1を楽しんでいますけれど、笑うことは滅多に無いです。それは芸に「笑いの構図」を見てしまっているからで、芸(ネタ)を分析しちゃうと面白くなくなっちゃうよと述べる大御所の方もおられます。同じようにK-1に「恐怖の構図」を見てしまっているから(続く)
2010-10-05 15:37:59@shianmor 語り部No1を追い求める仕組みの催しに求められる、またはそこから得られる利益はそういうとこじゃないかなと思いますよ。
2010-10-05 15:38:20@shianmor 超-1などでも分析・批評を真剣にやればやるほど、恐怖譚として純粋に愉しむことは難しくなってるかもしれません。その状態にあって、単純に読み手として怪談を【愉しめて】いるような人の書く怪談は、いろいろ興味深くはありますね。
2010-10-05 15:39:51@azukiglg 素直に怖がれないのかも知れませんね。だって変なモノの見ても「なんでやねん!」って突っ込みを入れて、小一時間説教したくなりますもの(笑)。
2010-10-05 15:40:37@shianmor ただまー、怪談20年やってて思うことですけど、実話怪談はすぐにネタが尽きるし、意図して探そうと思って見つかるもんでもない、そういう意味では生業にするのにはリスクが大きすぎるカテゴリだと思うんですよねw しかも、同じことを何度も書くことは求められてない。
2010-10-05 15:41:25@shianmor それが「語り部」だったら、【あの話をいっちょ頼むよ!】と、何度もそれを語ることを期待され、定番の持ちネタとしてビジネスにもできるので、それで食べていく展望が開ける。そう考えると、実話怪談は食べるためにするものではなく、語りでなら食える、ということなのかなあ、と
2010-10-05 15:42:24@shianmor だからこそ、テレビでは「それでギャラを支払える、それで食える人」を選抜するコンテストが希求され、それだけで食おうなんてことは無理(小説家になったりすれば別)というところから、恐怖箱などでは「書き手が入れ替わってもOK」な仕組み作りが整備された、とそういう。
2010-10-05 15:43:36怪談は洞察力がある人じゃないと怪談が怪談であることに気付かない。うっかりさんは怪異を見逃す。でも、洞察力がある人は探求心もあり、探求心がある人は怪異に怯えないので怪談を楽しめない。なので、怪談発掘者と怪談受益者は、実は重複しないんじゃないの、という気がしてます。
2010-10-05 15:45:16洞察力ではなく、箸が転げても怪異に見えるという人は、それはそれで怪談をエンジョイできてそうですが、普通に暮らすのは大変そうです。神経過敏になっちゃって。で、怖い原因じゃなく「怖いと思えた状況」の説明ができなければ、当人が怖いだけで周囲はそれを共感できないわけです。
2010-10-05 15:46:57@azukiglg 「実話怪談は不完全なパズル」。それって『リング』の導入部分みたいですね。あそこで誰もが調べなければ都市伝説、実話怪談で終わっていた(ホラー作品と考えず現実の話だったとしたら)。そこを調べた者がいたから話の筋道が繋がって、創作怪談になりかけた。(続く)
2010-10-05 15:47:46状況説明ができても、それが共感を呼ぶとは限らない。そこらへん、「読者の共感を呼ぶけど、完全に著者が話と読者をハンドリングしているわけでもない」という絶妙なバランスが、実話怪談の秀作には見られます。
2010-10-05 15:47:52@shianmor 不完全なパズルと未完成のパズルは似て非なるものでw、やりかけで放置されているものを完成させられるのであれば、それは未完成のパズル。完成してしまえば絵と同じです。実話怪談は【不完全】で完成できないパズルなんじゃないかなー。
2010-10-05 15:49:35