放射能対策のアドバイザーとしての適性は?

関連まとめ 「低線量被ばくによる健康被害を予測するのは悪か?」 http://togetter.com/li/567408
57
添田孝史 @sayawudon

L1)福島市の放射能対策アドバイザー、東北大の石井慶造教授は低線量被ばくに「しきい値」が存在すると言う。根拠を尋ねたら、ただの計算間違いだった。本人はいまだにお認めにならないが、市のアドバイザーとして適任とは考えられない。 http://t.co/QTlxMb0Rxw

2013-09-20 13:45:37
添田孝史 @sayawudon

L2)石井教授は、「東日本大震災を分析する1」(東北大学災害科学国際研究所編、2013)で、こう述べている。「ICRPの仮説(しきい値なし)に基づいて計算すると、日本においては年間57万人のがん患者が自然放射線の被曝により発生することになる」P.237

2013-09-20 13:42:20
添田孝史 @sayawudon

L3)「一方、毎年67万人のがん患者が見つけられ、これらは主に喫煙、病原菌、飲酒、塩分摂取、肥満等が原因であるのに、主原因は自然放射線となり矛盾する。従って、低線量被曝においては100mSv年以下のどこかにしきい値が存在していることになる」

2013-09-20 13:46:05
添田孝史 @sayawudon

L4)自然放射線で年57万人って多いなあ、どういう計算なんだろうと思って尋ねたら、東北大広報を通して返答があった。以下、石井教授からの回答

2013-09-20 13:46:43
添田孝史 @sayawudon

L5)2シーベルトあびるとがんになる確率が10分の1となると仮定されているので、平均年2.1ミリシーベルトでは、これの1000分の1となりますので、毎年、がんになる確率は1万の1となります。被ばく線量は毎年、加算され、癌になるリスクもそれに

2013-09-20 13:47:05
添田孝史 @sayawudon

L6)伴って加算されていくとICRPは仮定しておりますので、従って、80歳の人は、80年×10000分の1の確率でがんになることになります。仮に、日本人の人口約1億3000万人の年齢分布が1歳から80歳まで同じ分布とすると

2013-09-20 13:47:20
添田孝史 @sayawudon

L7)各年代当たり162万人となるので、日本人全体で毎年がんになる予測人数は 162万人×1歳×1/10000+162万人×2歳×1/10000+-- -+162万人×80歳×1/10000=

2013-09-20 13:47:48
添田孝史 @sayawudon

L8)162万人×(1+2+-----+80)×1/10000= 162万人×3240×1/10000=52万人 となります。本書の57万人は、実際の日本人の人口の分布から求めたものです。 という返答だった

2013-09-20 13:48:16
添田孝史 @sayawudon

L9)これは、生涯のリスクの数値を、年あたりのリスクとして計算に使っている単純な間違い(別の専門家二人にも確かめた)。ということを、石井教授になんども伝えたが認めない。憶測だが、シロウトに指摘されたのがいやだったんだろう

2013-09-20 13:48:55
添田孝史 @sayawudon

L10)そもそも石井教授は、こんな簡単な計算で「閾値なし仮説」が否定できるなら、とっくに誰かがやってるだろう、とは想像しなかったんだろうか。

2013-09-20 13:49:43
添田孝史 @sayawudon

L11)福島市に、「LNTをただの計算間違いで否定しているような人を放射能対策アドバイザーにするのは問題があるのではないか」と聞いたら、「石井先生は、東北大学大学院工学研究科量子エネルギー工学専攻生活環境早期復旧技術研究センター長ですから、適任です」という答えだった。

2013-09-20 13:50:45
添田孝史 @sayawudon

L12)肩書きが長ければ立派と言うわけでもあるまい。論文を探してみると石井教授は放射線利用の方が専門で、リスクについて詳しいわけでもなさそうだ。

2013-09-20 13:50:55
添田孝史 @sayawudon

L13終)大学の先生がトンデモを信じておられるのは自由なのでかまわないが、福島市のアドバイザーとして行政にそれが反映されるのは、市民にとってたまったものではない

2013-09-20 13:51:28

--みーゆさんのコメント

Masato Ida, PhD @miakiza20100906

大量RTになってしまったけど、興味深かったので。  これについて、私も簡単に検証。まず、自然放射線による日本人の平均被ばく量を、石井教授が用いているのと同じ 2.1 mSv/年 と仮定する。これに、例えば 80 年(誕生から 80 歳まで)を掛けると累積 168 mSv 。

2013-09-20 18:08:43
Masato Ida, PhD @miakiza20100906

一方、現在の標準的なリスクモデルでは、被ばくによる癌死リスクは全年齢・両性平均で 100 mSv 当たり約 0.5~1% 。あえてこれの一番上をとると、100 mSv 当たり 1% 。

2013-09-20 18:09:08
Masato Ida, PhD @miakiza20100906

 ※ この数字が「年間リスク」ではなく「生涯リスク」であることは、例えばこれらの解説を参考: ◆ 甲斐 倫明 http://t.co/MgSth2Mwnt ◆ 小笹 晃太郎 http://t.co/CjEwEEDUYp

2013-09-20 18:09:39
Masato Ida, PhD @miakiza20100906

これより、168 mSv 当たりのリスクは約 1.7% 。  日本人は 20~30% が癌で死ぬと言われているが、これと比べると 1.7% という数字はだいぶ小さく、石井教授が言うような 癌の「主原因」 に思える程の大きさではない。

2013-09-20 18:10:33
Masato Ida, PhD @miakiza20100906

よって、石井教授の計算も、「どこかにしきい値が存在している…」という推測も、やはり妥当性を欠いたものと見てよいだろう。

2013-09-20 18:10:56

関連まとめ

まとめ 低線量被ばくによる健康被害を予測するのは悪か? 叩き目的のマトメではありませんので御注意ください。 私の結論は 「悪ではない」 です。 16028 pv 563 10 users 42

おまけ

Masato Ida, PhD @miakiza20100906

自然放射線の小児白血病リスクの予測 英国 http://t.co/b7GRP7m7zQ http://t.co/Al5FTFgjHQ ,仏国 http://t.co/uozunvTWij ,その疫学調査 http://t.co/W7JPwc3fL5  こちらが「研究レベル」の話。

2013-09-21 19:01:48