シンポジウム「日本の野生動物管理の転換点」の感想まとめ
静岡の事例では、狩猟の経験が豊富な上に、SSに最適な銃種の選定から、ライフル弾の弾頭・火薬の組み合わせまで検討することの出来る優秀なハンターがいたことが大きな成果につながったという報告がされていました。その点では狩猟や射撃の専門家の果たす役割はやはり大きいと言えます。
2013-10-01 12:28:29いずれにしても、科学的視点で動くチームの一員として、自制心を持って働くことの出来ない「単なる撃ち手」なら必要ない、という点では皆さんの意見は一致していました。猟友会のベテラン狩猟者の中に良く見られる、我が強くて人の指示に従わないような人は使えないという事ですね。
2013-10-01 12:29:52シカを餌付けして、猟友会から射撃がうまい狩猟者を連れてきて撃ってもらう、という安易なSSが流行りつつある事を危惧するという話を、総合司会の吉田先生がされていたのも印象的でした。安易なSSで万が一事故が起こったら、科学的捕獲という手法そのものが否定される恐れが確かにありますね。
2013-10-01 12:31:18ところで会場には、学生・院生と見られる若い方の姿が沢山見られましたが、彼らにとっては、せっかく大学で野生動物管理について学んでも、それを仕事にして食べていくのはやはり難しい、という現実を突きつけられた厳しいシンポだったかも知れません。
2013-10-01 12:32:18一方、東工大の梶先生が、森林管理と野生動物管理を内包したフォレスターの必要性について語られていましたが、私はむしろこの提言を「野生生物管理が出来る就職先が無い」という若者達へ向けた「森林管理官になってそんなフォレスターを目指してはどうか?」というアドバイスとして受け取りました。
2013-10-01 12:33:02シンポの後で主催者側の方々とお話する機会が有り、野生動物管理を志して勉強している若い方達の進路についても話題に上りました。その時伺った話を通じて私が感じたことをまとめてみます。
2013-10-01 12:38:07「野生動物管理を直接の仕事に出来る働き口は今はほとんど無いけれど、管理すべき動物が生息している森林や国立公園、被害を受けている農地等に関わる職場、それも出来るだけ公的機関に近いところで働いていれば、いずれ被害対策や捕獲事業をコーディネートする立場になれるかも知れない」
2013-10-01 12:38:32「むしろそれが出来るようなるまで、それぞれ組織の中で歯を食いしばって頑張れ!」と。その時お話しした大学の先生方は日頃から学生さん達にこう語りかけているのでしょうが、既に森林に関わる仕事をしている私にとっても大きな励みになるお話を沢山聞くことが出来ました。
2013-10-01 12:39:40それとある方が、野生動物管理をきちんと学んだ学生が教師として働くことの重要性について話されていたのが印象的でした。熊に関わるある団体の例を引き合いに出されていて、良くも悪くも学校の教師が生徒に与える影響は大きいため、間違った愛護思想が教育の場で広まらないようにすることは重要だと。
2013-10-01 12:41:04問題は小学校教育で、中高の教師とは違い、小学校の教師には教育学部を出ていないとなれないため、野生動物管理の専門知識を持った教師はほとんどいない上に、多くの学校関係者がすでに間違った考え方に染まっている現状が指摘されていました。
2013-10-01 12:42:24その点では、専門家による出前授業等を利用して、野生動物管理に関わる人間が小学校教育にも積極的に関与していくことが重要だという話も出てました。また、自分の子供が通っている学校に対してであれば、PTAとして関与するという手もありますね。
2013-10-01 12:44:23ちなみに私の子供が通っている小学校の学校菜園では、昨年トウモロコシがアライグマの食害で全滅したのがきっかけになり、今年は役場に勤める保護者がアライグマ用の箱罠が設置してくれました。こういう形で小学校教育と野生動物管理がリンクすることもある訳です。
2013-10-01 12:44:37野生動物管理を学んでいて、将来に不安を抱えている学生・院生の皆さんにはこういった話を是非伝えたいと思ってツイートしてみました。「野生動物管理を学んだ後、どうやって食べていくのか?」というテーマは、それ自体でシンポジウムが出来るくらいの重要な問題だと思います。
2013-10-01 12:47:02もしあのシンポ「日本の野生動物管理の転換点」に参加されていた学生・院生の方がいらっしゃいましたら、その方々はどのように感じたか感想を聞いてみたいものです。
2013-10-01 12:47:47@r_kikyoya そのような思い切った抜本策を講ずるような、半ばギャンブル的なことをできる度胸のある組織はありません。ですが、それをしなければ悪くなるだけだと思います。
2013-10-01 13:33:52@r_kikyoya 結局は、学者さんは考えるだけ。文字通り「机上のなんとやら」としか見えません。我々実働者のことを知るべきかと。つまり、現実をその目で見なければ、実情に合った施策は出来上がらないと思います。
2013-10-01 13:37:15@majinnosu 今回報告された事例は、いずれも行政や森林・国立公園の管理者が重要な役割を果たしていて、それが高効率な捕獲事業を可能にしたという事例でした。その点では行政サイドの意識を変えるためのシンポジウムであったと思いますし、その目的は十分達成された内容だと思いました。
2013-10-01 23:06:06@majinnosu 確かにそういう学者もいるでしょうが、今回私がお会いした研究者はそれぞれが腕の立つハンターやフィールドワーカーばかりでしたよ。猟友会の内部事情を十分に知った上で、その既得権益に真っ向から立ち向かうつもりで、どんな批判にも決して屈しないという覚悟を感じました。
2013-10-01 23:29:47@r_kikyoya そうでしたか。その結果を、道や各自治体がきちんと精査して建設的な方向に向かってもらえることを期待しつつ、いま自分にできることを 例え細細でも粛々と活動を続けて行こうと思います。いつか仲間ができると信じて。自分の信念が正しいと信じて。
2013-10-01 23:10:22@r_kikyoya 頼もしい方々もいらっしゃいますね。私も頑張らなければ。一人でやるから潰されるので、今は一人で自分を信じてやりつつ、道内で仲間を少しずつ増やしていこうかと思っています。心を共にする方、結構いると信じてます。
2013-10-01 23:31:50@r_kikyoya こんにちは、まとめありがとうございました(まとめていただけるならもっと真面目な話をすべきだったかも…)。桔梗屋さんの、事後の教育に関わるお話をとても興味深く拝読しました。次にこういう機会があればぜひご挨拶させていただければ嬉しいです。
2013-10-01 17:52:21@poplacia こちらこそありがとうございます。アサイさんが書かれたシンポの感想がすごく面白くて参考になりましたので保存しておきたかったというのが、まとめを作成したそもそもの動機でした。私もアサイさんとは是非一度お目にかかってお話ししたいです。その機会を楽しみにしています!
2013-10-01 22:49:26参加者による感想、概要、関連したお話などのまとめ。僕のつぶやきも使っていただきました。 / “シンポジウム「日本の野生動物管理の転換点」の感想まとめ - Togetter” http://t.co/hW1gMJYdnZ
2013-10-01 17:54:56シンポジウム「日本の野生動物管理の転換点」の感想まとめ http://t.co/7bWtOjaE6N∥やはり、まず行政が動かないといけないんだろうねえ。
2013-10-01 20:36:16