芦田宏直先生の新刊『努力する人間になってはいけない - 学校と仕事と社会の新人論』抜粋Tweetまとめ。

ツイ末が(新刊●●頁)で終わっているTweetを目視、かつ時系列で拾いました。 (内容の重複もあります) *追加があれば編集をお願いします。
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芦田宏直 @jai_an

学ぶ者の程度を考えることは教える者自身の堕落に他ならない。留保なく教えることができるときにこそ、〈教育〉と〈研究〉は重なることが可能になる。そもそも学ぶ者の程度を選ばないためにこそ専門性探求は存在するのではなかったのか。できない研究者ほど、学ぶ者(の程度)を選びたがる。(新刊17

2013-10-02 11:42:58
芦田宏直 @jai_an

その意味でも日本の受験制度における「たった一日」という短い時間は、「自由と平等」に関わっていると言えます。差別は、"長い時間"が関与しているのです。深刻な差別ほどそうです。(新刊309頁)

2013-10-02 10:29:56
芦田宏直 @jai_an

「話せばわかる」というのも一つの態度表明、意味表明…。担保も留保もなくそこで終わっているわけです。「話せばわかる」と言って殺された首相もいるくらいなのですから。つまり自分の言葉の意味を自分で決め終えることなどできないということ。(新刊364頁)

2013-10-02 09:26:24
芦田宏直 @jai_an

一方で「話体表出の方法」にこだわった吉本がいる。一方で秒刻みに根こそぎ「話体表出の方法」を解体するツイッター現象 ― 一つ一つの秒刻みの「つぶやき」にまでアドレスが存在するという情報化 ― が存在している。…この事情がどうなっているのかに関心を持たないわけにはいかない。(新刊22

2013-10-02 07:15:07
芦田宏直 @jai_an

学校の〈先生〉というのはやる気のない者をその気にさせるから〈先生〉。やる気のある者になら、誰でも教えることができます。だから、e―ラーニングもハイパーリンクもいくら活性化しても、〈学校〉と〈先生〉の存在しない〈教育〉(そして〈学習〉)なんてあり得ないわけです。(新刊317頁)

2013-10-02 05:25:44
芦田宏直 @jai_an

これまであなたたちが使いたくないと思っていたほとんどのコストは、すべてあなたたちのお父さんやお母さんが担っていました。それを〈親〉と言います。〈子供〉というのは欲しいものにしかお金を使わない人のことを言います。(新刊62頁)

2013-10-02 03:20:49
芦田宏直 @jai_an

「ハイパー・メリトクラシー」は、本田由紀が自ら「筆者の造語」(『多元化する「能力」と日本社会 ― ハイパー・メリトクラシー化のなかで』)とする言葉である。(新刊227頁)

2013-10-02 01:31:45
芦田宏直 @jai_an

〈表現〉=表出=文学というものは、不可能なものに賭ける営みなわけです。それを吉本は〈悲劇〉と呼んだ。この〈悲劇〉を読み解くことは、作者の〈内面〉に帰属するのではなくて、〈大衆の原像〉に帰属する…吉本は〈大衆の原像〉を作者や言葉の〈帰属性〉とも後々言い代えています。(新刊398頁)

2013-10-02 00:38:59
芦田宏直 @jai_an

…機能主義者の環境論、内部=外部論も、でっち上げられたものにすぎない。考えられたり、意識したりすると逃れていくもの、それが人間にとっての〈環境〉〈過去〉だからです。それがフレーム問題の根源です。(新刊295頁)

2013-10-01 23:25:26
芦田宏直 @jai_an

一ヵ月間くらいのテレビ番組を全部録画できるようになってきた。だけど、そのことと全部見ることとは関係ない。結局見ている番組はそんなに変わらない。なぜか。一日の時間自体(24時間)は長くならないからです。記録の時間の拡大は、知識・知見の拡大にはならない。(新刊342頁)

2013-10-01 22:27:47
芦田宏直 @jai_an

ソーシャルメディアに囲まれた今日では、タレントを含めた少数の著名人以外には体験しなかった他者評価が日常化しています。他者(からの評価)など意識しなかった人たちが、さかんに自分のささいな日常を暴露して(失業中であってさえも、夜中であっても)忙しくしている。(新刊389頁)

2013-10-01 21:42:22
芦田宏直 @jai_an

あらゆるスキルやコミュニケーションは、専門性の研鑽と薫陶の結果出てくるものでしかない。インプット(ストック)のないアウトプット(コミュニケーション)は存在しない。教育上のアウトプットは、インプットの強化のためにあるのであって、「スキル」を磨くためにあるのではない。(新刊247頁)

2013-10-01 19:25:19
芦田宏直 @jai_an

そもそも、最大の病は人間が死ぬということなのだから、健康に戻るのは"死ぬために"戻ることでしかない。病気も健康も死ぬことの様相でしかない。健康は、ときとして死を忘れさせる分、もっとも大きな病なのかもしれない。だから、病気もまた生きることの別の様相なのだ。(新刊182頁)

2013-10-01 17:44:38
芦田宏直 @jai_an

私にとって進路とは、進路を考えなくても済む専門性や自立性を身につけることでしかない。(新刊 http://t.co/kWwgBJJMq3 120頁)

2013-10-01 16:21:42
芦田宏直 @jai_an

〈私〉にとって、死は代理不可能なものであるにしても、その〈私〉には(私単独では)不可能な何かです。死がすべての者に訪れることが十分既知「である」のは、他者が際限なく死に続けているように〈私〉に見え続けているからにすぎない。(新刊348頁)

2013-10-01 15:21:41
芦田宏直 @jai_an

ツイッターの〈現在〉というのは、〈現在〉を細かく微分することによって過去と未来とをラディカルに忘却する装置になっている…ちょうど大容量HDDレコーダーが、〈現在〉の出来事を多チャンネル=多番組において微分し、全時間を支配したかのように錯覚させるのと同じことです。(新刊342頁)

2013-10-01 13:16:21
芦田宏直 @jai_an

国木田独歩が言ったように、どんな曲がった道でも後から見れば一本道でしかない。本来の"曲がった時間"とは、その「一本道」との断絶の中で曲がっているのです。機能主義的な述語化に抗うのが、この"曲がった時間"。"曲がった時間"を見出すことを〈批評Kritik〉と言う。(新刊376頁)

2013-10-01 12:55:13
芦田宏直 @jai_an

三つのPolicy についての言及はもちろん2005年の「将来像」答申でも存在するが、「標準性」という言葉はこの答申にはない。この言葉は2008年「学士課程教育構築…」答申に固有なもの。「標準性」が「多様性」「個性」「特色」教育の対立概念としての「質」とリンクしたわけだ。(新刊2

2013-10-01 11:02:42
芦田宏直 @jai_an

神戸震災も忘れ去られ、9・11も忘れられて、そして3・11に至っている。当時、そのそれぞれを「大事件」と叫んでいた人たちは、ふたたび今回の事件を「かつてない」大事件と呼んでいる。なんども「かつてない」大事件が頻発する。「大事件」など存在していないかのように。(新刊271頁)

2013-10-01 09:31:05
芦田宏直 @jai_an

みなが小躍りするようにツイッターで時間をつぶすもう一つの理由は、グーグルの検索主義に対する反動です。(新刊312頁)

2013-10-01 07:30:49
芦田宏直 @jai_an

機能主義=行動主義にとって〈ふるまい(behavior)〉がないことは非存在に等しい。無反応さえ、それは、一つの〈ふるまい(behavior)〉として意味づけられている。メールの〈無〉反応や〈非〉通知着信、あるいは「既読」「開封」表示の有無に過剰に反応するように。(新刊357頁)

2013-10-01 05:27:20
芦田宏直 @jai_an

学校の〈先生〉というのはやる気のない者をその気にさせるから〈先生〉。やる気のある者になら、誰でも教えることができます。だから、e―ラーニングもハイパーリンクもいくら活性化しても、〈学校〉と〈先生〉の存在しない〈教育〉(そして〈学習〉)なんてあり得ないわけです。(新刊317頁)

2013-10-01 03:43:36
芦田宏直 @jai_an

コジェーヴの「歴史」以後、つまり「フランス革命とナポレオン以降」の「人間」=「動物」論とは、要するに人間が機能主義的になるということでしかない。良質な機能主義はロマン主義よりは遥かに健全だからです。(新刊362頁)

2013-10-01 02:21:08
芦田宏直 @jai_an

いまとなっては、「若者」も「大人」も「濃密手帳」を書き続けていると言ってもよい。個性幻想とコミュニケーション幻想とが一体になっているメディアがツイッター現象だと言えます。なぜ、個性幻想とコミュニケーション幻想とは一体になって表れるのか。(新刊357頁)

2013-10-01 01:17:21
芦田宏直 @jai_an

…もっとも高級なジョブ型スペシャリストが大学教授と言ってもよい。"研究対象"には忠誠を尽くすが、組織への忠誠心はもっとも希薄な人種とも言える。ジョブ型は訓練すればするほど、組織人材ではなくなるという矛盾をはらむ接続になる。(新刊237頁)

2013-10-01 00:36:19
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