戦場のFrohe Weihnachten.(英×独)

季節外れで10月の投稿ですが、ずっと書きたかったアサルークリスマスネタです。
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ツイ引退しました @artlu819

英「なぁ、ルイス……俺は…今日お前といて、すっげー楽しかったんだからな。お前と趣味が合うとか可笑しすぎて、これは夢だと錯覚しちまうぐらいにな。」 独「…アーサー……。」 英「最後に一つ言い忘れてたな。この夢が覚める魔法をな。」 独「……なんだ、それは…」

2013-10-09 22:41:34
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英「…Merry Christmas.」アーサーは目の前のルイスを真っ直ぐに見据え、その唇にキスを落とす。 独「!……ん………っ」 こんな事をして、抵抗されて地面に叩き落とされるのかと思ったが、ルイスはただ黙ってそれを受け入れるだけだった。…やはり、これは性質の悪い夢なのだ。

2013-10-09 22:44:41
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アーサーは静かにその唇を離す。目の前の彼は、ただ茫然とした様子で固まっている。 英「…い、今のは調子に乗りすぎただけだ……悪かったな。」 アーサーはすぐに、とんでもない過ちをしたことに気づき、平謝りする。 独「…俺も、一つ言い忘れたことがある。」ルイスは表情を変えないままだ。

2013-10-09 22:49:27
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英「べ、別に苦情なら…言ってもいいぞ。」 独「…Frohe Weihnachten.」 英「ぎ、ぎ…?」 独「…その、俺の家での祝う言葉だ…」 ルイスは伏し目がちになりながら、片方だけ手袋を脱ぎ、中指と人差し指を自分の唇に当てている。 英「あ…おう、お前んちの言葉か……」

2013-10-09 22:54:32
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英(うおおーーっ、俺は本当に何てことをしちまったんだ…!)アーサーはこれは夢だと無理やり錯覚させながらも、大きな罪悪感を抱く。 英「こ、これはまだ夢の中だからな!忘れんじゃねーぞ、この夢から覚めたら俺達は再び敵同士なんだからな!」 英(頼む!これが夢なら早く覚めてくれ…!)

2013-10-09 23:00:17
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独「でも、今日はお前のお蔭でとても良い夢を見ることができた。…その、Danke…」 ルイスからは、思わぬ返事がくる。あのルイスに感謝されたのだ。あの時にどう願ったとしても叶わなかった事だったのに。 英「な、なぁ…ルイス。もし良かったら、またこの夢を二人で見てみないか?」

2013-10-09 23:04:50
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独「…本当にか?」 英「この戦なんて悪夢を早く終わらせて、もっと世界が平和になった時だ。…その時に、また一緒にエールでも呑みかう夢でも…見てみないか…べ、別にお前が嫌なら諦めても…」 独「…ああ、その時にでもまた夢で会おう。」 英「…でも、もうこの夢は覚めるから、お別れだな。」

2013-10-09 23:08:50
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英「…じゃあな、ルイス。明日からはまた"クラウツ"って呼ぶから覚悟しとけよ。」 独「…俺も、お前には容赦しないからな。」 そう言って、二人はお互いに反対側にある自分の陣地へ戻る。これで、休戦は…もう終わりだ。      英「See you,Louis.」

2013-10-09 23:12:31
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そして、時は流れ…再び同じ夢を見る時が二人に訪れた。 英「よっ、ルイス。約束の時間よりも随分早いじゃねぇか!」 独「ああ…楽しみにしていたら、早く着きすぎてしまった。」 英「そんなに急いでも、今日のサッカー中継はすぐには始まらないぞ。」 独「それまでに、食事をすればいい。」

2013-10-09 23:16:30
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英「そ、そうだな…俺もお前に会えるのを楽しみにしていたんだからな、先にパブに入っちまうか。俺達は既に常連だし、文句は言われねーだろうしな。」 独「今日の試合は俺のところが必ず勝つぞ!」 英「あ、言ったな!…賭けてもいいんだぞ?俺のところも負ける気しねーし!」 

2013-10-09 23:19:54
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ーカラン、カラン、カランー 「おー、お前らやっぱり早くに来たか!既にメニューは作っておいたぞ。」 英「Thanks,マスター、今日は気が利くな!」 独「あ、俺達の選手がリーグに入場していくぞ。」 英「おお、気合い入ってんな!」 行きつけのパブの店内で、笑い声が溢れかえる。

2013-10-09 23:23:56
ツイ引退しました @artlu819

英「あの時の願い、叶ったな。」 独「あの時…ああ、そうみたいだな。」 英「な、なぁ…ルイス。」 独「どうした?アーサー。」 英「今度のバレンタインデーに、お前に渡したいものがあるんだが…今度は受け取ってもらえるか?」 その言葉を聞いたルイスは赤面する。 独「季節が、早すぎるぞ…」

2013-10-09 23:26:52
ツイ引退しました @artlu819

英「そういや、今年もお前にプレゼントしたもんな、俺んちの薔薇の花束。でも、今度はもっと本数を増やしてやるんだからな、待ってろ!」 独「え…それって…」 英「なぁマスター。早速エール2つだ、持ってきてくれ。」 「オーケー!そんな新婚さんのためにすぐに用意するぞ!」

2013-10-09 23:29:53
ツイ引退しました @artlu819

あの時は手を伸ばしても、お互いに届かなかった二人が、今はこうして一緒にいる。今、こうして俺達は最高の夢を見ているのだ。            「さあ、持ってきたぞ!乾杯だ!」 英「ああ、…Cheers!」 独「…Prost!」 こんな夢なら、永遠に覚めないでいてくれよ。 End.

2013-10-09 23:34:47