ヒッグス粒子について説明するとはどういうことか?
「真空を満たしているヒッグス場の中を通る粒子は、水飴の中にいるかのように動きにくくなります、これがヒッグス場による質量生成機構です」みたいな説明は、聞く人の想像は掻き立てますが、物理学的には、ぶざまな説明でしょうね。
2013-10-15 17:16:53これでは慣性質量や重力質量に次ぐ、第3種の「粘性質量」みたいなものがあるかのようなイメージを与えます。「動いている粒子は、水飴の粘性のせいで、いつかは止まってしまう」ような運動観では、アリストテレス物理学に先祖がえりしてしまう。
2013-10-15 17:17:51なんでこんなぶざまな説明になってしまうのかというと、質量とは何か、質量があるとはどういうことか、もしも粒子に質量がなかったらどんな世界になっていたか、ということを順を追って説明せずに、
2013-10-15 17:18:58…ということを順を追って説明せずに、いきなり「ヒッグス場がすべての粒子に質量を与えた」と言い出すので、手っ取り早いアナロジーに飛びつくはめになるのです。
2013-10-15 17:19:40私は非専門家に "一言で" ヒッグス機構を説明することは無理だと思いますが、順を追って2時間くらい説明すれば、たいていの方には納得してもらえると思っています。ただ、聞く方にもそれなりの忍耐を持ってもらわないといけないですが。
2013-10-15 17:20:58いつか、「ちゃんとわかるヒッグス機構 (Nobel committee的にはBEH機構)」の解説を書きたいと思っています。
2013-10-15 17:21:15@tani6s 質量の「意味」について説明するには、カイラル対称性を説明する必要があって、そうするとラグランジアンについて、さらには作用積分について、となって、終わらない^^; と思うのですが。いかが致しましょう?どこまでも遡ってしまいませんか?
2013-10-15 22:11:33@y_mizuno カイラリティには触れたいところですが、ラグランジアンは質量の意味ではなく、質量の定式化の一つであり、それを言わなくても質量の意味は説明できると思います。ではどう説明するんだと言われると、一通り全部言わないといけないことになるので、私は気が進まないのです。
2013-10-15 22:38:42@y_mizuno どこまで遡れば気が済むか、という問題はつねにつきまとうでしょうね。あまり遡らずに割り切るのが、アナロジーでわかった気になってもらうという流儀なのでしょうね。
2013-10-15 22:39:12@tani6s ヒッグスに関する説明の、この絶望的な(というか何というか)距離感には頭がいたくて、私は今まで出来るだけ避けてきたのですが、いよいよノーベル賞まで授与されると、授業でも触れないわけにはいきません(文系・社会系の女子大でも)。「気が進まない」というのは理解できます。
2013-10-16 00:35:50場の量子論をアナロジーで説明しろと言われても、無理なんじゃないだろうか。朝永先生は、空間の各点各点に、無限個の調和振動子が貼り付いていると思え、みたいな説明をされていた。今年の夏前に大学4年分と大学院1年分の物理をぎっしりと教えたことがあるが、その時には遷移確率とS行列で逃げた。
2013-10-16 00:58:57まぁ場の量子論は、ファインマングラフとS行列で、実用的にはわかると思うが、ヒッグスはそういうわけにはいかない。ラグランジアンの変換性とか、ネーターの定理とかにも触れないと分からないし、教科書もそうなっている。しかも宇宙初期の対称性にも触れないと、全く何を言ったことにもならない。
2013-10-16 01:03:38@y_mizuno ヒッグス場にしろ色々「空間にヒッグス粒子が詰まっていてそれにぶつかるから質量が云々」ってアナロジーで説明してるけど全然正確じゃないんですよねー 「場」という概念がちゃんと分かってないと 日常の経験からのアナロジー的説明はほぼ不可能なんじゃないかと思います
2013-10-16 01:07:15@guresama はい私もヒッグス粒子とか質量とかの、あの説明は大嫌いなので、そういうことをはっきり言ってくれる人には共感します(笑)。
2013-10-16 01:15:13@y_mizuno 数学にしろフラクタル曲線の定義に「至る所連続で至る所微分不可能」なんてのも数学を勉強して無限小の概念かあると「ああ成る程」と思いますけどそうでない人に言っても訳分からないと思いますしね
2013-10-16 01:09:59そういう意味では、高校レベルの理科系科目さえ、ちゃんと教えないで、公式の暗記で乗り切ることを容認する今の教育は、、、。だから数学が役に立たないとしか思えない。@guresama 数学にしろフラクタル曲線の定義に「至る所連続で至る所微分不可能」なんてのも数学を勉強して無限小の概念
2013-10-16 01:22:30あ、これですね。次元を落として説明するというのもありですね。@guresama http://t.co/03NDITzG8V まぁ この辺が例えとしては一番良く出来てると思います
2013-10-16 01:44:08まとめ「水飴の功罪、あるいは難解な科学をどう伝えるか」。ヒッグス機構って何?それでどうして素粒子に質量が生まれるの?ということを専門外の人にどう伝えればよいかという問題についての討論です。http://t.co/OXTEscnhg6
2013-10-16 11:31:15「伝える」ということは本来、送信者と受信者の双方向的な行いだが、実際のコミュニケーションは一対一でなく一対多であり、受け手の予備知識や興味や理解の早さや時間的余裕は多様であり、メディアは一方的・一回きりな発信に終わることが多い。
2013-10-16 11:32:56そんな中で、ヒッグス機構みたいな高度な概念を人にどう伝えたらよいのか? 一部の発信者に説明を任せておいてよいのか? "いいかげんな説明" をどこまで許容するのか?といった問題だと思います。
2013-10-16 11:33:24義務教育の中学校の理科で動き出しにくいだけでなく止まりにくいのも質量の本質と習うわけですよ。水飴でのたとえはそれにもう反しまくってる(水飴だと動きにくいがすぐ止まりやすい)ので、聞いててこれは嘘の説.. http://t.co/x22Uiy2o4m
2013-10-16 12:30:44@tani6s 物理学者でなくても中3の理科をちゃんと覚えて居る人はみんな"動き方の変えにくさ(速度を変えにくいこと)"は水飴でどう説明されるんだ?と思ってるはず http://t.co/vA53cdZbhN
2013-10-16 12:33:37