装甲小話2本立て~キーロヴェツ1とIS-3・T-54"饅頭"砲塔から"お椀"砲塔へ

赤軍戦車の装甲につての小話 ・キーロヴェツ1とIS-3  +IS-3 1945年生産型の砲塔装甲  +「川カマス」は何故必要だった? 続きを読む
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

@tamaya8901 oh, ありがとうございます。20度程度の傾斜装甲でも、最初はちょっと滑って、そこから食い込んで屈折していくもんなんですね

2013-10-20 18:40:43
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

8.8cm PzGr39/43の図に30度の線を引いてみる遊び。この角度だと被帽下端から当たることになりそうで。このまま進むと被帽が下1/3くらい千切れるだけに終わって、弾全体を屈折させるに至らないんじゃ……?(全部妄想な) http://t.co/pbyfoov6HE

2013-10-20 18:56:02
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

IS-3は側面の防御力も実際凄まじいなあ。試験では距離400mからの88mm徹甲弾を側面上部に受け、見事弾いている。この部分は90mm厚ながら内側に60度傾斜してて見かけ厚は180mm。8.8cm PaK43なら抜けそうだけど、やはりきつい傾斜装甲と独軍徹甲弾の相性問題かしら

2013-10-20 18:16:40

T-54"饅頭"砲塔から"お椀"砲塔へ

えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

T-54の砲塔について。1946年型 http://t.co/ck38G1yi4G から1949年型 http://t.co/RRLDyPQwK5 への砲塔形状の変化は、ショットトラップをなくすためのものという説明が多いけども、ホントかしら? というお話

2013-10-25 22:24:47
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

たぶんわざわざ説明するまでもないけども、ショットトラップってのは、装甲に弾かれた砲弾が装甲の薄い部位(例えば車体上面)に向かってしまい、そこを貫通してしまうこと http://t.co/XbsDrWJlUX 砲塔下半分に内向きに傾斜した砲塔装甲を持つ戦車でよく問題とされる

2013-10-25 22:28:37
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

で、T-54の1946年型砲塔は、まあ確かにショットトラップを起こし得る形に思える。だけども、どうもそれ以外にも赤軍は何かを心配していたらしいのです

2013-10-25 22:29:44
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

時は遡って1944年、IS-3の試作車「キーロヴェツ1」の対弾試験が行われているんだけども、このとき試作車両は砲塔前面装甲を独軍の長砲身88mm砲に抜かれてしまっている。問題はその被弾箇所

2013-10-25 22:37:06
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

キーロヴェツ1の砲塔はこんな形で http://t.co/77Hb4SNJmt 実際生産型IS-3とよく似てるけども、試験では防盾右、ちょうど照準孔のすぐ脇の砲塔の"頬"の部分を88mm砲に撃ち抜かれてしまっている

2013-10-25 22:39:39
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

IS-3の砲塔前面の頬部や、1946年型T-54のような"饅頭"型の砲塔の場合、饅頭の上端・下端は確かに傾斜装甲になっているけども、中間部分は垂直装甲になってしまっている。まあ当然の話ではあるんだけど、そこが弱点になり得るわけです

2013-10-25 22:42:47
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

饅頭の中間部が防御上弱点になるケースがキーロヴェツ1でしか確認されていないのなら、まあ偶然かなあとも思えるところ。ですが実際にはオブジェクト701ことIS-4の試作車でも確認されています。こちらもやはり、対弾試験で防盾脇の右頬部中央を88mm砲に撃ち抜かれてしまっているのです

2013-10-25 22:47:52
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

IS-4試作車が対弾試験で88mm砲に撃ち抜かれてしまったのは、防盾脇の、まさに"頬"のような球面になった部分 http://t.co/XDOTBm7OAu 照準孔の少し後ろの部分にある膨らみです。ほぼ饅頭形状であり、故に中央部は傾斜装甲効果が期待できないのです

2013-10-25 22:52:34
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

実際、IS-4の対弾試験結果の報告書にも、球形状の装甲は中央部に被弾すると正撃となるため貫通されてしまった、というようなことが書かれています http://t.co/Vtdo0yvXhj だから生産型では、砲塔を少し鋭い形状に変えて正撃となりやすい曲面部を減らしているのです

2013-10-25 22:57:02
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

余談ですが、IS-4試作車は試験でもう一か所を88mm砲に抜かれてしまっています http://t.co/HHZ6GRyKTz 傍目にも弱点っぽい操縦手覘視孔です。ここだけ傾斜が緩いのと開口部が大きく強度に劣るために抜かれちゃいました。生産型でどうなったかは先の画像で確認を

2013-10-25 23:00:42
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

饅頭中央部が弱点となり得る、という教訓はIS-7にも繋がっているらしく http://t.co/3FtV7LypoZ 1945年に作られた木製模型では饅頭的構造が見られますが http://t.co/e61Am5VbNG 47年に再設計された型は饅頭からお椀になってます

2013-10-25 23:05:27
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

そういうわけで、T-54の砲塔形状1946年型から1949年型での砲塔形状の変化は、ショットトラップの発生をなくすとともに、「饅頭形状曲面の中央部に被弾すると正撃となるため傾斜装甲効果が発揮されず脆弱である」という弱点を除去する狙いもあったんではないかしら、というお話でした

2013-10-25 23:10:13