10周年のSPコンテンツ!

大内裕和さん講演「奨学金・ブラックバイト・全身就活」まとめ

大内裕和さん(中京大学・奨学金問題対策全国会議共同代表)による講演「奨学金・ブラックバイト・全身就活」@唯物論研究協会第36回研究大会(2013年10月19日)の要旨。
政治
13
satoru fujita @ocha1978
大内裕和さん(中京大学・奨学金問題対策全国会議共同代表)講演「奨学金・ブラックバイト・全身就活」(10月19日)まとめ。 ※メモを基にしたものであり発言そのままではありません。
satoru fujita @ocha1978
①奨学金利用者が急増している。1996年の21.2%から2010年の50.7%へ(大学学部・昼間部)。背景として第一に、親所得の減少がある。民間企業平均賃金はピーク時の1997年467万円から2011年には409万円に下落。
satoru fujita @ocha1978
②第二に、高卒求人の激減による大学進学率の上昇。高卒求人数は1992年の約167万人から2011年には約19万人へと激減。一方、4年制大学進学率は1985年の26.5%から2010年の50.9%へと上昇。
satoru fujita @ocha1978
③第三に、有利子の第二種奨学金制度の導入・拡大による、奨学金制度の金融事業化。1998年度には無利子奨学金39万人に対し有利子奨学金11万人であったが、2012年度には無利子38万人に対し有利子96万人。
satoru fujita @ocha1978
④1999年以降、有利子枠のみ約10倍に拡大。一方、無利子貸与の希望者は毎年約2万人ずつ増加しているが、採用枠は拡大していないため、約8割が不採用。成績、所得ともに基準を満たしていても採用されない。
satoru fujita @ocha1978
⑤無利子枠が狭すぎるため、やむをえず有利子の奨学金を借りる学生が増加している。自らの意思で、納得した上で有利子奨学金を借りているわけではない。有利子を借りざるを得ない状況に追い込まれている。
satoru fujita @ocha1978
⑥日本学生支援機構の奨学金滞納者は約33万人。「ブラックリスト」に登録された滞納者は1万人超。裁判所を通じた「支払督促」申立件数は2004年にはわずか200件だったが、2011年には1万件と、7年間で50倍に。
satoru fujita @ocha1978
⑦卒業生の家計支出項目の上位に奨学金返還がくる。結婚相手も奨学金を借りていた場合―大学生の過半数が借りているため珍しいことではない―、家賃に次ぐ支出になる。延滞だけが問題ではない。返すことにより生活や将来設計に支障をきたすことになる。
satoru fujita @ocha1978
⑧ブラックバイト(低賃金であるにも関わらず、正規雇用労働者並みの義務やノルマ、重労働を課されるアルバイト)により、学業や課外活動に支障をきたす学生が増加している。なぜ学生は辞められないのか。
satoru fujita @ocha1978
⑨辞められない理由として、第一に、経済的困窮がある(親の所得減少)。アルバイト収入が、遊ぶ金→通学費・教科書代・携帯代→就活交通費→学費→生活費へと移行してきている。
satoru fujita @ocha1978
⑩第二に、アルバイトに就くことが困難化してきている。フリーターの増加による競合の激化。バイトが決まるまで数十社落ちた学生もいる。そのため「もしクビになったら次はない」と思い、今の職場にしがみつくことになる。
satoru fujita @ocha1978
⑪第三に、辞めさせない職場の圧力がある。多くの職場で非正規雇用が基幹化され、従来は正規が担っていた職務や役職を任されるようになっているため、代替が困難になっている。
satoru fujita @ocha1978
⑫就活の開始は3年からではなく、実際には入学時から。入学式当日に就職説明化を行う大学も。学生は就活から逆算して学生生活を構成することになる(留学、バイト、サークル、ゼミ)。長期かつ過酷な「全身就活」。
satoru fujita @ocha1978
⑬2012年に「愛知県 学費と奨学金を考える会」をスタートさせた。しかし、授業時間外に学生が集まることが難しい。また顔出し・名前出しNGの学生多数。加えて活動に対する親の警戒と介入がある。社会運動のような、就活に不利になることに対する恐怖が蔓延している。
satoru fujita @ocha1978
⑭学費・奨学金・バイト・就活いずれの問題においても「世代間断層」が深刻。年長世代に理解されにくい。また学生生活の過剰な市場化と多忙化が、学生の政治的無関心につながっている。
satoru fujita @ocha1978
⑮奨学金の利子・延滞金の廃止、給付型の導入など、学生の経済的条件の改善が第一。それにより「ブラックバイト」からの離脱が可能になる。また親への経済的依存からの脱却が、学生生活や進路選択における「思想及び良心の自由」「教育を受ける権利」の獲得につながる。
satoru fujita @ocha1978
⑯学生が学ぶことが難しい、授業中に睡眠を取らざるを得ない状況が多くの大学に広がる中で、大学改革やカリキュラム改革などというのはズレた議論。国が責任を持って学生の経済状況・労働実態を調査し、手を打つことが必要。大学改革はそこから始めなければいけない。
satoru fujita @ocha1978
⑰学費は各大学、各学部によって大きく異なる。しかし奨学金は全国一律の制度。したがって、学費問題より奨学金問題の方が全国的な広がりや連帯をつくりやすい。戦略的に奨学金問題に焦点を据えて活動している。
satoru fujita @ocha1978
⑱新自由主義が社会に貫徹する中で、どこから抵抗していくか。生活保護にまでバッシングが行われる中、非常に難しい。しかし、さすがに子どもの貧困を自己責任とする言説はない。したがって子どもの貧困、すなわち教育を抵抗の拠点として始めていくのが良いと思う。(了)
satoru fujita @ocha1978
長くなりましたが以上です。大内先生が「戦略的、実践的な有効性」をしきりに強調されていた点が印象的でした。

コメント

コメントがまだありません。感想を最初に伝えてみませんか?

ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする