講演「記憶の伝承と図書館 私感」(大滝則忠 国立国会図書館長)実況まとめ:2013年11月3日
A:過去と現代の発禁図書の概念はまったく違う。NDLの資料は全て公開するという大前提で業務を行っているが、出版社・発行者から著作権により提供の停止が求められた場合は、対応ではどうであれ、そのような手続きがあったという事を記録していく。 #記憶の伝承と図書館私感
2013-11-03 16:48:13閉会
昨日は久しぶりの母校(つくば市というよりは、新治郡桜村と言った方がしっくりくる)で公開講演会に参加。大滝NDL館長のご講演も興味深かったけど、院生さんからの質問の真摯さが良かった。後輩さんたちの幅の広がりに励まされるな。
2013-11-04 13:22:05多方面で活躍している後輩たちにも励まされるが、「やっぱり、かなわないなぁ~」と思わされる先輩方にも会えることもありがたいなぁと。
2013-11-04 13:23:58
(参考)
大滝則忠・第15代国立国会図書館長
※講師の大滝則忠(おおたき・のりただ)氏は2012年(平成24年)4月、第14代館長・長尾真 氏の跡を継いで図書館員出身者として初の国立国会図書館館長となった。
→▼大滝則忠 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/大滝則忠
※今回の講演会案内PDFに次の略歴が掲載されている。
▽「<略歴> 1944年生まれ、山形県川西町出身。1968年 東京教育大学文学部(法律政治学専攻)卒業、国立国会図書館職員となる。関西館準備室、参考書誌、収集、総務の管理職を経て、2004年12月 副館長で退職。2006年4月〜2012年3月 東京農業大学教授、2011年6月〜2012年3月 日本図書館協会理事。2012年4月 図書館職員出身として初の第15代国立国会図書館長に就任。
戦前期発禁本の探求をライフワークとする。主な著作として、「図書館と読む自由―近代日本の出版警察体制との関連を中心に」(『知る自由の保障と図書館』、京都大学図書館情報学研究会、2006年12月刊、pp165-242)など。茗渓会々員。」
(出典 ▼PDF:「講演会の概要・略歴」 http://www.tachibana-kai.com/dai_koenkai2013.pdf )
※web上で読める大滝氏のインタビューや講義録として、たとえば以下のものがある。
→▼E1289 - 大滝則忠国立国会図書館新館長インタビュー〔2012.04.26〕|カレントアウェアネス・ポータル http://current.ndl.go.jp/e1289
→▼川西町出身の国立国会図書館館長・大滝則忠さん〔2012年9月〕|米沢興譲館同窓会 http://www.yonezawakojokan.jp/event/news/20120917.html
→▼戦前期の発禁本のゆくえ(平成23年2月18日 神田雑学大学定例講座No.544)|生涯学習 神田雑学大学 http://www.kanda-zatsugaku.com/110218/0218.html
→▼大滝則忠 『図書館と読む自由』〔2007-05-10〕|れきしどころ真理庵 http://blog.goo.ne.jp/maria-sophia/e/d097ac9e5ca362ae4bc0d05c7626a974
※web上で読める大滝氏の論文として以下のものがある。
→▼戦前期出版警察法制下の図書館 :その閲覧禁止本についての歴史的素描〔大滝則忠, 1971〕|国立国会図書館デジタル化資料 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3050851
→▼帝国図書館文書にみる戦前期出版警察法制の一側面〔大滝則忠、土屋恵司, 1976〕|国立国会図書館デジタル化資料 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3050998
→▼初期アメリカ図書館員の検閲観〔I〕〔大滝則忠, 1979〕|国立国会図書館デジタル化資料 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3051057
→▼初期アメリカ図書館員の検閲観〔II〕〔大滝則忠, 1982〕|国立国会図書館デジタル化資料 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3051150
「児童ポルノ」と国会図書館
※質疑応答で取り上げられている、国立国会図書館と「児童買春・児童ポルノ禁止法」の相克(蔵書の閲覧禁止措置、図書館による「検閲」)の問題について、たとえば以下のような記事がある。
→▼「児童ポルノ」閲覧制限/国会図書館、摘発対象指摘受け〔2005.07.17 朝日新聞〕|人民網日文版 http://j.people.com.cn/2005/07/17/jp20050717_51838.html
→▼児童ポルノ検閲官としての図書館員〔2005年7月18日〕|葦岸堂之日々是日々 http://igandou.txt-nifty.com/igandou/2005/07/post_6898.html
→▼国会図書館「児童ポルノ」閲覧制限(朝日2005/7/17)〔2005年7月19日〕|Library & Copyright http://gomame.cocolog-nifty.com/library_copyright/2005/07/2005717_d21f.html
→▼国立国会図書館の「児童ポルノ」閲覧制限措置〔2005.07.18〕|日々記―へっぽこライブラリアンの日常― http://hibiki.cocolog-nifty.com/blogger/2005/07/post_b8b5.html
→▼「児童ポルノ」閲覧制限 国会図書館、摘発対象指摘受け〔2005-08-07〕|弁護士 落合洋司(東京弁護士会)の「日々是好日」 http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050807/1123342142
※上掲記事はコメント欄も参照すること。(なお、コメント欄に「図書館さん、児童ポルノ陳列罪とか製造罪とか販売罪とか陳列・販売目的所持とか、全部、既遂なんですが、いまさらどうするんでしょう?」とあるのは、法的な指摘として重要。)
→▼国会図書館の児童ポルノ製造販売に言及した裁判例〔2005年11月13日〕|言いたい放題 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20051113/1131810227
※直近2013年の記事として次のものも参照。
→▼「人権侵害だから、本のタイトルも教えない」閲覧禁止の児童ポルノ開示請求に対し、国会図書館から返答〔2013.08.04〕|日刊サイゾー http://www.cyzo.com/2013/08/post_14093.html
→▼判断基準は「児ポ法の条文と判決」──国会図書館が「児童ポルノ」閲覧制限措置に関する文書を開示〔2013.08.19〕|日刊サイゾー http://www.cyzo.com/2013/08/post_14252.html
→▼「11歳衝撃のヌード」だって? 大宅壮一文庫で「児童ポルノ」を漁ってみるの巻〔2013.11.07〕|日刊サイゾー http://www.cyzo.com/2013/11/post_15045.html
※なお、「児童買春・児童ポルノ禁止法」については、園田寿 氏(刑法学/甲南大学法科大学院教授)による次の解説番組動画が要を得ている(聞き手:萱野稔人)。
→▼〔動画:〕テレビでは放送できない「児童ポルノ禁止法改正案」 - 2013/06/24 - ニコニコ生放送 http://live.nicovideo.jp/watch/lv142206305
→▼「テレビでは放送できない『児童ポルノ禁止法改正案』」(園田寿、萱野稔人):2013年6月24日 - Togetter http://togetter.com/li/523791
参考:戦前日本の出版検閲
※千代田区立図書館の「内務省委託本」を中心とする「検閲」をテーマにした展示の関連企画としておこなわれたシリーズ講演の記録に以下のものがある。いずれも充実しており、必読。
→▼“いつ・だれがどのように検閲したのか”(講師:安野一之/定例講座No.541)〔2011年1月28日〕|生涯学習 神田雑学大学 http://www.kanda-zatsugaku.com/110128/0128.html
→▼戦前期の発禁本のゆくえ(講師:大滝則忠/定例講座No.544)〔2011年2月18日〕|生涯学習 神田雑学大学 http://www.kanda-zatsugaku.com/110218/0218.html
→▼戦前期の出版検閲と法制度(講師:浅岡邦雄/定例講座No.557)〔2011年7月2日〕|生涯学習 神田雑学大学 http://www.kanda-zatsugaku.com/110702/0702.html
→▼過去の企画展示と講演会|千代田区立図書館 http://www.library.chiyoda.tokyo.jp/findbook/naimusho/kikakutenji/
▽企画展示「浮かび上がる検閲の実態」(会期:2011年1月24日〜3月26日)
▽ミニ展示「発禁本の境界」(会期:2011年1月24日〜3月26日)
▽ミニ展示「出版検閲へのアプローチ」(会期:2011年6月27日〜8月27日)
※このほか大日本帝国の検閲体制について、web上で読める多くの記事がある。手軽なものをいくつか挙げておく。
→▼戦前期における出版法規と納本制度(図書編)〔2012-07-24〕|みちくさのみち http://d.hatena.ne.jp/negadaikon/20120724/1343150837
→▼視点・論点「発禁本と“言論の自由”」(明治大学教授 山泉 進)〔2012年07月09日〕|視点・論点|解説委員室|NHK http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/125892.html
→▼日本における検閲 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/日本における検閲
→▼奥付研究、というか検閲研究か?〔2007/8/27〕|古本おもしろがりずむ:一名・書物蔵 http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20070827/p2
→▼奥付研究(つづき):検閲本と流布本の日付がズレること〔2007/8/25〕|古本おもしろがりずむ:一名・書物蔵 http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20070825/p2
→▼正本の末路〔2008/1/23〕|古本おもしろがりずむ:一名・書物蔵 http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20080123/p1
→▼『書斎管見』は「差し支えなし」〔2006/2/3〕|古本おもしろがりずむ:一名・書物蔵 http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20060203/p2
→▼戦前期内務省における出版検閲-昭和初期を中心に-〔2008年2月26日〕|Harayuan's Blog http://blog.livedoor.jp/harayuan/archives/51207783.html
→▼雑感:戦前期内務省における出版検閲〔2008年2月27日〕|Harayuan's Blog http://blog.livedoor.jp/harayuan/archives/51207785.html
(書籍)
→▼水沢不二夫『検閲と発禁 :近代日本の言論統制』|森話社 http://www.shinwasha.com/104-0.html
関連文献
→▼旧帝国図書館の和雑誌収集をめぐって :「雑誌」メディアと納本制度〔田中久徳, 1989〕|国立国会図書館デジタル化資料 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3051285
国立国会図書館
→▼国立国会図書館 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/国立国会図書館
筑波大学
図書館情報大学(2002年、筑波大学に統合)
→▼図書館情報大学 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/図書館情報大学