何が「違法」な働き方なのか、弁護士の方からお話を伺って、みえてきたこと

ブラック企業対策プロジェクトのメンバーである私が、同プロジェクトのメンバーであり、またブラック企業被害対策弁護団のメンバーでもある弁護士の方から学んだこと ブラック企業被害対策弁護団[著]『働く人のためのブラック企業被害対策Q&A』の感想を追加 (参考) 続きを読む
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上西充子 @mu0283

11/23のブラック企業対策プロジェクト発足シンポジウム(詳細→http://t.co/U2iKYixf9m)では、そういう思いを十分にお伝えする時間はないと思うので、ここに記してみました。

2013-11-15 17:28:29

追記

上西充子 @mu0283

何が「違法」な働き方なのか、弁護士の方からお話を伺って、みえてきたこと http://t.co/DXUn5veI6m このまとめが、思いがけず1300viewを超えている。

2013-11-18 08:11:38
上西充子 @mu0283

もともと、弁護士の方とのやり取りを通じて得たものを、文章化して多少なりともお返ししたいという思いでまとめたものだ。 なので、何が「違法」なのか、弁護士の方が明快に語ったことがここに書かれてあるのかという期待でページを開いてみた方には肩すかしを食らう気持ちになったかもしれない。

2013-11-18 08:18:11
上西充子 @mu0283

でも、その肩すかしを食らった感じも、ある意味で、「抱えて」いただければと思っている。

2013-11-18 08:21:27
上西充子 @mu0283

私は最初、その弁護士の方(お名前を出しても構わないだろう。今度12/7のシンポジウムでご一緒させていただく嶋﨑量弁護士だ)から「それは違法なんです」というお話を伺ったとき、「いや、一般人には、そういう意味で違法と言われても、通じないですから」と思った。

2013-11-18 08:24:23
上西充子 @mu0283

でも、一般人には通じないからそちらが歩み寄れ、というのではなく、一般人にはにわかには通じない、ということを弁護士の方に分かっていただいた上で、なおかつ、我々の側も、そのようなとらえ方になじんでいく必要があるのだろうと思ってきている。

2013-11-18 08:25:55
上西充子 @mu0283

なぜなら、「法」とか、「法が求める状態」と私が表現したものは、誰かが作って守ってくれるものではなく、私たちが作り上げ、守り、実現させ、場合によったら作り変えていかなければならないものだから。

2013-11-18 08:27:53
上西充子 @mu0283

学生に劣悪な働き方の話をすると、法律がなんとかしてくれないのか、労働基準監督官か誰かがもっと何とかしてくれないのか、というコメントが最初は多く返ってくる。それでも問題意識を持ってもらえただけプラスだが、そのままでは他人まかせ。

2013-11-18 08:30:12
上西充子 @mu0283

でも、アルバイトとしてきちんとした処遇を受けている人もいること、自分はきちんとした処遇を受けていないが黙っていること、などを自分の問題として受け止めて考えていくと、自分自身がなんとかしなくてもいいんだろうか、という思いが出てくる。

2013-11-18 08:33:46
上西充子 @mu0283

その「なんとか」は、具体的な形をとることは難しいかもしれない。けれど、そういう認識の転換は、してほしいと願っている。

2013-11-18 08:35:44
上西充子 @mu0283

彼らは、自分の状態は今のままでいいと考えていたとしても、今度は人を使う立場になっていくのだから。

2013-11-18 08:36:34
上西充子 @mu0283

「うちはこうなっているんだから」と言われて理不尽だと思いながら黙っていた学生が、今度は社会人になってアルバイト・パートを使う立場になったときに、「うちはこうなっているんだから」と言う立場になるのか。それとも、その会社の労務管理の在り方を変えていく主体となるのか。

2013-11-18 08:39:03
上西充子 @mu0283

それも簡単な答えはない。けれど、そういう問いを、受けとめてほしいと思っている。

2013-11-18 08:39:50
上西充子 @mu0283

想田和弘『日本人は民主主義を捨てたがっているのか?』(岩波ブックレット、2013年11月)に、こんな一節がある。

2013-11-18 08:41:23

↓誤字訂正:(誤)欠いた人→(正)書いた人

上西充子 @mu0283

想田【改めて日本国憲法を読み直してみると、70年近く前に憲法を欠いた人も、「民主主義にとって大事なのは日常の小さな戦いの積み重ねなのだ」と考えていたであろうことが、窺われます。憲法第12条には、次のように記されているからです。】

2013-11-18 08:42:44
上西充子 @mu0283

想田【第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。(以下略)】

2013-11-18 08:44:37
上西充子 @mu0283

想田【僕は学生の頃にこの条文を読んだときは、別に何も感じませんでした。しかし、自民党議員による撮影拒否の問題で迷っている際に、何とはなしにこの一節を目にした際には、背筋に鳥肌が立つほど感動してしまいました。】

2013-11-18 08:45:41
上西充子 @mu0283

想田【「ああ、”不断の努力”とは、このような局面で屈せずに筋を通すことを指しているのだな」 そう、僕は思ったのです。】

2013-11-18 08:46:20
上西充子 @mu0283

これを読んで私は、笹山尚人『人が壊れてゆく職場 ~自分を守るために何が必要か~』(光文社新書、2008年)の次の一節を連想した。

2013-11-18 08:51:46
上西充子 @mu0283

笹山【 法が、このように労働組合の活動を手厚く保障するのはなぜか。  労働基準法第1条第2項は次のように定めている。「この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、その向上を図るように努めなければならない」。】

2013-11-18 08:52:51
上西充子 @mu0283

笹山【労基法は、法は労働条件の最低限を定めたにすぎないから、あとは「労働関係の当事者」、つまり労働者側でいえば、労働者とその団結体である労働組合に頑張ってくれよ、というエールをその第1条で送っているわけである。】

2013-11-18 08:53:15
上西充子 @mu0283

日本国憲法と労働基準法のこれらの条文は考え方がとても似通っている。同時代に作られたものだから、考えてみれば当たり前だ。

2013-11-18 08:54:40
上西充子 @mu0283

けれど、ここで語られているような考え方を、私たちが受け継いできているかというと、そうではない。そして、「そうではない」ままで構わないかというと、全然そんなわけにはいかないのが現状。

2013-11-18 08:56:41