大罪戦闘企画

第九公演《ティータイム》
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エメロード @actKrwz

「いくらでも!!」 すてき! とってもすてき! 興奮気味に付け足された言葉と、上気した頬。勧められるがままに、豪奢な椅子に腰掛けて、テーブルの上に山と積まれたクッキーを見て、また吐息がひとつ。 「すごい! すごいわ! 『ごーまん』ってみぃんな、魔法使いみたいね!」

2013-11-22 01:24:01
エメロード @actKrwz

きらきらと輝く瞳は、無邪気な子供そのものである。 「あ、でも、」 鞄を開き、お気に入りのティーセットを取り出す。 「ティーセットは、これを使ってもいいかしら?」 こてり、と首を傾げる。蔦がぐるりと縁を覆うような柄の入った、シンプルなそれは、少女が持つには質素すぎるイメージを持つ。

2013-11-22 01:25:40
エメロード @actKrwz

「ツェーリのティーカップもとってもすてきだから、それも使ってみたいけど、」 こてりと首を傾げたまま。 「最初はこれを使いたいの」 いいかしら? と、問い掛けは無垢に。さり気なく、クッキーの山に手を伸ばしながら、少女は言った。

2013-11-22 01:26:40
【魔王】 @Tokimine_Seo

「ええ、構わなくてよ?――良いものね」 自前のティーセットを取り出したメロには、こだわりなく頷いてやる。さりげなくティーセットを褒めながら、『暴食』相手にクッキーはこれで足りるだろうかと微かに首を傾げた。

2013-11-22 01:47:34
【魔王】 @Tokimine_Seo

生クリームと苺のコントラストが鮮やかなホールケーキも追加して、1ピースを受け皿に取る。ひとかけをフォークで取りそっと口に運んで、少女の碧を見た。 「食べたいものがあれば、気にせず言いつけてくれてよろしくてよ?」 自分の紅茶に角砂糖をひとつ落として、こくり、一口。

2013-11-22 01:47:38
エメロード @actKrwz

「ありがとう! お気に入りなの、とっても、とっても!」 碧は嬉しげに細まる。紅茶を注いで、一口。こくりと飲み下し、ふうと息を吐く。自分の口を介すのも、いいものだ。 そのまま、クッキーはぱくぱくと口の中へ放り込み、次々に胃袋へと飲みこまれていく。――どこに吸い込まれていくのやら。

2013-11-22 02:09:54
エメロード @actKrwz

「たべたいもの? ううん、そうね、前聞いたの。フルーツがたぁっぷり乗ったタルト! あたし、それがまるっとたべたくてねっ!」 きらきらと光る目は、無邪気な子供のそれと変わらない。 「ツェーリ、紅茶とってもおいしいわ! クッキーも! 『ごーまん』ってほんと、すごいのね!」

2013-11-22 02:11:17
エメロード @actKrwz

言葉は弾む。楽しげに。口の中、次に広がるは食べ馴染んだ城壁の味。ソースがかかっていない所為だろうか、いつもと味は違って感じるが、うん、これはこれでおいしい。

2013-11-22 02:12:05
【魔王】 @Tokimine_Seo

「では、それもね」 今の季節――「裏」の住人たる自分に季節などないけれど、あえて「表」の季節を鑑みて、マスカットと梨の大ぶりなタルトが乗せられる。次いで、苺とベリーのタルト。ついでに金箔をほんの少しだけ振ったショコラタルトも追加して、微笑を浮かべる。

2013-11-22 02:27:55
【魔王】 @Tokimine_Seo

「ありがとう。わたくしは当然のことをしているだけなのだけれど」 褒められて、悪い気はしない。もう一口、紅茶を飲み、ケーキを食べる。 クッキーの山は暴食の前にあっけなく崩壊していくが、大皿にクッキーを追加し、さらに別の籠にフィナンシェやマドレーヌも山にしておいた。

2013-11-22 02:28:06
【魔王】 @Tokimine_Seo

「タルトを所望した方は、貴女と仲が良いのかしら」 食べたいもの、から聞いたを連想したということは、誰かと食べたいと言われたのだろうかと推測して。雑談の話題としては危なげのない所を選んだつもりだけれど、誰にでも地雷というものはある。紅茶とケーキに舌鼓を打ちながら、そっと様子を伺う。

2013-11-22 02:28:47
エメロード @actKrwz

「きゃあ! おいしそう、とってもおいしそうだわ!」 口の端を置かれていたナプキンで軽く拭って、その手にフォークとナイフを持つ。気分は戦争前の兵士だ。気分だけは。食べ方は丁寧なのだが、如何せん口に放り込むスピードが速くて、行儀も形無し状態であるのだけれども。

2013-11-22 02:36:18
エメロード @actKrwz

ぱちくり、とまばたきをして、破顔する。 「ええ! あの子は『たいだ』だったかしら! だいすきなんですって、フルーツがたぁっくさん乗ったタルト!」 自分も甘いものは好きだ。食べれるものなら、なんでも好きだけど。 「なかよし、ってきかれると、わからないけれど」 こてりと首を傾げつつ。

2013-11-22 02:38:35
エメロード @actKrwz

「だって、いつもねてるんですもの。でもね、あたしが外からかえってくると、いつもねむたそうに、それでもおでむかえしてくれるのよ!」 にこにこと、ただ嬉しそうに笑いながら言う。 「だから、きっとなかよしだわ! それにね、あの子もとっても『おいしそう』だもの!」 無邪気に、笑って。

2013-11-22 02:39:45
【魔王】 @Tokimine_Seo

恐ろしいスピードで用意したお菓子がなくなっていく。なくなれば新たなものをすぐに追加して、自分は自分のペースで、紅茶とケーキをゆったりと楽しんでいる。 「ああ、『怠惰』。フルーツのタルトが好きだなんて、可愛らしい怠惰なのでしょうね」

2013-11-22 02:49:21
【魔王】 @Tokimine_Seo

こちらにいる仏頂面で几帳面な怠惰とは大違いだと、微かに笑って。 「帰る場所で待っていて、迎えてくれる人は、仲が良いと言っていいと思うわ」 紅茶をもう一杯、注ぐ。いつの間にか、ポットの中身はレモンティーに。 「同じ食卓について、一緒に何かを食べる人も」

2013-11-22 02:49:26
エメロード @actKrwz

「かわいいわ! 真っ赤なおめめがうさぎさんみたいでね、『おいしそう』なの。銀の、毛先だけが紫な髪の毛も、ぜぇんぶまるっと『おいしそう』!」 幼い少女なりの、『暴食』という大罪なりの、最大級のほめ言葉。無邪気ににこにこと笑いながら、タルトを咀嚼していく。

2013-11-22 19:26:31
エメロード @actKrwz

「あたし、いっつも『食欲(くうふく)』を満たす為に、いろんなところを歩いているの」 注いだレモンティーを一口。一瞬、驚いたようにぱちくりとまばたきを。口元はにんまりと弧を描いて、それをもう一口飲み下す。そうしてから、こてりと首を傾げつつ、暴食の少女は口を開く。

2013-11-22 19:26:34
エメロード @actKrwz

「だから、あの子のおでむかえ、いっつもびっくりするわ!」 帰りを知らせる手紙も何も、送ってすらいないのに。

2013-11-22 19:27:34
エメロード @actKrwz

続く傲慢の言葉に、目をまあるく見開いた。 「じゃあ、あたしとツェーリも『仲良し』かしら?」 きらきらと、碧が輝く。 城壁の味に舌鼓を打ちながら、レモンティーをまた、一口。こくりと、飲み下して。

2013-11-22 19:28:15
【魔王】 @Tokimine_Seo

「そう。……貴女は、その怠惰が『好き』なのね?『おいしそう』とは、きっとそういうことでしょう」 落ちてきた金銀の髪を耳にかけ直し、マドレーヌのひとつを取った。フォークで一口分を切り取って、その風味を味わう。 そして、碧を輝かせる少女に、同意するように頷いた。

2013-11-22 21:52:51
【魔王】 @Tokimine_Seo

「ええ。先ほど出会ったばかりですけれど、『仲良し』になれると思いますわ」 こうやって時間を過ごせるのは、つまりそういうこと、だろうと。 「……良い時間、ですわね」 温かいレモンティーを飲んでほっと息をつき、ふとそんな言葉が零れた。

2013-11-22 21:53:02
【魔王】 @Tokimine_Seo

「何もなく穏やかに、こうして貴女とティータイムを一緒にできるというのは、良い事ですわ。わたくし、無益な争いは好みませんの」 貴女がわたくしの王国を侵すというなら、容赦はしませんけれど。 微かに瞼を伏せて、はっきりと告げる。

2013-11-22 21:53:14
エメロード @actKrwz

「ええ、そうね。きっと、ツェーリの言うとおりなんだとおもうわ!」  にっこりと、無邪気な笑みをこぼして、少女はわらう。タルトをひとくち、ふたくち、みくちと、次々と咀嚼し飲み込みながら、続く言葉に耳を傾ける。 「むえき? ずいぶんとむずかしい言葉を使うのね、ツェーリ。」

2013-11-22 22:41:57
エメロード @actKrwz

「よくわからないけど、あたしは『食欲(くうふく)』を満たすためだけに、いきてる」 食べていなければならない。全てを喰らい尽くし、尚も次を求める。 「ツェーリ、あなたが『食欲(くうふく)』を満たすくらいくれるなら、」 少女の背後、影のようなそれは膨らみ、幾千幾万の雀蜂と姿を変えて。

2013-11-22 22:42:31