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大罪戦闘企画

第九公演《ティータイム》
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エメロード @actKrwz

「あなたはとっても『おいしそう』だけれど、」 「たべないわ! あなたの『おーこく』も、あなたも。……とってもおいしそうだから、ちょっと残念だけど」 楽しげに、笑みを唇に乗せて。少女は歌うように言う。――片手にタルト、片手にマドレーヌを持っていて、まったく格好はついていないが。

2013-11-22 22:43:09
【魔王】 @Tokimine_Seo

「暴食の『食欲(くうふく)』を満たせるかはわからないけれど、少なくとも不満に思うことはないと約束できるわ」 ほんの少し、楽しげに。少女の背後で膨らんだ、おぞましいほどの雀蜂の大群に僅かも怯むことなく、むしろ愉快そうに眺める。 両手にお菓子を持ったまま宣言する少女に、笑みは深く。

2013-11-22 23:20:51
【魔王】 @Tokimine_Seo

それに、と付け加える。 「わたくしの『身体と同じもの』でよければ、差し上げることはできてよ?」 言葉と同時に、ふっ、と最初からあったかのように、滑らかな『右腕』が現出する。生白いそれを、何でもないようにすとんとマドレーヌの皿の横に置いた。

2013-11-22 23:20:57
エメロード @actKrwz

金が揺れ、碧は目一杯見開かれる。 「……おいしそう」 唇の端からこぼれた涎をナプキンで拭う。『食欲(くうふく)』は膨れ上がり雀蜂は数を増やした。まだよと呟いて、暴食はわらう。 「ほんとに? あたし、うそはいやよ。昔、そういったけど、最後にはあたしを食べようとしたヒトがいたわ!」

2013-11-22 23:24:35
エメロード @actKrwz

でも、と付け足すように呟いて。 「でも、そうよね、ツェーリは『ごーまん』だものね! うそなんてつくはずがないわ!」 一転、表情は喜色に満ちて、口の端についたマドレーヌの欠片を指先で摘まんだのち、口の中へ放り込んで、皿の隣の置かれた生白い腕を宝物のように戴く。

2013-11-22 23:26:53
エメロード @actKrwz

「――貰っても、いいの?」 笑みは深く。頬は薔薇色に紅潮して、碧は一層、輝きを増し。少女の背後に控える雀蜂の羽音が、少女の声に合わせてより騒がしく。

2013-11-22 23:28:19
【魔王】 @Tokimine_Seo

「わたくしは嘘は申しませんわ」 語らない事はあれど、少なくともこの素直な少女には、裏表なく相手をしている。 雀蜂が騒がしくさざめく。頬を紅潮させて、至極うれしそうに訊ねる彼女に、心からの笑顔で頷いた。 「どうぞ?」

2013-11-23 00:29:58
エメロード @actKrwz

ぱあ、と笑顔が咲く。いただきます、と手を合わせると、そのまま。――己の口で、齧り付く。肉を噛み千切り、咀嚼する音が静かなお茶会に響く。 「後は、『あげる』わ!」 口元にべったりとついた血をそっと拭い、背後に控える雀蜂へそれを放る。一箇所だけ齧られた生白いそれは雀蜂に覆われて。

2013-11-23 00:38:36
エメロード @actKrwz

「――ああ、おいしい、すごくおいしい、たまらなくあまくて、あまくて、あまくて、あまくて……ああ、おいしい、ほんとうにおいしいわ、よだれがとまらないの、うふ、うふふふふふふふふ」 うっとりと、目を細めて、笑みはただただ、こぼれる。雀蜂が齧れば、齧るほど、その甘みはじんわりと広がり。

2013-11-23 00:40:58
【魔王】 @Tokimine_Seo

「喜んでもらえて何よりだわ」 喜ぶ姿に、此方も満足げに頷く。 「足も要るかしら?」 言うが早いか、両足が揃って皿に乗って、現れる。要らなければ、それは消すだけであるし。

2013-11-23 01:20:32
エメロード @actKrwz

「いただくわ!!」 もらえるもの(たべれるもの)は、全てもらう(たべる)。『食欲(くうふく)』は雀蜂を模り、羽音を振り撒く。再び、己の手にとっては、一口。齧り、うっとりと目を細めながら、それをまた雀蜂へとやる。 「食べていいわよ!」 蕩けそうな碧が、柔和に細まり。

2013-11-23 01:56:48
エメロード @actKrwz

「――ああ、そうだ」 口元を拭いながら、暴食は傲慢へと問い掛ける。 「『ごーまん』がいるなら、『ぼーしょく』もいるの?」 いるなら、逢ってみたい。と、楽しげに声を弾ませる。

2013-11-23 01:57:59
【魔王】 @Tokimine_Seo

「ええ、いるわ。男性だけれど、食の趣味はメロと合うんじゃないかしら」 なんたって、食べていいものを与えれば何でも食べるのだ。あらゆるものを喰らう暴食。 「機会があれば、会わせてみたいわね。きっと彼とも『仲良く』なれるわ」 そっと紅茶を注ぎ直す。

2013-11-23 03:03:11
エメロード @actKrwz

「おとこのこ? へえ、あってみたいわ! うふふ、そうね、ツェーリが言うなら、そんな気がするわ。――きっと、『仲良し』になれるって」 くすくす、くすくす。雀蜂が生白いそれらを喰らう間、舌の間で甘さを転がしながら、楽しそうに、陶酔しきった表情で言葉を落とす。

2013-11-23 03:58:18
エメロード @actKrwz

己の手で紅茶を注ぎ足しながら、金を揺らす。 雀蜂たちは幾らか数を減らし、それでも尚、紅茶を飲む暴食の傍らで共にマドレーヌやクッキーを食みながら。――羽音はやや大人しく。

2013-11-23 04:01:07
【魔王】 @Tokimine_Seo

小さくなった羽音を環境音に安らいでいると、ふと、ひとつの提案が浮かぶ。 「……彼に会いたいなら、こちらに来てみる?」 頬に手を当て、首を傾げる。 「わたくしの屋敷なのだけれど。少なくともわたくしは構わないわ」 暴食二人で食事を出す負担は増えるだろうが、それが何だという話。

2013-11-23 18:05:09
エメロード @actKrwz

「遊びに、いってもいいの!」 ぱあ、と笑顔が咲き誇る。表情は幼い少女のそれだ。 「ツェーリの、おうち?」 こてり、と首を傾げながら、レモンティーを一口。 「『ごーまん』の誘いをことわる、っていうのも、わるいし、あたしはあたしじゃない『ぼーしょく』に会ってみたいし!」

2013-11-23 18:20:39
エメロード @actKrwz

「行ってもいいなら、おじゃまするわ!」 くすくすと、綻ぶ口元を隠さないまま。マドレーヌをもふりと一口。金が僅かに揺れた。

2013-11-23 18:21:42
【魔王】 @Tokimine_Seo

「善は急げとも言うし。じゃあ、行きましょうか」 大罪が善と言うのもおかしな話だと、ひとりでくすりと押さえた笑いを零し。 かたん、と椅子を引いて席を立つ。 「『残ったもの』は『すべて』差し上げるわ」 微笑んで、告げる。『すべて』。 そして、着いてくるのを促すよう、少女に背を向けた。

2013-11-23 18:30:07
エメロード @actKrwz

ぴょこり、と豪奢な椅子から飛び降り、ティーセットを鞄に仕舞い込む。傲慢の言葉にはにっこりと頷いたのち、――ぶわ、と、昏い色の雀蜂は数を増やす。 千、万、億――数え切れない程の群集は、その狭間に在るもの全てを喰らわんと、四方八方へ飛んで往く。 「うふふ、とってもおいしい!」

2013-11-23 19:09:14
エメロード @actKrwz

お菓子の家の甘い味、城壁のちょっと硬くてほろ苦い味、地面のざりざりとした味、全部が口の中で淡く溶けて、混ざって、――『暴食』はにんまり、と、笑みを浮かべる。そうして、全てが更地と化したところで、漸く満足げにお腹の辺りを撫でる。それでも、くう、と鳴る腹に、少し眦を下げたが。

2013-11-23 19:12:37
エメロード @actKrwz

「ツェーリ、ツェーリ、次はどんなものをたべさせてくれるのかしら!」 表情は明るく、花が咲くように。傲慢の少女のあとに、スキップをして着いていく。

2013-11-23 19:14:15
【魔王】 @Tokimine_Seo

革の丸靴は何もなくなった地を軽く踏む。 「……そうね、次は遺跡などどうかしら」 熟成した味がするのじゃない?と暴食の感覚に合わせた返答をしながら、スカートは揺れる。扉が開く。 「いらっしゃい、我が『王国』に」 ついに傲慢の笑みは絶えることなく、二人の少女は扉の向こうへ、消えた。

2013-11-23 19:23:30
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

《以上をもちまして……第九公演は終演致しました…… どなた様もお忘れ物のございませんよう……いま一度、お手回り品をお確かめ下さいませ…… 本日はご来場頂き……まことに有難うございました…》

2013-11-23 19:27:49
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

……なあに、これ なあに、これ これじゃない これじゃないよ…… 僕が欲しいのはこれじゃない!!

2013-11-26 23:52:13