エンジン側の素性でいうなら、例えば金星なんか褒めるところを探すのが難しいエンジンです。偶々大きめの過給器に水メタぶっこんだから馬力が出てるだけで、あれで発展性があるとか名エンジンとか言ったら笑うしかない
2013-11-25 21:10:57言い換えれば金星程度のエンジンでも水メタやハイオク使って大きな過給器で大ブーストかけりゃ馬力は出なくもないという身も蓋もないはなし
2013-11-25 21:12:04過給器の圧力比とか、燃料の質とかを「一定限度」に規定したら、そりゃ素性の良いエンジンのほうが馬力は出る。自然吸気のエンジンみたいなもんですな、如何に本体が優秀であるかで差が生じる。でも過給しちゃうと多少の差は過給圧で覆ってしまう
2013-11-25 21:13:57例えば、栄と誉は同じシリンダサイズです。これは誉の気筒あたり100~110馬力を栄でも発揮できたかもしれないということです。14気筒の栄で1400~1500馬力は射程圏だったと
2013-11-25 21:18:21実際は冷却だとか軸受けだとか色々直さないと無理な話ですが、直せば(誉同等にすれば)1400~1500馬力の栄ってのは作れた。実際水メタの栄3xもあったわけだし
2013-11-25 21:19:24これが現実になってないのは、誉とか他のエンジンをやらざるを得ないという日本の手間の不足が第一、栄が発展性のないエンジンだったとはいえない。大抵のエンジンなんてそんなもん
2013-11-25 21:20:49もちろん世の中にはどうしてこうなったなエンジンは多数あります。弄り続けても無駄だろうってのも色々とね。でも大抵の実用機は手直ししながら弄ってりゃ、まあそれなりにはなるんですよ
2013-11-25 21:22:46なお、星形が混合器分配で不利というのは誤解です。一番厳しいのは列型です。V12とかですね。気筒別に気化器おけりゃいいけどそうもいかんので、ここがネックの一つかと。あと列型って冷却ムラすごいですから、これも不利な要素
2013-11-25 21:26:59一般的に航空機だとエンジン後方に気化器があります。つまり各気筒までの吸気経路が長かったり短かったりするとばらつきの原因になる。いうまでもなく長いエンジンである列型が最悪
2013-11-25 21:28:10つぎに普通の飛行機は前から風が来ます。液冷機であってもエンジンは前のほうが冷える。うしろは冷えない。空冷だったら前も後ろも冷やそうと努力してるけど、液冷だとそこに手間を費やすわけにもいかない。だから液冷列型は前後の気筒でかなり温度が変わる
2013-11-25 21:29:41液冷は冷却水だけで冷やしてるってわけでもないのです。もちろん冷却水が一番支配的なんですが、意外とこの空気で冷やされることが落とし穴になったりするんですね
2013-11-25 21:30:45まあ、マーリンとかの世代ならそこまで深刻じゃないはずですけど、ブーストガンガンに上げていくとこんな些細な差も無視できなくなってくる
2013-11-25 21:31:24混合器分配がアレになるのは混合気の霧化の関係も大きい。均一な濃度の霧(エアゾル)で混合気が形成されてれば、多少のばらつきはあっても、どの気筒にもうまく回るはずです。でも実際は霧化が不十分で粒のばらついたエアゾルになっちゃう。こうなるとね・・・
2013-11-25 21:33:27霧化性能は燃料の蒸留性状や温度、そして気化器の性能で変わります。だから噴射式気化器とか低圧燃料噴射とかが出てくるわけで、これらは機械で粒度の小さいエアゾルを作ってぶっこむというものです
2013-11-25 21:34:53一般論ですが、いわゆるハイオクほど蒸留性状が悪い。つまり高温じゃないと気化しない。だもんだから普通の気化器で使うときれいなエアゾル・気化ガスにならず、液の粒が残っちゃう。これらは吸気管の中で吸気より遅く動くし、下の方にいきたがり・・・結果分配が均衡しなくなりやすい
2013-11-25 21:39:06