【感想集】かぐや姫の物語(高畑勲)…感想、考察いろいろ
- L_O_Nihilum
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ある人のポストに宮崎駿は物語重視の主観の人、高畑勲は演出重視の客観の人だという論があった。『風立ちぬ』と『かぐや姫の物語』では、ここに互いの歩み寄りがある様にも感じられた。
2013-12-02 03:38:53かぐや姫の物語の構造で面白いのは、ラストでアニメーション(霊魂)の消失を描くために最高峰のアニメーション技術を必要とした事。これはメメント・モリの逆説的構造に近い。
2013-12-02 04:10:50かぐや姫の物語。山村の子ども達が歌っている童歌。「その歌知ってる」と言って幼きかぐや姫が重ねたその歌。昨晩『対旋律』として表現したそれは、長調に対する短調ではないか?そうだとしたらまさしく同じモチーフに対するゴスペルとブルースで間違いない。
2013-12-02 14:38:50同じ黒人音楽をルーツに持つゴスペルとブルース。ゴスペルが歓喜の歌なのに対し、ブルースは悲哀の歌。まったく同じ世界をゴスペルとブルースで歌ったのではないか?そうだとすれば、この印象的なシーンはかぐや姫の物語の構造を暗喩していると言えないだろうか。
2013-12-02 14:41:48かぐや姫の物語。ストーリーはシンプルでいて、まっさらな気持ちで観ても感動出来る。しかし、その作品は写し鏡の様に見る者の心を写す。そして、オンリーワンで一種異様とも言える不思議な肌触り。その正体、その秘密に付いて自分なりの考えを連投します。
2013-12-02 19:41:44村の子ども達が歌う童歌に対し、幼きかぐや姫が「その歌知ってる」と言って重ね歌った、明らかに異質で物悲しい歌。子どもらに「変なの」と言われたその歌は、童歌(ゴスペル)に対して同じモチーフを持つ(ブルース)だった。これが『鍵』だと思う。
2013-12-02 19:49:36つまり『この作品はゴスペルとブルースを同時進行させます』と言う意思表示だと感じた。かぐや姫の生命と躍動感を芯にしながら、この世界の美醜善悪についてジャッジがない。それらを分け隔てなく、境目もなく、更に言ってしまえば喜びと悲しみは同じものだとさえ言う視点で作品が貫かれている。
2013-12-02 19:54:47かぐや姫の生命感への強い拘り以外、意図的なジャッジがない。つまりそれはこの世界の現実に等しく、観ている『私』にジャッジが委ねられている。普通の映画で行われている誘導の様な物が極端に少ない。これがこの映画の写し鏡、異質な肌触りの正体ではないかと思う。
2013-12-02 20:02:00でも、高畑監督には申し訳ないけど『かぐや姫の物語』を退屈だと言える人の方が却って幸せに暮らせてる様な気もする。この物語を注意深く観てしまう様な人は、往々にして生き辛い人なんじゃないかな……(失礼
2013-12-02 20:33:10『かぐや姫の物語』の、女の物語 - 戦場のガールズ・ライフ - http://t.co/lanfidmPTz 女性ならではの視点に強烈に刺激を受ける。
2013-12-02 20:45:23かぐや姫の場合は命題が無いとまで言ってしまえる位に突き放されてしまい、混乱の中で僕らは考える羽目になる。ただし『ただ感じればいい』という逆説的な見方も成り立つから不思議。
2013-12-02 21:32:27