【感想集】かぐや姫の物語(高畑勲)…感想、考察いろいろ
- L_O_Nihilum
- 9987
- 0
- 0
- 0
佐藤すぐるさんの感想
『かぐや姫の物語』、當然ながら小さい子連れの親子もゐて、「子供に理解できる内容なのかな?」と思ひながら觀始めたんだけど、「竹取物語」に忠實に描かれてゐて、子供でも「『かぐや姫』つてかう云ふお話なんだ」と理解できるものになつてゐる。
2013-12-01 23:35:45小さい時は「かぐや姫のお話」として見ることができ、成長して見返せば「ああ、さう云ふ意味だつたんだ」と散りばめられたテーマを理解できるやうにもなると思ふ。
2013-12-01 23:37:40天界の住人である姫は地上に憧れること自體が罪。その罰として姫は地上に落とされた。しかしそれは姫の望みでもあつた。だが望んだはずの地上でも姫は罪を犯してしまふ。
2013-12-02 21:22:58親の意に叛き、男どもを弄び、果ては望んでゐたはずの地上を拒否してしまふ。その罪の罰として、捨てられたはずの天界へと戻らざるをえなくなつてしまふ。
2013-12-02 21:27:26姫が翁の言ふとほり貴人として生きたいなら、都の公達の庭にでも降りてきたはずだ。でも姫が降りてきたのは田舎の竹林。そもそもが天界の貴人である姫はどうせなら田舎暮らしで生きる喜びを満喫したかつたのではないか。
2013-12-02 21:42:24しかし天界はそれを許さない。人間の欲望をけしかけ、姫を生きづらい方向へと追ひ込む。たうとう音を上げた姫を迎へに來る天界の使者。「そら、地上など憧れるやうな場所ではないのだよ」と。
2013-12-02 21:45:27田中ユタカさんの感想
>「地球を肯定する映画」と高畑監督は仰います。かぐや姫の体験する地上は不自由な苦界です。愛はすれ違い、社会は矛盾に満ち、人情に絡められ、逃げ場所はなく、空想すらも叩き潰されます。人は後悔することも叶わぬまま一生を終わります。それでもこの映画は言うのです 「生きる価値がある」と。
2013-12-01 23:38:25>『かぐや姫の物語』は私たちの口にしたくなる「生きる価値」を冷徹に問うてきます。良いことがあるから。楽しいことがあるから。愛する人がいるから。しあわせになれるから。生きていれば何かが出来るから。生まれた者の義務。…本当に?生きることを肯定することは、そんなこと本当に出来るのか?
2013-12-01 23:42:50>「地球を肯定する」のは、美しいからではない。楽しいからではない。自由だからではない。しあわせだからでもない。 それでも肯定する。 そのために「アニメーション」があった。
2013-12-01 23:43:51>『かぐや姫の物語』ではまったく正反対のものが語られ描かれます。 ストーリーや出来事は、世界の生き難さ、冷たさ、生きることの虚しさを容赦なく語ります。それなのに、スクリーンに描き出されるのは、世界の美しさ、豊穣さ、溢れるような圧倒的ないのちの力です。
2013-12-01 23:44:59>アニメーションの言葉の由来が「いのち」であるなら、この映画はまさにアニメーションです。 どれほど冷厳で不自由な世界の中にあっても、躍動し、輝き、生きるいのちの奇跡を、私たちに目の当たりにさせてくれます。 #かぐや姫の物語
2013-12-01 23:50:12>キャッチコピーの「姫の犯した罪と罰。」 ストーリー的な意味はもちろん在りますが、僕はこの言葉の秘められた正体は、私たちの生きたいと願う「いのち」の在り様そのものなのだと想像します。 #かぐや姫の物語
2013-12-01 23:52:40『かぐや姫の物語』は、『地獄の黙示録』や『2001年宇宙の旅』とかそういう映画の仲間だという印象です。今後さまざまな意味で長く語られる伝説の映画の1本になりそう。現在、僕たちの交わすツイートも「公開当時の反応」というのになっていくのかもです(^^) #かぐや姫の物語
2013-12-02 07:39:28