【その3】発酵万歳!y_tambeさんによる発酵食品のひみつ「味噌・納豆・臭いやつ」編

その3まで来ました! 昨日の続き、チーズの話から今回は日本の代表格、味噌と醤油について。 あと、「臭いから旨い」という話。 関連まとめ 続きを読む
57
黒猫亭 @chronekotei

@Butayama3 塩の浸透圧がぁあああ〜〜〜あああ〜あああぁ〜〜〜

2013-12-09 21:21:32
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 使える水分が減るからです。「砂糖漬け」みたいに、砂糖でもいいんだけどね。ただ砂糖はカビの栄養源になりやすいのと、空気中の水分とかでも吸湿しやすいので、塩漬けよりは失敗しやすく。

2013-12-09 21:22:12

「臭い」の話。

Y Tambe @y_tambe

ところで、さっき「ピラジン」のリンクに、分子構造が載っていたけど、これ「炭素(C)と水素(H)(と酸素 O)」だけじゃなく「窒素原子(N)」が構造の中に入ってるのが、一つのポイント。大豆、肉、野菜…そうした生物の「体」を作る分子では、この窒素分子はタンパク質に含まれてる分が多い。

2013-12-09 21:20:11
Y Tambe @y_tambe

で、コウジカビは大きなタンパク質とか糖質とかを、アミノ酸とか小さな糖くらいまで分解して、それを吸収して自分の栄養にするのだけど、これが細菌とかだと、糖やアミノ酸を別の形で代謝する酵素を持ってるものがいて、そうすると特殊な「排泄物」を作るものが出てくるのね。

2013-12-09 21:26:05
Y Tambe @y_tambe

ところが、これが「アミノ酸を元に、特殊な代謝を行う」微生物だと…種類でさまざまなんだけど、窒素や硫黄を含んだ、小さな化合物を「排泄物」として作るヤツがでてくる。窒素を含んだものでは、例えばおしっこの臭いの元の「アンモニア」とか、うんこの臭いの元の「スカトール」「インドール」とか

2013-12-09 21:30:51
Y Tambe @y_tambe

また硫黄原子については、アミノ酸の中でもシステインやメチオニンに含まれてるけど、これらを分解して利用する微生物だと「卵の臭い」とか「温泉の臭い」の元である、硫化水素が出来たりする。

2013-12-09 21:33:20
Y Tambe @y_tambe

どれも思いっきり「臭い」化合物の代表。しばしば「腐敗」というのは、こうした窒素や硫黄を含んだ「非常に臭い、物質」の発生を伴うものとして、衆知されてることが多い。言い換えるとアミノ酸の分解を伴う現象は「腐敗」と言われがち。ただし納豆とかくさやとか、ホンオフェその他は「発酵」扱い

2013-12-09 21:36:19
Y Tambe @y_tambe

どういう「臭い」になるかは、その「発酵」に関与する微生物の種類だけでなく、原料によっても異なると思われる。たとえば大豆と、肉や卵では、後者の方が含硫アミノ酸が多い…なので、後者が「腐る」とイオウ系の腐敗臭が出やすい…的な感じ。

2013-12-09 21:39:50
Y Tambe @y_tambe

こうした、タンパク質由来の臭い物質が出るものは「臭い発酵食品」の代表。シュールストレミング、くさや、ホンオフェなど、魚由来のものも多い。ただ、日本では魚由来の発酵食品には、これ以外のタイプも。

2013-12-09 21:50:00
Y Tambe @y_tambe

日本の、魚由来の発酵食品でもうひとつのタイプは「ごはんと一緒に漬け込む」なれずし。代表的なのは鮒寿司。そのほか、いずしや切り込みなど、各地の伝統食に見られる。あと、「カビ付け」をする鰹節も、ある意味「発酵食品」とも言える。

2013-12-09 21:52:45
Y Tambe @y_tambe

くさやや鮒寿司ほどの強烈な臭いはなくて、もっと身近なのは「塩辛」。これも、魚自身の酵素と、魚にいる微生物の酵素の働きにより「発酵」したもの。タンパク質がある程度まで分解され、アミノ酸が増えたことで旨味が「ぐん」と増す。

2013-12-09 21:56:24
Y Tambe @y_tambe

韓国のキムチは白菜などの野菜だけでなく、材料として塩辛を加えるけど、これが「旨味」の元になる。あとは乳酸発酵による酸味とか、その辺。

2013-12-09 21:58:06
Y Tambe @y_tambe

(どんどん話が発散する方向に)

2013-12-09 21:59:05
Y Tambe @y_tambe

まぁともかく。タンパク質を原料とした「発酵食品」には、かなり癖があるものが多いとも言える。味噌や醤油あたりはまだマシな方だけど(魚醤なんかは癖ある方かな)、納豆、くさや、シュールストレミング…非常に臭いが強い。けど「慣れると癖になる」と言われるタイプが多い。

2013-12-09 22:01:43
Y Tambe @y_tambe

こうしたタイプには、タンパク質が分解されて生じるアミノ酸などから来る「旨味の強さ」が、愛好されてきた原因の一つ。あとまぁアンモニア作るヤツとかは、やっぱり他の菌の増殖抑えたり。納豆菌とかはバシトラシンって抗菌物質つくったり、そもそもの増殖力が旺盛で、他の菌の増殖抑えたり。

2013-12-09 22:04:35
Y Tambe @y_tambe

「タンパク質の旨味」で言うと、そもそも肉なんかも「熟成」させることで(微生物発酵によらない)酵素の働きによってタンパク質が分解されて、旨味が十分に増すわけで。そういう意味でも「発酵」は大事。

2013-12-09 22:08:20
Y Tambe @y_tambe

こんなとこかなあ。

2013-12-09 22:11:59