大罪戦闘企画

第二六公演《戴き座して背負うは》
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エメロード @actKrwz

朗々と、語る声は静かに。まるで穏やかな湖面に、波を立てるような苛烈さを薄らと含んで。 「なれに許す為の許可などを許した覚えは無いぞ、アロガンサ。秩序の傲慢よ」 右に携えた鉄扇を広げ、紅い唇に浮かぶ笑みは毒々しく、鮮烈と――艶やかに。

2013-12-19 19:05:53
エメロード @actKrwz

「わらわに他者の許容など不要! だがな、秩序の、  ――アロガンサ。なれの差し向けたる砂礫が、わらわの美しき翡翠を奪う事は『許さぬ』」 『許容』の間に合わなかった砂粒は鉄扇で叩き落とす。頬を掠めた砂粒は、その白肌に薄く、傷を作る。

2013-12-19 19:06:35
エメロード @actKrwz

「現れよ、砂烏。数は七、向かうは秩序と喜悦。『許容す』」 砂浜から現る七羽の烏は、声にならない鳴き声を上げて、真っ直ぐに、傲慢たちの元へ。 「――余り吼えるな、秩序の。……まあよい、その喚きすらも、わらわは是とし『許そう』」 拒絶の言葉すらも受け入れ、ただ静かに微笑む。

2013-12-19 19:06:42
紺青ものえ @almiyy

許容の言葉、呼ばれた名前に、秩序の怒号に、ただ喜悦を深めた。 二色はゆるく歪み二つの傲慢が交わす言葉を聞く。 不愉快だと叫ぶ秩序の刺突剣が腹へ叩きつけられて、少し息を詰めて笑う。 飛ぶように許容へ向かう砂を見送って、紡がれた言葉を聞いて、 ――これでは私が傍観者のようだ。

2013-12-19 22:29:29
紺青ものえ @almiyy

それも悪くない。が、そうもいかないらしい。 「――ふふ、」 許容が現したのは砂の烏。砂色の翼で羽ばたき、嘴を鳴くように開いてこちらへと。 「砂の鳥は、どんな手触りだろうね」 狙いをつけた一羽、その近くを飛ぶ三羽が邪魔だと二色は耀いて、硝子の音を立てて銃弾を三発。

2013-12-19 22:29:39
紺青ものえ @almiyy

弾丸は三羽の翼を撃ち抜き、透き通る硝子細工へと砂の烏を変質させる。その侵蝕は、数瞬の間を態とらしく空けて、着弾した翼から、胴へ、脚へ、頭へ、もう片側の翼を喰い潰すように透かす。 しかし、その過程を見ることなく、空いた手をつい、と伸ばす。 掴んだのは、手頃な頭。

2013-12-19 22:29:46
紺青ものえ @almiyy

掌を砂の、しかし硬い嘴が貫くのを感じ、しかし離さず握り込むように手触りを確認して、「やはり砂っぽいな」と言葉を零し、子供のように無垢に笑うと、足元には侵蝕された鳥が三羽、砂浜に割れることなくぱさりと落ちて。

2013-12-19 22:29:52
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

「『黙れ』『その口を閉じろ』と言っている!!」 剣を振り抜き、確かな手ごたえに反応することなく駆け出す。砂の鳥を三、打ち払うよう薙ぎ落し、ざらと崩れる三と変じる三、過ぎる一に目もくれず、ただ目指すは鮮烈な紅と翠。 「貴様に、許される筋合いはない!!」 その喉、抉ってくれようと。

2013-12-19 23:02:21
エメロード @actKrwz

「何故、黙らねばならぬ。なれに指図を許した覚えは無いぞ」 しかし、と。どこか不思議そうに、姫は小さく首を傾げる。 「口を開けば黙れ見るな聞くなと、何を焦る? 何に怯える?」 他に傲慢が在ろうと、己が傲慢で在るという意識があるのならば、もっと余裕があってもいいものだろうに。

2013-12-19 23:19:02
エメロード @actKrwz

そんな疑問を放ちながらも、指先は己の前を指し示す。 「これではイアシザリアが、退屈じゃろうて。――混ざりよれ、その方が愉しかろう?」 紅い唇に浮かぶ笑みは何処か無邪気に。 「ほうら、これはどうだ。立ちはだかるは巨なる壁。数は三、わらわを護る事を『許容す』」

2013-12-19 23:19:10
エメロード @actKrwz

猛然と、此方へ駆けてくる秩序の目の前に、続けざまに現出させる。 「――なれに許される筋合いが無かろうと、わらわはそれすらも『許容』するのみでな。  好きに言うがよかろう、わらわはそれを『許す』」 ころころと笑いながら、現れた壁越しに、どのようにして突破するのかと眺めながら。

2013-12-19 23:19:18
紺青ものえ @almiyy

怒鳴り、走り出す濃紺を見送り、手の傷に固まった砂を払う。 「ふふ、気遣いなら無用だよ姫」 手をゆるりと振って示すのは、観賞の意思。喜悦は揺らぐことなく、ただ眸の錆色だけがただ濃く、濁って、ゆれた。

2013-12-19 23:38:05
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

「煩い煩い煩い黙れ!!『私』の『秩序』を『侵すな』『消えろ』『乱すな』『揺るがすな』!!何故在る、私は傲慢、秩序たる一の大罪アロガンサだ、大罪の一、その始まり!!始まりが、『一つ目』が、いくつもあって、たまるものか!!」 癇癪に似た声を上げて、進路塞ぐ壁に命じる。

2013-12-19 23:40:09
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

効果は無いに等しかろうが、足掻くようにただ叫ぶ。 「邪魔だ『失せろ』『崩れろ』『砕けろ』『朽ちろ』、」 同時、足場を形成。脆かろうが、足を運ぶその一瞬もてばそれで良い。 「『飛べ』、『集まれ』、『足場と成れ』!!」 きゃらきゃらと鳴る声が、耳障り。

2013-12-19 23:40:34
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

「『黙れ』、その減らず口叩けぬようにしてくれる――!!」 薄い砂を足場に迫り、その喉元へと剣を突き出す。

2013-12-19 23:40:41
エメロード @actKrwz

「――ならば何故、その数ある傲慢の中で頂に立とうとせぬ」 す、と翡翠が細まる。この男の言い分を聞いていると、何だか童が泣きじゃくりながら言い訳をしているような、そんな光景が脳裏をふと過る。 「何故ぬしは、ぬし以外の傲慢が壱にあると意識する」 放たれた言葉は、厳かに。

2013-12-20 00:06:45
エメロード @actKrwz

突き出された剣先を喉元から逸らさんと、携えた鉄扇で叩くようにしてずらす。剣先が肩を抉るが、別に気にする事でも無い。 「『傲慢』が壱に在るのか? 『秩序』たるなれが壱に在るのか?」 がら空きの腹部へと、鉄扇を突き出す。

2013-12-20 00:06:55
エメロード @actKrwz

「わらわは壱に成った覚えは無い。  わらわが壱で在るとすれば、それは愛しきあのお方の壱で在るというのみ。  なれが壱で在ると謂うのなら、わらわはそれを『許容』しよう。  わらわは弐でも参でも肆でも、わらわが此処に在るのなら、其れで良い」 謳うように紡がれる言葉は、穏やか。

2013-12-20 00:07:02
エメロード @actKrwz

「始まりだと謳うのも良かろう。それがなれの在り方なら、わらわはそれを『許容』する。  わらわはなれの何をも拒絶しない。何をも否定しない。  ――わらわは、全てを、余す事なく『許容』しよう」

2013-12-20 00:07:11
エメロード @actKrwz

つい、と翡翠は此方を眺める弐色へと移る。 静かにこちらを見る様は、初めて逢った時とは何だか違うように映る。 「……ふん、ぬしの好きにするがよかろう、イアシザリア。――『許す』」 微笑みは絶やさず、肩の傷に触れて。秩序の行動の先を、見通すように、見詰める。

2013-12-20 00:09:44
紺青ものえ @almiyy

立ち並んだ壁の奥に消えた秩序、ここからでは声は聞こえても視認は出来ず、 「……ふむ」 握ったまま暇そうにも思えた銃を調整し、軽く下へ振る。僅かに戻った重み。風に流れた髪を押さえ、構える。間隔をあけながら壁を全て硝子へと変質させるように撃ち込み紫に透けた硝子の壁を作り出す。

2013-12-20 00:39:37
紺青ものえ @almiyy

透けた向こう、二つの傲慢。見えた。しかし、硝子も邪魔だ。 遅れて打ち込んだ弾丸。着弾は高く澄んだ音、同じく高い音をを立てながら紫の壁を割り砕く。 「見えないのは、退屈だ」 散らばる硝子の向こう、鮮やかな紅と濃紺を再び映し、口元を緩めた。

2013-12-20 00:41:02
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

逸らされた剣先、僅かに凝る感覚が伝わる、舌打ちを一つ、再度突かんと腕を引きかけ、鉄扇に強か腹を打たれる。わずかたたらを踏み、かは、息を吐き出しながらぎちと睨み付け。 「――その口閉じろと言っているのがまだ判らぬか!!」 吼えるように。

2013-12-20 00:43:27
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

「『傲慢』は始まり、全ての始まり、大罪の一、この身は秩序、背負うは 傲慢、『傲慢』は、始まりの罪は、初めの大罪は私だけだ私だけのものだ、『傲慢』は私だけの罪だそれを勝手に侵すんじゃない!!」 剣を改めて構え直す、叫びと共に、

2013-12-20 00:45:45
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

「『やめろ』『黙れ』『私を許すな』『私を見るな』、――『私に関わるな』!!」 突き抜かんと。 背後、硝子の割れる華奢な音に構うことはなく。

2013-12-20 00:46:23
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