SecretLover5【R-18】

secretloverシリーズその5(・ε・) 【1】⇒http://togetter.com/li/605940 【2】⇒http://togetter.com/li/605940 【3】⇒http://togetter.com/li/607648 続きを読む
5
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

52)慌てて彼から離れようとしたのに阻まれて、逆に身体を抱き込まれた。 「っ拓哉!」 「やだよだってなんか可愛いんだもん。まだ離したくない」 「なっ…何、何言って…っ」 髪の毛に頬ずりされて聞かされた言葉に頬が熱くなる。 この人は一体どうしたんだ、いつもはもっとドライなのに 。

2014-01-02 21:43:32
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

53)どうにかして彼から離れようとするのに、力強い腕に抵抗できない。 甘く感じる言葉が恥ずかしくて堪らないのに常なら感じない、その熱を太ももに当たってる事に気がついて、息が止まるかと思った。 「…あ、ああの、あの…た、拓哉…っ?」 「んー?」 彼は呑気に人の髪に顔を埋めていた。

2014-01-02 21:47:00
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

54)心なしか匂いを嗅がれているような気がする。 おまけに足にあたっていたそれは、押し付けられているような気までしてきた。 ズボン越しなのに。服と下着を間に挟んでる筈なのにその大きさがやたら鮮明にわかって心臓が痛いほど早く動いている。 そっと伺うように顔を上げると、唇を塞がれた。

2014-01-02 21:51:18
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

55)「ん、ぁ、」 「…はあ…っ」 頬にかかる息が、酷く熱い。 辛そうにさえ聞こえて、唾を飲み込んだ。 手を伸ばしたのはほとんど無意識だった。私と一緒にいて彼がそんな風になるのを見た事なんかなかったし、こんな辛そうな呼吸を聞いたいのも今日が初めてで何かしてあげたい、そう思った。

2014-01-02 21:54:03
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

56)「…っ…ちょ、」 「…ダメ?私じゃ、無理?」 触れた瞬間腰を引いたその人に、胸が小さく痛む。 こんなに辛そうなのに、私じゃやっぱりダメなんだろうか。 彼の顔をジッと見つめると、困ったような笑顔を浮かべられた。 「…ダメじゃない、ただ、今触られたら俺もたねぇ」 「え…っ」

2014-01-02 21:56:09
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

57)「…あのな、どんだけ煽られてると思ってんだ、自分がどんな顔して俺の事見てるかわかってないだろ絶対」 「…か、顔って…っ」 そんな事言われても自分がどんな顔してるかなんてわかんない。 戸惑って視線を巡らせていると彼が苦笑して身体を起した。 「触ってほしいけど、ちょっと待って」

2014-01-02 21:59:03
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

58)ベッドのヘッドボードに寄りかかって、彼がズボンのベルトに手をかけた。 咄嗟に視線を逸らしても、カチャカチャと外す音が響く。 思わず息を飲んで、ぎゅっと瞼を閉じていると何かの封を開ける音が聞こえた。 それが何か、分からない程ウブじゃない、清純ぶる気もない。

2014-01-02 22:40:41
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

59)その準備が終わるまで、息を飲んだまま待っていると、そっと腕を取られた。 「…おいで」 「…ぁ…」 初めてみる、欲に濡れた瞳に、心臓が大きく鳴り響く。 身体を起こして、彼の膝の上に抱き上げられる。 そっと手を取られて、熱く昂ったそれを握らされた。 「…は…っ」 「…拓哉…」

2014-01-02 22:42:44
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

60)「ん…平気、めっちゃいい…続けて」 「…ぅん」 掠れた声が酷く艶を含んでる。 震える彼の身体が愛しくて眉間に寄せられた皺が嬉しくて上下に動くその手の速度を速める。 息を詰めた彼が目を細めて私を見ている。 「…気持いい?」 「…っ…あぁ…っ」 その声に、私の気持ちも煽られた。

2014-01-02 22:46:45
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

61)「…っおい…っ!」 「…へいき、だから…」 彼の膝から降りて、そこに顔を近づけると彼が焦ったように身体を浮かせて、だけど私は彼に身体を話される前に、スキンをかぶせられたそれを口に含んだ。 「…っ」 「ふ、ん、ん…っ」 舌で筋をなぞって、先端を吸い上げると、その熱が膨らむ。

2014-01-02 22:49:52
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

62)その反応が嬉しくて、必死で口を動かすと肩を離そうとして触れていたのであろう彼の手が、ぎゅっとその場所を掴んだ。 痛いとは思わない。彼を下から見つめれば苦しそうな表情で呼吸を乱して私を見つめている。 その顔に欲情する私は、変だろうか。 一層強くそれを吸い上げて、舌を動かした。

2014-01-02 22:52:55
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

63)「…っ茅乃…っも、」 「ん、っふ…っ」 きっともう限界なのは、その余裕のない声と、膨らんだその熱で気がついてた。 彼の指が私の髪の毛に絡んで、撫でられて、膜をかぶせられているその飛沫は口のナカに広がらないのにビクビクと跳ねるそれを、私はその動きが止まるまで口に咥えていた。

2014-01-02 22:56:34
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

64)被せられていたそれが、私の唾液で光っていて、それが妙に淫猥だった。 私をベッドに寝かせた彼が、それを処理して隣に滑り込んでくる。 身体を抱き寄せられて、ほっと息をついていると、彼が私の頭を撫でながら笑った。 「…何?」 「…参った、茅乃、今日本気で可愛い」 「…っ…」

2014-01-02 22:59:01
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

65)咄嗟に何も言い返せなくて、そもそも今日はこの人に何も言い返せてない事に気がついた。 悔しくてその胸に顔をうずめると、彼が優しく頭にキスを落とす。 ぎゅっと抱きしめられて、心臓が壊れてしまいそうなほど激しく動いた。 「茅乃」 「…」 「かーやーの」 「…嫌」 きっと真っ赤だ。

2014-01-02 23:08:40
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

66)彼が呼ぶ自分の名前がやけに甘く響いて、それが嬉しくて、にやけてる顔を見られるのも嫌で、頑なにその呼びかけを拒絶する。 焦れた彼に頭をぐしゃぐしゃに撫でられて、こらえきれずに顔をあげてしまった。 「っもう!やめてよ!」 「はは、だってお前、顔上げないから」 「だ、だだって!」

2014-01-02 23:10:51
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

67)「俺は顔みたいんだよ。…これが最後なんだし」 「っ」 額を重ねられてその距離の近さと、彼が口にした言葉の意味に、息が止まるかと思った。 最後って、何。どういう事。 理解できなくて彼の表情を見つめてしまう。 苦笑した彼が、私の頬を撫でた。 「…え…何…え…?」 「…ごめんな」

2014-01-02 23:13:47
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

68)「…ご…ごめんって…」 「…俺、ホスト辞める事になったんだ。 だからもう、茅乃とはこうやって会えない」 「…っ…」 言葉が出てこなくて、代わりに、痛みでこみ上げた涙が頬を流れた。 切なげに瞳を歪めたその人が、私の頭を強く抱き寄せてその胸にぎゅっと抱き抱えた。

2014-01-02 23:16:38
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

69)「…茅乃が俺の、最後のお客様だ。最後にめちゃくちゃ可愛いところ見れて、本気で嬉しい」 「…た、拓哉…っ」 「…大丈夫だよ、お前、そのままで十分可愛いから、無理して背伸びしなくていいんだ」 「…っ…」 「そのままでいいよ、そのままの茅乃でいい。だから無理やり変わろうとすんな」

2014-01-02 23:19:19
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

70)言い聞かせるような、そんな優しくて穏やかな彼の言葉に涙が止まらなくなってしまう。 瞼をぎゅっと閉じて、彼の身体にすがりつくように背中に腕を回した。 彼はいつまでも私の身体を抱きしめていてくれて、その日、延長していないのに彼は絶対守っていたその約束の時間を、5分だけ破った。

2014-01-02 23:22:00
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

71)「………」 「茅乃?」 締切は日に日に迫っているのに、原稿の文字が埋まらない。 あの日から、予定通りに書き進められていたそれはぴたりと止まったままだ。 「茅乃ったら!」 続きを書かなきゃ、気持ちは焦るのに言葉が浮かんで来ない。 パソコンの前に座りながら手はまったく動かない。

2014-01-02 23:24:17
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

72)どうしようこのまま書けなくなったら、締切、伸ばして貰った方がいいんだろうか。 「茅乃!」 「っはい!」 耳元で聞こえた大声に肩が思いっきり跳ねた。 慌てて振り向くと母が呆れた表情でたっていて、漸く状況を把握する。 溜息をついた母に曖昧な笑みを返すと、また溜息を落とされた。

2014-01-02 23:26:58
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

73)「なんでまだ支度してないの。今日はお母さんと出かけるって約束だったでしょう」 「…え…あ、ご、ごめん」 思いっきり忘れてた。 そこまで口にはしなかったが母にはわかったんだろう。 じとっとした目で見られてだがすぐに呆れた顔をされた。 「まあいいわ、化けるのは向こうでもいいし」

2014-01-02 23:29:38
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

74)化けるって、実の娘に酷くないだろうか。 そう言い返したかったが、今は私の方が分が悪い。大人しくしていた方がいいんだろうと母がそのままでいいから早く来なさいという言葉に急かされて、外で待っていたタクシーに押し込まれた。 どこ行くのと聞いてもははは答えてくれず結局黙ったまま。

2014-01-02 23:31:41
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

75)タクシーに運ばれたのは、都内でも有名な高級ホテルだった。 「…あの…お母様…?」 「あらあらあらやだ、もうこんな時間。質問は後にしてね茅乃。今はあぁほら、あそこで着付けしてくれるから!」 「着付けってちょっと…!」 「いいからほら早く行って!母さんここで待ってるから!」

2014-01-02 23:33:35
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

76)やや乱暴にその部屋に押し込まれて、呆然としたまま、よりにもよって振袖を着せられた。 一体いつ運んだのだと思うのは、それが私が数年前に買ってもらったもので、着る機会がなかった振袖で、着付けが終わるとすぐにヘアメイクまでされた。 あちこち締められたり固定されたりしてもう疲れた。

2014-01-02 23:35:38