写真展の感想リスト[2014年版]

ぼくが観た展覧会(主に写真展)の感想ツイートのまとめです。
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emotonoritaka @emotonoritaka

奈良原一高展続き。人が自身を見つめ、己と対話する内省性は、他者(社会)から隔絶された場所で際立つのだろう。この作品が発表されてから60年弱が経ち、社会的な隔絶に加えて、時間的な隔絶が加わることで、人間が持つプリミティブな姿がより際立っているように感じた。すごくよかった。

2014-12-25 00:08:19
emotonoritaka @emotonoritaka

竹橋。近美。奈良原一高「王国」。モノクロ。1958年に発表された、北海道の男子修道院と、和歌山の女性刑務所のドキュメンタリー作品。素晴らしかった。男性と女性、自律と懲罰など、対照的な場所でありつつ、社会から隔絶された場所で過ごす人間が漂わせる、凄みすら感じる静けさに息を飲む。続

2014-12-25 00:08:16
emotonoritaka @emotonoritaka

名古屋。ON READING。濱田英明「ハルとミナ」。カラー。同名写真集の出版記念展。作家の二人のお子さん達のスナップだけど、構図やプリントのクオリティの高さに思わず観入る。どこか自分の子供時代を思い出すのは、作品が単なる家族写真の範疇を越えた普遍性を帯びているからだと思う。

2014-12-24 22:28:07
emotonoritaka @emotonoritaka

高円寺。書肆サイコロ「hakuji-18〜19世紀のフランス白磁展-」。すごくよかった。果物や野の植物が添えられ、100年以上の時を経た白磁を手にとって見てたらじわじわ欲しくなってしまい、大きめのお皿を1枚購入。大沼ショージさんの写真集も。静けさに満ちた、とても素敵な展示。

2014-12-22 23:55:19
emotonoritaka @emotonoritaka

中目黒。POETIC SCAPE。「winter showcase 2014」。過去の展示からのコレクション展。佐久間里美、伊丹豪、野村浩、原芳市、熊谷聖司など、豪華な顔ぶれの作品が一堂に並ぶ華やかさ。写真の表現の多彩さに心踊りつつ“自宅に飾る”ことを想像しながら観るのは楽しい。

2014-12-21 12:13:32
emotonoritaka @emotonoritaka

元田敬三展続き。元田さんは人を撮る時、後ろに連なる街を必ず入れる。一緒に写り込んだ広告やクルマ、人々の服装で、時代がわかる。都市も人も、毎日新陳代謝しながら変わっていて、少しずつ遠ざかっていく。2014年の光を閉じ込めた写真たちを、10年、20年後にもう一度観てみたい。

2014-12-21 11:57:45
emotonoritaka @emotonoritaka

新宿三丁目。3rddg。元田敬三「SUNPACK」。モノクロ。2014年に撮影されたストリートスナップ。撮影地は全国におよび、名古屋も3枚あった。革ジャンのロックンローラーやアメ車など、時代の感覚がなくなりそうになりつつも、写り込んだ街のディテールはやはり2014年なのだった。続

2014-12-21 11:57:40
emotonoritaka @emotonoritaka

新宿三丁目。サードディストリクトギャラリーで、元田敬三さん×田附勝さんトーク。めっちゃおもしろかった。なんで写真撮るのか、なんで見たいのか。作品のこと、展示のこと、写真集のこと、お二人のスタンスは違うとはいえ、至近距離で熱量の高い生の言葉に触れると、自分も燃える。燃えるわ。

2014-12-21 00:10:19
emotonoritaka @emotonoritaka

続き。失われつつあるものに寄り添いながら復活に取り組み、お金がなくてもないなりに、生きるのに心地よいコトやモノを生み出しているように感じる。世の中いろいろあって悲観的な気分になりがちけど、未来は明るいぞってポジティブな気持ちにさせてくれる内容だった。よかった。

2014-12-16 20:25:22
emotonoritaka @emotonoritaka

続き。震災の復興以外にも、東京R不動産や町のリノベーションや、建築と住民の関わり方の新しいスタイル、若手建築家の作品が紹介されていた。ジャパン・アーキテクツ展で、戦後から現在までザーッと見てきて思うのは、今の30〜40代の世代の人たちって、かなりいいんじゃないだろうか。続

2014-12-16 20:25:16
emotonoritaka @emotonoritaka

金沢。21世紀美術館。「3.11以後の建築」。東日本大震災後、復興に取り組む建築家たちの活動を多数紹介。伊東豊雄さんはじめとした建築家グループが、被災地の仮設住宅地に住民たちが集まれるスペースを作った「みんなの家」は、記録写真を畠山直哉さんが撮っていて、じわっと胸が熱くなる。続

2014-12-16 20:25:10
emotonoritaka @emotonoritaka

金沢21世紀美術館。「ジャパン・アーキテクツ1945–2010」展。日本の戦後建築史を通覧できる内容。60年代のメタボリズム建築の、“海上都市”や“成長する建築”とかSFみたいな構想の具体案に胸踊る。手書きの設計図が多数展示されたけど、鉛筆で緻密に描かれた線や文字の美しいこと!

2014-12-16 20:18:04
emotonoritaka @emotonoritaka

南阿佐ヶ谷。ギャラリー街道。「さらば街道」。入っていた古いアパートが取壊しのため、今展示で活動終了。メンバーのこれまでの日々のスナップや、展覧会DMが部屋中に貼られ、奥の部屋にはメンバーによる最後の展示が。お別れの時って、楽しそうなスナップほど寂しくなるなあ。11/16最終日。

2014-11-15 15:04:19
emotonoritaka @emotonoritaka

続き。トークにはアートという単語は出なかったけど、考え始めたらもう頭ぐるぐる!もちろん手仕事にまつわる話も楽しく、まずは「『生活工芸』の時代」を読んでから再度考えたいと思いました。あっという間の2時間。とても刺激的なトークでした!shinchosha.co.jp/book/336531/

2014-11-08 12:25:24
emotonoritaka @emotonoritaka

続き。小難しい話になるけど、モノの“作用”そのものが機能になる状態って、つまり“アート”なんじゃないか。手仕事や、工芸には元来アートの要素が色濃く含まれているだろうし、アート作品から受け取る感覚の多くは“作用”的なものだと思う。じゃあそもそもアートってなんだ?続

2014-11-08 12:25:18
emotonoritaka @emotonoritaka

続き。モノが持つ“作用”の詳細については本を読むとして、印象的だったのが、小林さんが土器作家の熊谷幸治さんに花器の製作を依頼した話。送られてきた花器には穴がなく、花を活ける機能を放棄しながらも、モノとしての“作用”は保持していたそう。“作用”そのものが“機能”化したということか続

2014-11-08 12:25:12
emotonoritaka @emotonoritaka

名古屋。TAiGA。小林和人×鞍田崇「生活工芸の時代」刊行記念トーク。面白かった!民芸や手仕事などによって生み出されたモノが、“機能”にとどまらず、使うことで安らぎや気の引き締まる感覚を与えてくれる。これを“作用”と呼び、この雰囲気的な言葉で語られがちな感覚を掘り下げる内容。続

2014-11-08 12:25:06
emotonoritaka @emotonoritaka

有元伸也展続き。有元さんによれば、新宿で路上の人々を撮るのと、虫を撮るのは同じとのこと。たしかに有元さんの作品は、自分が同じところを歩いていても気づけない、日常にあるまったく違う世界をじっくり覗かせてくれる。それにしても、カエルを襲う蛇の図はすごかった。

2014-10-28 19:22:04
emotonoritaka @emotonoritaka

四谷。TPPG。有元伸也「ariphoto2014 vol.2」。モノクロ。継続して発表される有元さんの最新作。新宿から離れ、今回は奥多摩などで撮影された虫(蟲)の肖像だった。どアップのミヤマクワガタや毛むくじゃらの蜘蛛の半端ない存在感!日常ではまず目にできない視点に釘付け。続

2014-10-28 19:21:58
emotonoritaka @emotonoritaka

四谷。ルーニィ。曽根陽一「Breath」。モノクロ。植物園で撮影された様々な植物の葉。黒とグレーのグラデーションで表現された、植物の柔らかなフォルムがとても美しい。曽根さんは今年9月に病により惜しくも逝去されたそう。プリントに遺る作家の気配を少しでも感じ取りたくて、ひたすら凝視。

2014-10-28 18:26:37
emotonoritaka @emotonoritaka

赤い水続き。沖縄、福井といった土地の名前が消え、すべては“今生きている世界”として見えてくる。同時に、生に寄り添う死の存在感も。村上春樹の小説の『死は生の対極としてではなく、その一部として存在している』という言葉を思い出す。写真に引っ張られて意識が宙を飛ぶ。濃厚なひとときだった。

2014-10-27 23:53:52
emotonoritaka @emotonoritaka

銀座ニコンサロン。野村恵子「赤い水」。カラー。飛沫立つ海原、焼かれる山羊の身体、刺青をまとった女性。連なる写真には静けさ、穏やかさと強烈な生(死)のイメージが入り混じるのだけど、タイトルの“赤い水” が自分の体内にも流れるそれとわかった瞬間、すべてが一つの大きな視線に包まれる。続

2014-10-27 23:53:46
emotonoritaka @emotonoritaka

村越としや展続き。震災以降、福島は特別な意味を持つようになってしまったけれど、展示された須賀川の風景から、直接的にそれを感じることはあまりない。作品から受け取る凛とした土地の佇まいは、そのまま村越さんの故郷に対する姿勢と重なるのだろう。今作のタイトル、とても好きだ。

2014-10-27 01:31:37
emotonoritaka @emotonoritaka

吉祥寺美術館。村越としや「火の粉は風に舞い上がる」。モノクロ。作家の郷里、福島県須賀川市の風景を撮影した作品。すごくよかった。村越さんの写真は、いつも思うけど静けさに満ちつつ、とても強い。特に大きなプリントは力強くて、前に立つと音と色の無い景色の中に自分もいるかのように錯覚する続

2014-10-27 01:31:35
emotonoritaka @emotonoritaka

国立・谷保。circle。加藤アラタ「さざなみ」。カラー。深い森の泉に反射した枝葉のゆらぎ、夜の間に漂う光線の群れ。場所を特定せず、肉眼で捉えることのできない抽象的なイメージの中に、太古から人が自然に対して抱いてきた畏れや、そこかしこに宿る“神々”の気配を感じるような気がする。

2014-10-27 00:13:56
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