写真展の感想リスト[2014年版]

ぼくが観た展覧会(主に写真展)の感想ツイートのまとめです。
2
emotonoritaka @emotonoritaka

原芳市展続き。それにしても、タイトル「光あるうちに」が素晴らしくて大好き。聖書の一節にある言葉と伺ったけれど、古典という長い年月に磨かれた普遍性を写真の中に感じ取るのは、作品を観つつ意識がはるか遠くに運ばれていくようで、静かに心踊る。よかった。立ち去りがたくて、同名の写真集購入。

2014-10-12 21:35:40
emotonoritaka @emotonoritaka

原芳市展続き。タイトルの“光”とは何を指すのだろう。ぼくは、生きて光を感じられるうちに感じ取りたい(=撮りたい)という意に受け止めた。人間の目が認識できるすべては反射光か発光体であるから、その意味で“光”とは“この世”だと思った。あらゆるすべては光で、すべてが等しく光なのだ。続

2014-10-12 21:35:36
emotonoritaka @emotonoritaka

中目黒。POETIC SCAPE。原芳市「光あるうちに」。モノクロ。公園の遊具や蛍光灯の灯り、その合間にフラッシュバックのように現れるヌードたち。過激なイメージなようでいて、意外なほど落差を感じない。淡々と静けさに満ちているのは、すべてが“光”として捉えられているからだろうか。続

2014-10-12 21:35:35
emotonoritaka @emotonoritaka

続き。ぼくは1978年生まれなので、あの時代の記憶はないけれど、70年代を大人として体感してみたかったなぁと少し思う。おそらく、このキャンペーンに触発されてたくさんの人々が鉄道で旅立った東京駅で、当時の残滓を嗅ぎとりながら展示を観られたのはとてもよかった。

2014-10-11 23:41:09
emotonoritaka @emotonoritaka

続き。展示内容はキャンペーンが社会、特に表現に与えた影響にも及び、中平卓馬や北井一夫の作品も。観光地で記念撮影する人々をシニカルに捉えた中平の雑誌記事、70年代という新しい時代の盛り上がりに対する冷めた目線が印象的。壁一面に引き伸ばされた電車内を写した中平作品もインパクトあった続

2014-10-11 23:41:04
emotonoritaka @emotonoritaka

D・ジャパン続き。特定の観光地をアピールするのではなく、ターゲットを若い女性に絞り、「旅する」こと自体を目的化したキャンペーンは今でこそ珍しくないけれど、当時の新しい手法を世の中に仕掛けた製作者側の瑞々しい勢いを強く感じる。ポスターのデザインとか、いま見てもカッコいいのだ。続

2014-10-11 23:40:55
emotonoritaka @emotonoritaka

東京駅。東京ステーションギャラリー。「ディスカバー、ディスカバー・ジャパン」。1970年の万博終了後に国鉄が大々的に展開し、戦後文化史に残るほどの反響を呼んだ広告キャンペーン「ディスカバー・ジャパン」を、ポスターなどの豊富な資料とともに振り返る展示。メチャメチャ面白かった。続

2014-10-11 23:40:48
emotonoritaka @emotonoritaka

続き。鷹野さんのヌード作品は、予想通りなぜ問題なのかわからず。布で覆われ作品の有り様よりも、作品の受容者側の未成熟さを強く感じる。これが“これからの写真”と提示されてることに、作家側のブラックユーモアすら感じる。今回の問題、観る側の“これから”も含まれるんじゃないだろうか。

2014-09-07 23:22:30
emotonoritaka @emotonoritaka

続き。だとしても、新井卓さんの古典技法のダゲレオ写真の物質としての凄み(原爆の爆発を想起させる構成も)や、田代一倫さんの伝統的なポートレートの集合体(東日本大震災の被災地はじめ、東北の人々)は見応えあった。畠山直哉さんや川内倫子さんの作品は、何度も観ているけど、やはり好き。続

2014-09-07 23:22:25
emotonoritaka @emotonoritaka

名古屋・栄。愛知県美「これからの写真」展。鷹野隆大さんの一連の騒動は意識せず、“これからの”写真っていったいなんだろうと考えながら観た。レンズを通過した光の結像を印画紙に焼きつける、というのが“これまでの写真”なのかな?そこから離れ得るものが“これからの写真”か?続

2014-09-07 23:22:21
emotonoritaka @emotonoritaka

小島一郎続き。写真って、写真以上に撮った人のことが気になる時があるけど、今回がそうだった。展示の最後、小島があてもなく東京をスナップした際のスライド映像を観た後に、はじめに戻って観た津軽の作品の輝かしさ。東京へ行かずに青森で撮り続けていたら…という“もしも”をつい想像した。

2014-08-17 22:47:19
emotonoritaka @emotonoritaka

小島一郎続き。作品を観つつ、写真の向こう側の小島の人生に思いを馳せざるを得ない。津軽の作品で名取洋之助に見出され、父の反対を押し切って上京してからの苦境と、失意のなか故郷に戻ってからの死。会場の展示構成が東京→津軽→東京の順だったので、小島の苦すぎる東京生活が見ていて切ない。続

2014-08-17 22:47:13
emotonoritaka @emotonoritaka

静岡・長泉町。IZU PHOTO。小島一郎「北へ、北から」。モノクロ。昭和30年代に故郷の青森を撮り続け、39才で夭折した作家の没後50年展。よかった。凍てつく雪国をグラフィカルに切取り、暗室技術を駆使したプリントの数々。北国の素朴さよりも、際立つ被写体選びや構図のかっこよさ。続

2014-08-17 22:47:10
emotonoritaka @emotonoritaka

guse ars展続き。陶器の欠片から生まれた緑色のパターンの爽やかさは真夏にぴったり。ボックスフレームに収められたプリントにはパターンのもとになった実際の陶片が添えられていて、作品を観つつ、陶器が旅してきた時間と、それが今目の前にある不思議な巡り合わせに思いを馳せる。よかった。

2014-07-26 13:47:34
emotonoritaka @emotonoritaka

名古屋・東山公園。ON READING。guse ars「green fragments」。砂浜で拾い集めた陶器の欠片に描かれた文様をパターンにした作品。素晴らしかった!陶器がどこで生まれ、割れ、どれくらいの年月を海で漂ったのか。陶片に蓄積した記憶が紙の上に解き放たれたみたい。続

2014-07-26 13:47:24
emotonoritaka @emotonoritaka

横田大輔展続き。プリントにはゴミやホコリか遠慮なく写り込み、ひたすら物質としての写真の存在感がせり出してくる。写真とはモノなのだ、と強烈に感じる。会場では横田さんと、同じく写真家の滝沢広さんが現地で作ったZINEもあり購入。この即興性、ライブ感。写真ってなんだろうと改めて考える。

2014-07-20 21:12:20
emotonoritaka @emotonoritaka

岩手・盛岡。Apartment。横田大輔「VERTIGO」。モノクロ。同名写真集の発刊記念展示。白木の壁に無造作にピンナップされたプリントたち。ザラつき、ボヤけ、何が写っているのかよくわからない。それゆえに被写体の意味を離れ、ひたすら物質としての“写真”が立ち上がってくる。続

2014-07-20 21:12:16
emotonoritaka @emotonoritaka

恵比寿。MEM。北野謙さんの新作展「いま、ここ、彼方」。たまたま北野さん×山崎博さんの対談やっていて拝聴。写真を明快に論じる山崎さんの本を以前読んでいて、ご本人の言葉を聞けて本当によかった。写真は偶然の要素がおもしろいとしつつ、「計画しないと偶然は起こらない」という言葉が印象的。

2014-07-06 13:14:26
emotonoritaka @emotonoritaka

ダガタ展続き。写真が残酷なのは、写っている光景が現実に存在することだと思う。自分の“今ココ”とは何光年も離れているような絶望の世界が、写真を介して接続してしまったショックと戸惑いでクラクラする。人はここまで壊れられるものなのか。正気を失ったたくさんの目が頭にこびりついて離れない。

2014-07-06 12:36:10
emotonoritaka @emotonoritaka

渋谷。アツコバルー。アントワーヌ・ダガタ「抗体」。ギャラリーの壁一面に貼られた無数の写真。刑務所の囚人、紛争で破壊された町、麻薬中毒者、そして彼らのセックス。愛もエロスもない、すべてが壊れていると思った。救いのない破壊の連続に打ちのめされて、入場料代わりのドリンクの味がしない。続

2014-07-06 12:36:08
emotonoritaka @emotonoritaka

野村佐紀子展続き。死が身近にある80代から90を過ぎた老人たちが、プロの手によって劇的に輝く瞬間。おそらく今の彼らの生の最高地点、最後の輝きが写真として残った奇跡を思う(すでに亡くなられた方もいるそう)。写真が放つ生のエネルギーは、これまでの野村作品とも通底する気がして、納得。

2014-07-06 11:43:06
emotonoritaka @emotonoritaka

新宿。Bギャラリー。野村佐紀子「TAMANO」。カラー。野村さんと言えばモノクロ男性ヌードの印象が強いけど、今作は瀬戸内の養護施設で暮らす老人たちのポートレートだった。意外さに驚きつつ、スタイリストによって美しくメイクされ、おしゃれな服を着た彼らの柔和な表情にハッとさせられる。続

2014-07-06 11:43:03
emotonoritaka @emotonoritaka

四谷。TPPG。大久保恵「冬の終わりはいつも憂鬱Ⅱ」。モノクロ。タイトルから春を予感させる作品を予想してたら、冬真っ盛りの雪景色だった。ストロボ焚いた夜の雪が、暴力的に輝いてたのが印象的。今冬に東京で降った大雪時に撮ったそう。あの雪にはぼくも泣かされたので、ちょっと憂鬱な気分に…

2014-07-05 22:51:43
emotonoritaka @emotonoritaka

有野永霧展続き。日本と欧米の都市が混在しても全く違和感ないのは、有野さんの路上への視線が一貫してるからか。お目にかかったことはないけど、すごくダンディーな方なんじゃないだろうか。写真に出会った頃に(写真てこんなにカッコいいのか!)と知った時のドキドキを久しぶりに思い出した。

2014-07-05 22:11:03
emotonoritaka @emotonoritaka

四谷。ルーニィ247。有野永霧「虚実空間・都市」。モノクロ。日本や欧米の都市を撮影したストリートスナップ。よかった。ガラスの映り込みやシンメトリーといった写真的な要素が詰まった、伝統的スナップという感じなんだけど、作品のそこかしこにユーモアがあって頬が緩む。カッコいい!続

2014-07-05 22:10:54