写真展の感想リスト[2014年版]

ぼくが観た展覧会(主に写真展)の感想ツイートのまとめです。
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emotonoritaka @emotonoritaka

丸山慶子展続き。枯れゆく地方の小さな町の記録、と言えば簡単だけど、老人たちの表情は幸せに満ちているわけでも不幸でもなく、淡々としていてよかった。一面的でない故郷との向き合い方に、同じ地方出身者の自分としては共感を覚える。このシリーズはまだまだ続くんだろいか。続き観てみたい。

2014-07-05 15:04:03
emotonoritaka @emotonoritaka

四谷。SHUHARI。丸山慶子「つばめ」。カラー。作家の故郷である新潟県燕市の風景。同作で展示を重ね、前回までは人のいない町並みのスナップだったけど、今回は道で出会った人々のポートレートだった。一見して老人が多い。意図的に撮ったのか、そもそも町に老人しかいないのか、その両方か。続

2014-07-05 15:03:58
emotonoritaka @emotonoritaka

西新宿。エプサイト。万里「窓」。カラー。ある古びたビル(?)の空部屋で、はめ殺しの窓を定点撮影した作品。よかった。暗い部屋の磨りガラス窓から、外の灯りが抽象的な光になって入ってくる。その表情は日々異なり、窓を挟んだこちらとあちらの世界への想像が広がる。安部公房の小説を思い出した。

2014-07-05 13:16:02
emotonoritaka @emotonoritaka

名古屋。ON READING。三浦知也「No youth」。バンドの撮影などを手がける写真家のスナップ。休日の開放感や、友人と飲んだ夜の高揚感が写真に満ちて、素直に幸せな気持ちに。こんな日々がずっと続けばと願う甘酸っぱい感情と、写真になった瞬間に過去になっていくささやかな切なさ。

2014-06-01 02:12:44
emotonoritaka @emotonoritaka

野村浩展続き。蓄光材で光を閉じ込め、暗闇で解放する行為は暗室を思わせる。仮想暗室の中で浮かび上がるイメージが、ネット経由の仮装的光景という、知的遊び心満載の仕掛けに思わず笑顔。クラシックカーのエンジンをハイブリッドに積み替えたような、2014年的“今っぽさ”というか。楽しかった!

2014-06-01 00:33:35
emotonoritaka @emotonoritaka

野村浩展続き。デスクトップに現れた風景をプラチナパラジウムプリントにするというユーモラスな荒技はもちろん、会場に置かれたテントに潜り込んでの“光”にまつわる視覚体験は、その場でしか味わえない展示の醍醐味だと思う。会場を出て帰り道、実体験できた喜びとおかしさで、歩きながらニヤニヤ。

2014-05-29 00:51:33
emotonoritaka @emotonoritaka

吉祥寺。A-things。野村浩「Slash / Ghost」。モノクロ。すごく面白かった!とにかく仕掛けがてんこ盛りの展示で、具体的に書くとネタバレになってしまうのが悩ましい笑。たしかに仮想空間を“写真化”して現実世界に展示するのは、あの世から幽霊を連れてきたような気もする。続

2014-05-29 00:51:31
emotonoritaka @emotonoritaka

荒木展続き。ベランダの椅子に座る陽子さんの後ろ姿と、同じベランダで遊ぶチロの2枚の強烈な喪失感。世の中に写真は数多あるけれど、これほど生と死を密接に感じる作品ってあるだろうか。生きることは死に近づくことだけど、死とは生ききることなんだろうと思う。観終えた後に満足感と、強い寂しさ。

2014-05-14 00:03:43
emotonoritaka @emotonoritaka

荒木展続き。ぼっかり広がるモノクロの空に、絵具の色彩が入ることで空虚感がさらに増すのは、観る側がすでにアラーキーの“物語”に没入してるからだろう。自宅ベランダから眼下の道を定点観測で撮った新作が、穏やかで切ない(晩年の木村伊兵衛の写真を思い出した)。静かに近づいてくる死の気配。続

2014-05-14 00:03:36
emotonoritaka @emotonoritaka

豊田市美術館。荒木経惟「往生写集 顔・空景・道」。初期の“さっちん”“センチメンタルな旅”といった名作から新作まで、幅広く贅沢な内容。生(性)と死を色濃く写す荒木作品の展示の中で、今までで最も強く死を感じた。陽子さんの死、愛猫チロの死、そして死に向かいつつある作家自らの生も。続

2014-05-14 00:03:33
emotonoritaka @emotonoritaka

彼女が撮影を始めたのがぼくが生まれる頃だったこともあって、写真の中の光景が自分の幼少期とぴったり重なる。思い出を懐かしむ気持ちと、すべてがダムの底に失われた悲しさと、写真に残してくれていてよかったという思いが錯綜しつつ、最後は写真があってよかったと強く思う。本当によかった。4/4

2014-05-06 23:14:07
emotonoritaka @emotonoritaka

彼女が写真に記した「涙で曇ってよく見えなかったが、レンズは曇っていなかったので写った」という言葉がすごく写真だと思いつつ、感情移入が押さえられない。彼女は“表現”でなく、ひたすら故郷の“記録”として写真を残した。なのにこんなにカメラばあちゃんを身近に感じ、心揺さぶられるのか3/4

2014-05-06 23:14:03
emotonoritaka @emotonoritaka

ダムの建設が決まり、村が水没することになって、建設反対、推進、立ち退き、補償金といった問題で村は崩れていくのだけど、村の人々や風景はもちろん、ダムの調査や工事に来た人まで撮っている。故郷のすべてを残しておきたいという彼女の切実な思いが伝わってきて、胸がいっぱいになる。2/4

2014-05-06 23:13:59
emotonoritaka @emotonoritaka

静岡・長泉町。IZU PHOTO。増山たづ子「すべて写真になる日まで」。今はダムに沈んだ岐阜県徳山村で、1977年から村の日を撮り続けた“カメラばあちゃん”の遺した膨大な写真たち。ものすごくよかった。村の運動会、畑仕事、道で遊ぶ子供…。人々の営みがサービス判に詰まっている。1/4

2014-05-06 23:13:55
emotonoritaka @emotonoritaka

「黒部と槍」続き。個人的に登山と縁遠いこともあって、山々の詳細についてはよくわからなかったけれど、写真から感じる登山家たちの明るさ、闊達さは、学校で習った“戦前”の暗いイメージとは程遠い。軍部が台頭して戦争の足音云々という画一的なイメージは視野を狭くする。歴史は多面的だと思う。

2014-04-29 10:32:34
emotonoritaka @emotonoritaka

恵比寿。都写美。冠松次郎・穂苅三寿雄「黒部と槍」。戦前の日本登山界で活躍した二人が残した黒部などの山岳写真。モノクロながら、人が写っていない写真が時代性をあまり感じないのは、自然の時間軸が人を超越してるからか。紀行文で知られる冠より、やはり“山岳写真家”の穂苅作品は迫力がある。続

2014-04-29 10:32:32
emotonoritaka @emotonoritaka

キャパ展続き。恋人であり、共に活動していたゲルダ・タローのパジャマの寝姿は、その後の彼女の死を思うとふいに涙しそうになる。生きること死ぬこと、本来だいぶウエットな事柄を、そのウエットさをそのままに捉えて見せてもらってる感じ。ことさらな客観性も誇張もない写真たちにとても惹かれる。

2014-04-27 21:12:12
emotonoritaka @emotonoritaka

恵比寿。都写美「101年目のロバート・キャパ」。モノクロ。戦場カメラマンの代名詞的であるキャパの回顧展。よかった。スペイン内戦や第二次世界大戦の有名な作品もあったけど、街の人々や身近な友人たちを撮った写真に心動くのは、戦場という非日常を撮り続けた人が撮った日常の輝きだからだろう続

2014-04-27 21:12:01
emotonoritaka @emotonoritaka

下岡蓮杖展続き。会場に並ぶ、蓮杖が撮った膨大な数の人々すべてがすでに亡くなり、多くは名も失われて物質(プリント)だけが残り続けていることがすごく写真ぽいと思った。物質から離れ、データとして存在しうる現在の写真が、100年後どんな残り方をするのか、(もしくは残らないのか)を考える。

2014-04-27 20:14:11
emotonoritaka @emotonoritaka

恵比寿。都写美。下岡蓮杖「没後百年 日本写真の開拓者」。幕末〜明治に活躍した“写真師”の生涯を通覧できる回顧展。名前は知ってたけど、狩野派の絵師出身とは知らなかった。写真で成功を収めた後、再び筆をとって晩年は絵に戻ったというのが面白い。絵を追い求めてカメラを手にしたんだろうか。続

2014-04-27 20:14:03
emotonoritaka @emotonoritaka

IMA続き。光を浴びて輝くツタに対し、川内さんが赤ちゃんの柔らかな金髪を返したりして思わず微笑む。連関し合うイメージ上で、作家同士の“会話”を想像するのが楽しい。動画もあって、これは単体で見入ってしまった。静止画が並ぶ中で動くものに目が引きつけられるのは、動物的な本能な気がする。

2014-04-27 17:12:24
emotonoritaka @emotonoritaka

六本木。IMA。川内倫子×テリ・ワイフェンバック「Gift」。カラー。2人の写真家による写真の往復書簡という形で生まれた作品。2枚一組で観るのだと思うけど、ワイフェンバックの写真に対して、川内倫子が色や光やモチーフなど、様々な写真の要素から連想して撮った(選んだ)作品が並ぶ。続

2014-04-27 17:12:18
emotonoritaka @emotonoritaka

pnf展続き。会場中央のポスターに並ぶ数千の活字と、その余白をびっしり埋め尽くす手書きの言葉。それを囲むように壁に並ぶ恐山の光景。異界との接続点のような写真と、言葉の共振が生み出す磁場の力に、彼方に引きずられそうになる。文字の集積は、遠くから見ると逃れられない蜘蛛の巣にも見えた。

2014-04-24 04:05:10
emotonoritaka @emotonoritaka

恵比寿。G/P gallery。頭山ゆう紀・河合泰児「osorezan」。カラー。青森の恐山を旅して生まれた頭山さんの写真と、河合さんのテキストによる作品。よかった。お二人はpiano and forestという自主レーベルを作って活動している。続

2014-04-24 04:05:08
emotonoritaka @emotonoritaka

熊谷聖司展続き。会場に熊谷さんのこれまでの写真集が揃って販売しているんだけど、初期のモノクロから近作まで、写真ってこんなに幅広く撮れるんだとちょっと驚く。熊谷さんがグランプリを取った94年前後の写真新世紀のカタログも熱かった。会場では頼めば未展示のプリントも見せてもらえるそう。

2014-04-13 13:47:07