イラストレーター・中村佑介氏による『ビックリマンに見るイラストレーションの力と可能性』の話。

2014.01.24 に『SDガンダム』に関する記述を追記。
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中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

剣を描かなかったせいで、絵が中央から右に寄ってしまっているのがわかります。帳尻を合わせるように名前は左に寄せています。そんな色んな面を踏まえ、もう一度本物のヘッドロココを見てみましょう。 http://t.co/Y26TA7pGF7

2014-01-23 02:35:29
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中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

いかがでしょうか。かなり「ズッシリ」そして「キチン」とした印象に見えたと思います。構図の面でもビックリマンは、本来は縦長の人間キャラを当てはめるのは難しい、正方形というカタチの中に、うまく左右の空きを作らず描いているのがわかります。 http://t.co/6luFrVKhdX

2014-01-23 02:39:10
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中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

芸術家・ピカソも晩年はわざと更にディフォルメを崩した絵を描いており、その時期の作品が有名ですが、やはり基礎はきちんとしてきた人でした。手塚先生と同じく、これが15歳頃のデッサンというのですから驚きです。 http://t.co/NbWwCDWjZM

2014-01-23 02:43:07
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中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

少し話はそれましたが、そんな様々な点を踏まえると、原作がなく2次使用ではないおまけ(シールやカード)の中で、唯一脅威的なヒットを飛ばしたビックリマンシールが単なる偶発的なブームではなく、きちんと技術に裏打ちされた作品群だったことがわかります。

2014-01-23 02:45:41
中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

そして米澤さんのスーパーリアリズム・イラストレーションで培われたカタチを捉える目の力は、今もビックリマンシールの極限まで簡略化された線の中で見る事ができるのです。これが僕が一番素晴らしいと思ったイラストレーションの力と可能性の話でした。(おしまい)

2014-01-23 02:48:11

以下、2014.01.24に『SDガンダム』に関する記述を追記。

中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

ビックリマンとタイアップしていたのはコロコロコミックだったが、もうひとつ当時の子供たちを夢中にさせたのがコミックボンボンの『SDガンダム』。ビックリマンの後に流行したカードダスの火付け役。 http://t.co/vihlWrmugP

2014-01-24 06:28:22
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中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

その『SDガンダム』の代表的なキャラクターデザイナー・イラストレーターは横井孝二さん。そのズッシリとしたフォルムのかっこよさと可愛さ、アレンジのユーモアに、僕は全くと言って良いほどガンダムに興味がなかったのだが、SDガンダムには夢中になり、それ以外の横井さんの仕事も追いかけた。

2014-01-24 06:31:23
中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

通常、企業に所属するデザイナーの名前は商品に表記されない上、当時はインターネットもなかったので、横井さんの仕事を手探りで見つけた『SD戦国武将列伝』は今の様に武将ブームでもなく、歴史にまったく興味のない僕をやはり虜にしました。 http://t.co/n3t2uYnW1y

2014-01-24 06:39:19
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中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

画としての優れた部分はビックリマンの時にお話した部分と大いに被るので今回は割愛させて頂くも、最近調べておもしろいなと思ったのが、横井孝二さんがアマチュア時代に「鳥山劣(とりやまおとる)」というペンネームを使っていたこと。 http://t.co/uk157XyeMq

2014-01-24 06:42:51
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中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

手塚治虫を"神さま"としたっていた藤子不二雄がデビュー当初『足塚不二雄』と名乗っていたことは藤子ファンの間では有名だが、横井さんも同じように漫画家の鳥山明にリスペクトを込めて鳥山劣にしたんだとか。 http://t.co/KibpyBsrWV

2014-01-24 06:48:20
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中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

鳥山明先生の代表作『ドラゴンボール』と『SDガンダム』の繋がりを見出すのは中々小難しいが、そういえばその前の『Dr.スランプ』(アラレちゃん)では背景によく、ウルトラマンやゴジラ、映画のキャラクターなどが2等身になって登場していた。 http://t.co/ifLTjutpE3

2014-01-24 06:54:21
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中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

そしてもうひとつの大きな共通点はお二方とも名古屋出身ということだ。『ビックリマン』のイラストを制作しているグリーンハウスは昔も今も大阪の会社。『ドラゴンボール』の鳥山明さんもずっと名古屋在住。

2014-01-24 07:06:11
中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

横井さんの魅力はもちろん、いまや"SD"や"プチキャラ"と一般的に認知されるようになった等身の高いキャラクターを形を崩さずに2等身にディフォルメする技術力もありますが、『SDガンダム』シリーズでも『武者ガンダム』や『ナイトガンダム』には多くの人が驚きました。

2014-01-24 07:38:53
中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

本来、未来世界のロボット(無機物)である"ガンダム"というモチーフとは到底結びつかない、武将という過去の人間(有機物の世界)とミックスした『武者ガンダム』、それをさらにドラクエのようなファンタジー世界に飛躍させた『ナイトガンダム』。 http://t.co/Emg8Yw7HSx

2014-01-24 07:47:09
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中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

もちろん元を辿れば沢山のスタッフによって企画されたものではあるにしても、横井さんの発想力やイラストレーションの力に、当時の子供たちは横井さんのことを"画伯"と呼んでいました。

2014-01-24 07:52:35
中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

そしてその本来到底結びつかないと思われていた2つ、3つの要素を自然と納得させる形で合わせる業は、味噌カツ、小倉トースト、あんかけスパゲティなどを産み出した名古屋ならではの文化で、横井画伯の出身地を知って妙に納得しました。

2014-01-24 07:57:39
中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

芸能や芸術、出版や音楽の中心地といえば東京がイメージされますが、他の土地の文化が持つ少し違った角度からのユーモアが、絵においても良いスパイスとなり、全国的人気に繋がる事もあるのかもしれないと思いました。それこそ全国の武将たちが登場した『SD戦国武将列伝』のように。(おわり)

2014-01-24 07:58:47

▼関連ツイート

中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

ビックリマンについての反響が大きかったので、番外編として過去に、出演させて頂きビックリマンを紹介したネットTV動画をご紹介しておきます。http://t.co/xmMBEBSnUY 米澤さんと兵頭さんに描いて頂いた似顔絵も登場しますので、10分間ぜひお楽しみ下さい。

2014-01-26 09:09:28
リンク TV&smile TV&smile 第189回 中村佑介さん 後編 シコウヒンTV
中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

またその後にご紹介したスト2をはじめとしたゲーム、またフェイクグッズに興味がある方はコチラhttp://t.co/dCvadMaQjNの方をお楽しみ下さい。

2014-01-26 09:17:35
リンク TV&smile TV&smile 第189回 中村佑介さん 前編 シコウヒンTV

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